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石油、ガス関連施設の建設計画

2006-12-05 | 石油
昨年の夏、USでのガソリンの高騰は原油高騰に加えてハリケーンによりUS内の精製能力が落ちたため、ガソリンの品不足になったことが大きな要因でした。USも含めて、世界の石油・ガス生産設備の増強や建設計画について簡単に見てみます。

US国内では引き続き石油製品の需要が高いことから、いくつかの大型プロジェクトが計画されています。テキサス州ポートアーサーにあるMotiva石油では既存の28.5万BDの精製設備に加えて32.5万BDの増強を計画しています。最新の技術を取り入れて精製装置からのエミッションの排出を極力抑えるという方針のようです。2010年完成予定ですが、現在のエクソンBaytown製油所(61万BD)を抜いて全米一の規模の製油所になります。

インドのグジャラート県のジャムナガー製油所では8基のディレードコーカーの計画があります。2008年に完成すれば世界で最も大きなコーカー装置になります。
サウジアラムコは2011年完成で40万BDの製油所を新規に2箇所建設の予定です。

石油化学プラントについては中東・アジアでの計画が目を引きます。サウジアラビアでは年産135万トンのオレフィンプラントを発注しました。一方、UAEでは年産8万トンのメラミンプラントを260億円で計画中です。メラミンは尿素とアンモニアから製造され、メラミンは耐熱、耐水性に優れ強度が大きいことから工業的に大量に生産されている熱硬化性樹脂の原料です。また、UAEは2010年完成予定でポリエチレンとポリプロピレンプラントも計画しています。アジアではシンガポールのシェルブコムが年産80万トンのエチレンクラッカーを建設します。2007年にも建設開始のようです。

GTLプラントについても大きなプロジェクトがあります。今年6月にカタールのオリックスGTLプラントが稼動を開始しました。建設費950億円のこのプラントは世界で最初の商業GTLプラントです。このプラントは南アフリカ・サゾール社のスラリー相技術を採用しています。一日に330百万cfのガスから34000バレルの超低硫黄軽油と24000バレルの軽油と9000バレルのナフサを生産します。

ドイツでは2009年完成の予定で石炭ガス化プラントの設計が進められています。熱量換算で100万kW相当といいます。また、Wバージニア州では規模63万kW相当、オハイオ州では60万kW相当のガス化プラントが計画されています。

石油精製設備の増強だけでなく、石炭やガスを利用するための新たなプロセスが計画されていることが良く分かります。

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