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Performance Engineering

2ZZチューニングガイド SC編

2019-01-08 22:02:45 | エンジン ZZ系
前回のNA編に続き、SC編となります。

SC車輌の場合、NAエンジンをそのままに過給している為、ノッキングのリスクが高まっており、純正ECUでは大きくマージンが取られている為、NAと比較して全ての段階でECU書き換えの効果が大きいです。

1、ノーマルエンジンの特性
容積型のスーパーチャージャーの採用により、2500回転あたりからトルクが立ち上がり、5500回転でトルクピークを迎えますが、ほぼそのままのトルクでレッドゾーンまでパワーが伸びていくような特性です。

2、吸排気の改造について
エアクリーナーはNAと同様にセンサー特性に悪影響を及ぼさないよう注意が必要です。詳細はNA編を参照して下さい。ノーマルのMAFセンサーで250ps程度まで対応出来るようです。

エキマニは適切なパイプ径の物であれば特に問題は無いようです。NAと比べるとトルク特性に与える影響は少ないです。余計な曲げの無いレイアウトの物であれば問題ないようです。

マフラーは性能を求めるなら純正の63φ以上の内径の物をお勧めします。消音性能はサイレンサーの容量に反比例する傾向にあります。

大容量インタークーラーへの交換は正直微妙に感じます。テストの結果、インタークーラーの冷却風量が少ない為、高負荷運転が続くと冷却が追いつかず、インタークーラー温度が大幅に上昇し、パワーが低下してしまいます。大容量化しても冷却の為に導入する風量は変わらない為、パワーの低下は変わらず起こります。


Pro Alloy社製の水冷インタークーラーキット

対策として水冷インタークーラーに変更し、ヒートエクスチェンジャーをラジエター前に設置すると放熱量が大幅に増え、吸気温度が低い状態で安定します。特にサーキット走行を行う場合、高負荷運転の割合が多い為、水冷インタークーラーへの変更は大きな効果があります。ブーストにもよりますが、水冷化で20~45psの向上が狙えます。

3、ブーストアップ仕様
EliseとExigeでは使用しているスーパーチャージャーが異なります。Exigeの場合、プーリーの交換で比較的容易にブーストアップが可能です。


純正プーリーより小径にする事でSCの増速比を増します。

当社の場合、以下の3段階で施工しています。
Stage1 +10ps
Stage2 +20ps
Stage3 +35ps

前期モデル(ダッシュボードが白の車輌?)の場合、Stage1よりインジェクターの変更、ECUの書き換えが必要となります。Stage3より大容量インジェクターと大容量エアフロセンサーが必要となります。

これ以上のブーストアップはSCの効率が低下する領域となる為、当店では施工しておりませんし、お勧めも致しません。

4、大型SCへの換装
Eliseの場合、ブーストアップが出来ない為、SCの交換が必要となります。Exigeの場合もブーストアップ以上のパワーアップを狙うならSCの交換となります。
ノーマルのエンジンでも対応できますが、大容量SCの性能を生かすにはエンジン本体の仕様変更も必要となります。


BOE fabrication社の大容量SCキット。上位キットはインマニに水冷インタークーラー内臓。ヒートエクスチェンジャーは前置きにアップグレードを推奨します。

5、ターボ化
トルク特性を大きく変えることが可能です。純正ECUでも対応可能です。ターボの場合もインタークーラーが肝となります。


次は1ZZ編になります。

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