家庭用品の危険シリーズ ■湯たんぽ/寝室
湯たんぽは年間100万個も売れ未だ根強い人気も低温やけどに注意
光熱費の節約・部屋が乾燥しないため風邪対策やお肌にもよい
■2008年には890万個・東日本大震災の年は366万個も売れた
冬場の寒い日、ぽかぽか「湯たんぽ」は心まで温もってきます。失礼な表現ですが、前時代的なこの暖房器具は、昨今のエアコンやストーブの普及によって“絶滅”したと思っていました。いやそれは、投稿者の大きな認識不足でした。未だ根強い人気を持っており、通常、年に100万個以上が販売されるそうです。特に2008年の原油高には、電気代の節約から何と890万個もバカ売れし、東日本大震災の2011年の時にも366万個が出ました。
大手雑貨店では、秋から冬場に掛けて湯たんぽコーナーも設置され、20~30種が並べられます。湯たんぽというと、私達の年代では銀色の金属製を思い浮かべますが、今やピンクや黄色、動物のカバーに覆われた「グッズ」の感覚です。お湯を入れるのではなく、ジェル状の物質が入ったプラスチック製、電子レンジで温めるタイプ、充電式など色とりどりです。
湯たんぽの利点は、何といっても光熱費の節約です。また他の暖房器具のように室内の空気を乾燥させないため、風邪対策やお肌にもよいのです。70~90℃のお湯を入れると、24時間後も40℃を保っています。昔の方は、翌朝、そのお湯で顔を洗いました。また、洗濯や掃除にも使えます。日中もこたつの中に入れておけば、こたつの電源を使わないで済みます。
■高齢者の低温やけどと破損によるやけどに注意!
ただ気を付けることは、破損によるやけどと低温やけどです。消費者庁のデータでは、ここ4年間で湯たんぽの事故は146件あり、多いのは劣化破損によるやけど100件、低温やけどが42件です。また湯たんぽの口に厚い湯を注ぐ時も、やけどに注意です。
特に心配なのは、高齢者の「低温やけど」です。ご存じのように高齢者は、肌の感覚が鈍くなり、熱さや痛みに気付かないまま低温やけどで重症化してしまうことです。別の資料では、この6年間に、65歳以上の方の湯たんぽの低温やけどが19件発生しています。対策として、布団が温まったら、取り出して就寝することを勧めています。
■林修先生は湯たんぽという字を書けるかな?
ところで湯たんぽとは、どんな字を書くのでしょうか!私も長年言葉を発してきましたが、初めて知りました。「湯湯婆」です。室町時代の1486年に、中国から日本に入ってきた記録が残っています。当時は医療器具の扱いで、中国語を語源に「湯婆」(たんぽ)と呼んでいたようです。湯たんぽと言うこと自体、また漢字も“重ね言葉”?になるかも知れません。
このように湯たんぽの歴史は古く、徳川家康の遺品の湯たんぽは木製、三代目・家光のものは犬の形をした銅製です。明治になり欧州産の筒型品が入り、明治中期頃には国産の陶器が大量に作られ、庶民に普及しました。湯たんぽの言葉も、その頃に使われ始めたとされています。
■■危険への対策■■
布団が温まったら湯たんぽを取り出して就寝すること
厚手のタオルや布で包むこと
一定時間ごとに位置を変える(寝てしまうと難しい?)
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