「ならん!一人の馘首もならん」
敗戦の夏、異端の石油会社「国岡商店」を率いる国岡鉄三は何もかも失い、残ったのは借金のみ。そのうえ石油会社大手から排斥され
売る油もない。しかし国岡商店は社員ひとりたりとも馘首せず、旧海軍の残油集めなどで糊口をしのぎながら、たくましく再生していく。
20世紀の産業を輿し、人を狂わせ、戦争の火種となった巨大エネルギー・石油。その石油を武器に変えて世界と戦った男とはーー出光興産の
創業者・出光佐三をモデルにした本格歴史経済小説
以上は小説「海賊と呼ばれた男」上巻の帯書きです。作者は「百田尚樹」。安部首相の推薦で新しくNHK経営委員になる人です。
感動の連続で上巻を2度続けて読んじゃいました。
そして下巻では、イランに原油を買いに行くにあたっての言葉では言い表せないほどの苦難。其れを乗り越えてゆく姿は行者に似ていると
までいわれました。
ただただ感動の連続で、拙い私のボキャブラリーでは到底表現しきれないもどかしさを感じています。
この人のデビュー作は「永遠の0」という小説で今年の3月に読みました。零式戦闘機(いわゆるゼロ戦)のパイロットの話ですがこれも涙なしでは
読めないほど深い感動を覚えました。人の情の葛藤というものを描いて心を揺さぶります。
今月映画化されたものが公開されます。主演:岡田准一、共演:井上真央・三浦春馬です。
この二冊は年間ベストセラーに選ばれていまして、「海賊・・・・」は総合4位。「永遠の〇」が文庫部門1位でした。
以上2冊の本はここ数年来接した本の中での最高の傑作で、百田尚樹氏も私の中での「司馬遼太郎」「吉川英治」「山崎豊子」に次ぐ作家として
忘れられない存在になりました。