福島木工家具店

製作した家具の紹介と日記

杉の折り畳み椅子の改良

2013-01-09 23:21:21 | 日記

以前、納品させて頂いた、杉の折り畳み椅子の改良をお客様よりご依頼されました。

(杉の折り畳み椅子は、okwoodさんの許可を得て、類似品を製作しております)


椅子を買って頂いたお客様は、木彫りをしている方で、さらに実家が製材所であったこともあり、

木に関しては私よりも色々と詳しい方です。


ご自身で、こんな感じに座面を彫りこんで欲しいと、4脚納品した内の1脚を彫って見せていただきました。







さらに、座面の高さを1cm下げて欲しいとも。

お客様のご要望にはできるだけお応えしていこうと考えておりますので、

このようなご依頼は、より良いものを作るということから歓迎です。


まずは脚のカットから。

ほぼ平面の作業台の上に椅子を載せて、1cmの厚みの木片の上にカッターナイフの替え刃を載せます。

手で押さえながら(手袋をして)4本の脚の周りにマーキング(切り目)していくと、

4本等しく印をつけることができます ↓





次に、脚を組み合わせているボルトナットを外します ↓




スライド丸ノコで角度を合わせて、さっきの切り目をカット ↓





ベルトサンダーで切り面をペーパーがけ ↓







そして、座面の彫りこみへ。

まずは墨付け ↓





○の中にHの文字。

ヘリポートのマークではありません。

彫りこみ深さの印です。

トリマーでHの文字をなぞります ↓





こんな刃物をグラインダーに取り付けて ↓





ガンガン彫ります ↓





ガンガンとはいいましたが、お尻の形をイメージして、

先ほどのHの文字が消える寸前で止めます。


もともと、この座面板の厚みは13mmでありまして、

この薄さから彫りこんでいくのには勇気が要ります。

今回の彫りこみ深さは5~6mmくらい。


ちなみに、彫りこみ用の刃物は荒、中、細の3種類もっています ↓






続いてペーパーがけ ↓





60番、120番、180番と順番にかけていきます。


最後に塗装して出来上がり ↓







番外編として、

彫りこみの形を、お尻(坐骨)に合わせてみました ↓

















こんなのどうですか?とお客様にご意見を伺いましたところ、

この椅子の用途は作業用の椅子で、作業中は背もたれはあまり使わず、

また、これではお尻が固定されて窮屈な感じがするとのことでNGでした。

何でもかんでも、ぴったりフィットが一番という訳ではありませんね。

なるほど、勉強になりました。


コメント (1)
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