化学系エンジニアの独り言

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韓国天然ガス事情

2006-06-06 | ガス
「プロ中のプロである自分にしては、気づかなければいけないことであった。」という言葉が、本日の新聞各紙にありますが、んーん、本当は意図してやってたんじゃないの、プロ中のプロなんでしょ、でなけりゃ、プロ中のプロと自分のことを言うのは言い過ぎじゃないの、と突っ込みをいれたくなる。
どこの世界でもプロ中のプロが少なくなっているのでしょうか!

CO2排出抑制効果ありとして、化石燃料のかなでは天然ガスが好んで使用されている。ガスは開発から輸送にかけて莫大な資金を必要とするので、買主が長期契約をして買うのが通例。しかし、韓国のガス会社Kogasは躊躇しており、このままでは2008年以降大幅な不足になるという報道がある。

あと数年で韓国が長期契約しているインドネシアやマレーシアの一部の契約が切れるのだが、それに代わる契約がなかなか決まらないのだそうだ。2004年に韓国経産省が決めた計画では2010年の需要は25百万トンである。ところがKEEIの予測では30百万トンである。2005年の実績では実需は経産省の計画よりも多く、足りない分をスポット購入している。スポット購入は価格が高くなる上、必ずしも手当てできるとは限らない。韓国経産省は2年ごとにこの計画を見直すとしているが、その計画見直しが出来ておらず、Kogasなどは長期契約を増やせないでいるそうだ。

ところで日本はというと、LNGの輸入量は2004年で60百万トンである。韓国の3倍近い。この量は日本の一次エネルギーの14%に相当する。石油、石炭についで3番目です。この総一次エネルギーのうち発電に使われる量は42%(いわゆる電力化率)ですが、発電燃料中(水力なども含めて)では28%であり、その比率は原子力を抑えて一番である。われわれが使う電気は天然ガスから最も多く作られているということです。

話を戻して、韓国の天然ガス不足量は2008年で5.7百万トン、2010年では8.2百万トンに達すると予測されている。韓国でも日本同様に、天然ガスは電力用や産業用に使われている。日本はとりあえず自分の分は長期契約により確保されているからいいや、となるでしょうか。韓国が不足分をなりふり構わずスポットで調達を始めると、スポット価格の急騰に加えフレートの急騰にも及ぶかもしれない。
他人事と無関心でいるわけにはいかないのである。

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