食品のカラクリと暮らしの裏側

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片桐はいり著・映画もぎり嬢の頃の想い出エッセイ「もぎりよ今夜も有難う」/少数派

2019年04月18日 | 文化・文芸
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片桐はいり著・映画もぎり嬢の頃の想い出エッセイ「もぎりよ今夜も有難う」

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♪ もぎりよ今夜も有難う~と歌ってみたくなる本の題名です。石原裕次郎の歌をもじったのでしょうが、映画ファンにとっては面白いエッセイです。いきなりでは、片桐はいりさんの名がピンと来ない方でも、彼女のオカッパ頭を拝見すれば2度と忘れない顔です(失礼!)。エッセイの中でも、ご自分の顔のことを書かれており、小さな頃から「寅さんの娘」と言われ続けてきたそうです。映画・TV・舞台で活躍中の彼女ですが、若い頃、映画館の“もぎり嬢”の経験談のご本です。

“もぎり”といっても、若い方は分からない時代になってしまいましたね。入場券や切符と言わずチケット、そのチケットやらも形態が変わってしまいました。昔の映団連のペラペラな票券(入場券)に、馴染みがあります。何といっても映画館そのものが、大きく様変わりしてしまいました。ご本では数十年前のもぎりの苦労、ほろ苦い失敗や愛嬌たっぷりの若い頃を、ユーモラスに描いています。いろいろとご紹介したいのはやまやまですが、皆様が読まれる際の楽しみを奪ってはいけません。
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かくいう投稿者は、安易なCG処理に走りつまらぬ映画が増えた頃に、「映画」から失礼してしまいました。若い頃は、日比谷や銀座のロードショー(当時はそう言った)はもちろん、新宿や繁華街の場末・いわゆる“ションベン臭い”映画館、映写機が安物なのかスクリーンが暗い映画館など、1日に2・3館をハシゴしたものでした。パンフレットも、随分、集めました。片桐はいりさんとは認識がないまま、もぎられてたかも知れません。現在は、再び内容が濃くしっかりした映画が増え、喜ばしい限りです。

昔は、どこの街にも映画館があり、ギューギュー詰めの満員で扉が閉まらないことが日常でした。一方、都心の大型ワイドスクリーン館で、やむなく最前列に座ろうものなら、翌朝は首が回りませんでした。著者も述べていますが、誰でも忘れられない映画館があるはずです。それが、あなただけの「思い出映画館」です。皆様が年嵩を増し思い出に更ける頃には、日本中の映画館から“もぎり嬢”がいなくなる時代でしょう。
もう1度言います、「♪ もぎりよ~今夜も~有難う~」。

Ntopkeiji

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