化学系エンジニアの独り言

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原油価格とガソリン価格

2008-11-25 | 石油
気がつけば原油価格(WTI)が50ドルを割っています。今年の夏に140ドルを超えたときには、誰もが200ドルまで上がるんじゃないかと、天井知らずこ高騰にびっくりしていたのがうそのようです。

市況の格言じゃありませんが、あがったものは必ず下がるとその当時考えていた人がどれくらいいたでしょうか!まー、消費者にとっては原油価格はガソリン価格などの油料価格の下げに直結しますから、ありがたいといえます。

毎週、ガソリン価格を改定することになった石油会社はこの急落をどう思っているのでしょうか。

ところで、原油が下がったことでガソリンの小売価格は下がってきたことが実感できましたが、それでは一体ガソリンはいくらくらいまで下がるのでしょうか。簡単な試算をしてみました。

先週、近所のガソリンスタンド、業界的にはガスステーションやサービスステーションというのでしょうが、ガソリンの価格は117円/Lでした。家計簿をひっくり返してみたら、この夏一番あたしが買った一番高いガソリン価格は176円でした。その差、59円/Lが原油が下がったおかげで下がった分です。

この間にWTIで言えば高値が147ドル/bblで、直近の安値が49.93ドル/bblでした。これをその間の為替変動を考慮して換算すると、高値が15,882円/bblで安値が4790円/bblと成ります。為替も11月は95.94円/ドルで、8月の108.04円/ドルからずいぶんと円高になった門です。

この8月から11月にかけての原油(WTI、円換算)の下落率は実に69.8%に達します。ざっくりいって1/3以下になったことになります。この下落率が59円/Lのガソリン価格の下落ですから、59円/L÷0.698=84.5円/Lが176円/Lのときのガソリン価格に入っている原料代(原油代)になります。

ガソリンの価格構成は原料代、税金、と精製・販売合わせたコストと利益です。税金はガソリン税53.8円、石油税2.0円、タックスオンタックス2.8円の合計58.6円/Lです。すると、ガソリン価格からここ58.6円と原料代84.5円を引くと32.9円になりますが、これが精製・販売あわせたコスト+利益です。

逆に32.8円+58.6円=91.5円/Lになります。これがガソリン価格から原料代を引いた価格ですから、これ以下にはガソリンは安くならないというわけです。
もっとも、日本のガソリンはWTIから作られるのではなく多くは中東原油から作られますから、原料代はもう少し安くなるでしょう。また石油会社が原油価格の変動そのものを原料価格として、販売価格に反映させているかどうかは分かりません。さらに精製コスト販売マージンは、その時々の精製装置稼働率によっても変わります。ですからここで計算したガソリン価格の下限も変わります。
まー、それでもおよその目安にはなりそうです。

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