昨夕、120メートルほど先にあるスーパーへ水汲みに行った。
最近はどこのスーパーにも設置してあり、商店街などでも見かける
「純水」を提供する設備からの水汲みなのだが・・・・
1個400円ほどの専用容器さえ買えば、限度なく何度でも利用
できるもので、我が家も10年ほど前から4リットル入りの大を2個、
2リットル入りの小を1個使い、コーヒー用や飲料水として便利に
利用している。
この水を汲みに行く係が私なのである。
1個4kgと軽いものだが腰痛持ちの我が家のおばあちゃん(妻)には
1個でもかなりの負担となるため私の役目となっているのだ。
スーパーでの他の買い物も頼まれておらず、両手に水の入った容器を
ぶら下げながらの帰り道・・・この時季らしく暗くなった空の雲と歩道に
並ぶ街灯をぼ~っと見ながら歩いた。
さあ~っと吹く冷たい風に冬が近づいているのを感じながらの帰り道・・・
街灯の明かりが民家の壁に私の影を映した。
なんとなくその影に目をやると、その影が父に見えたのだ。
私の顔は父にはそれほど似てないと思っていたが、スキンヘッドで
つるんとした頭の形や体形、歩き方などは本当によく似ているなと
感じ、思わず口元が緩んだ。
父が生きていれば115歳・・・、厳しい面もあったが教員という職業柄
そうだったのか、明治生まれとしては柔軟なタイプだったと思う。
忙しいこともあり、私たち5人のきょうだいは母に比べ父との会話は少なかったが、ふり返ると今の自分の一部となったのかもしれない・・・と
思い当たる無言の教えのようなものもいくつか浮かんでくる。
5人の子供を育て、仕事では責任ある立場で大変な時期を過ごし、
いろんな意味での滅私に徹した人生だったことを思うと、私はまだまだ
どころか一生父を超えることができないだろうと今更ながら尊敬の念が
湧いてくるようだった。
また夕刻に出かけ、あの壁にわが身を映して密かに対話した気分に
なってみようと思う。