偽装魚の実態シリーズ 魚卵の偽装 数の子
偽装魚卵名 カペリンの卵
数の子はカぺリンの卵を一旦バラバラにして着色し結着剤で固めて作り変える
数の子が皆同じ形をしているのはアンコの鯛焼きと同じく成形プレスされるから
■窺い知れないニセモノ成形数の子が謳歌・席捲する回転寿司のレーン
本来、数の子は鰊(にしん)の卵ですが、回転寿司は偽装卵のカペリンの卵です。カペリンは、柳葉魚(ししゃも)と外見・食感が似ているカラフトシシャモと呼び、カナダ・ノルウェー・アイスランドから輸入される別種の魚です。その魚卵を、下記のような手法で数の子に見せ掛けます。
カペリンの魚卵を、一旦、粒々になるまで解(ほぐ)します。卵を着色料で黄色く染めるので、色鮮やかなのです。次に、結着剤・保存料・調味料・香料・その他の食品添加物を大量に混ぜ、粘度のあるドロドロの液状にします。液体を数の子の形をした成形の型に流し込み、プレスして固め、塩漬けするとでき上がりです。
よくご覧になると寸分違わず同じ形状をしているのは、“アンコの鯛焼き”と全く同じ「プレス加工?」だからです。最近はカラクリがばれないように、元々の成形型の形状をあえて少し変えて、同じ重量ながらも少しずつ形が違う数種類の数の子状にプレスするそうです。
食品添加物の塊りのようなこんなニセモノ数の子を、本物の鰊から産まれたものと思って食べている方がほとんどです。回転寿司店どころか一般の寿司屋、年末のアメ横で買った箱入り数の子などは、特殊な水産加工業者が編み出したものです。凡そ魚卵・海鮮品とは掛け離れた、不衛生・不自然な「人工数の子」が出回っているのです。
■本物の数の子でも危険度最高の過酸化水素で脱色される
本物の数の子でも、ほとんどが脱色されています。元々は茶色掛かり、それが自然のままの卵で一番おいしい状態です。しかし鱈子(たらこ)と同じくお世辞にも見た目はよくないので、不必要な脱色や着色をしてしまうのです。
その脱色には「過酸化水素」が使われ、危険度は5ランク中の5に当たる発ガン性が強いものです。オキシフルとして、消毒や殺菌に使われているものです。かつては、茹で麺や練り物などに使われていました。本当は食品に絶対使ってはいけない強力な薬剤ですが、製造後に除去する前提で残念ながら数の子に使用されているのです。
問題は完全に除去されたか否かは、食べた消費者どころか使用した業者にも分からないのです。普段はあまり数の子は食べませんが、お正月の御節(おせち)料理では食べ過ぎないように~暴飲・暴食を避け、さらには防?数の子です。
■本物・数の子のミニ情報/かつては鰊御殿が建つほど豊漁だった
春を告げる鰊は、言葉通り春になると北海道沿岸に産卵群が回遊する体長30cmほどの細長い魚です。江戸時代の半ばになって、数の子が御節料理に加えられました。庶民は身欠き鰊、明治になってからは鰊蕎麦が広まっていきました。
かつては北海道沿岸に大量に鰊が押し寄せて、各地に豪華な“鰊御殿”が建てられるなど大豊漁時代がありました。しかし気候変動や海水温の変化、乱獲などからかなり激減し、今では大半がロシアやカナダからの輸入です。
回転寿司店を始め激安居酒屋・弁当チェーン・ファストフード店・惣菜店など
の安さの秘密は、こういう魚やネタを使っているからです。
偽装魚とは、本物魚の味や食感に似た外国の別種魚や深海魚のことです。