食品のカラクリと暮らしの裏側

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野坂昭如氏の戦争中・戦後その2 戦争は気づいた時には始まっている/少数派

2019年04月17日 | 戦争を繰り返すな
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/二度と戦争を繰り返すな
野坂昭如氏の戦争中・戦後その2/戦争は気づいた時には始まっている

M20150520

ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。

毎日新聞掲載、「野坂昭如の七転び八起き」からの文章の2回目です。戦争中・戦後・そして現在の日本を、野坂昭如氏の眼から分析した内容です。まだお読みでない方は、1回目を先に!
※新聞記事も著作権を有します。しかし野坂昭如氏の思いを綴った文章が素晴らしく、何とか皆様にお読み頂きたくブログ掲載した次第です。

1回目の投稿からの続きです。


『70年前の今頃(注)、大日本帝国は瀕死の状態だった。3月10日の東京大空襲で10万以上の命が失われ、それでもまだお上の暴走は続く。4月、ひたすら本土防衛のための沖縄戦がはじまる。沖縄県民の命を盾として、いたずらに死者を増やし、約20万人の命が棄てられた。この唯一の地上戦によって、沖縄は本土の捨て石とされた。今なお、それは続く。
(投稿者 : 注/当該の新聞掲載・2015.3.24)

5月24、25日東京空襲、山の手が焦土と化した。6月5日神戸に空襲、これによってぼくの家族、家も焼失。人生が、大きく変わった。70年前、昭和20年の今頃に生きていた大人達は、何を考えていたのだろうか。子供だったぼくの目にうつる身近な大人は、上辺、平静だったように思う。列島は空襲の嵐、戦争が迫っていた。お上の制度は猫の目の如く変転、変わりないのは、強気な大本営発表だけ。普通に考えれば、日本の敗けと見当つくはずだが、大人達に焦燥の色も諦めた感じもうかがえなかった。

今の日本がどんな状態なのか、ぼくにはよく判らない。ただぼくなりに、冷え冷えと眺めている。この歳では、眺めるしかない。あの命の危機を、目前にしていた時代とはまるで違う。だが今日あるが如く明日もあるとみなして、具体的に破滅を回避する手段を講じない。今も昔も同じ。大人達は、思考停止じゃないのか。飢えに苦しんだ経験をあっさり忘れ、食い物は他国にまかせ、その食い物の大半を廃棄し続けている。危なっかしい原発、安心、安価、クリーンは嘘だった。ツケは、子孫にまわす。年金、健康保険もそう長くないだろう。

日本には、金があるという。債権国だといったところで、ドルという紙切れ。1000兆(円)を超えた国公債の利子払いもある。これを免れるには、極端なインフレしかない。モノ不足の再来は、遠くないだろう。現状維持を最優先、後はすべて先送り。危機感を持たず、リスクを避けてきた日本。敗戦から何を学んだか。震災、原発事故から何を学ぶのか。

戦後70年、平和は奇跡的に続いた。安倍首相悲願の憲法改正は、日本を破滅に追いやるだろう。戦争というものは、気づいた時にははじまっている。今、戦後が圧殺されようとしている。』

以上

日本の過度の経済活動、原発問題、そして日本の道を誤らせる憲法改正への動きについての内容でした。

追記/野坂昭如さんは、2015.12.9に亡くなりました(85歳)。

Sankoub 前号/野坂昭如氏の戦争中・戦後その1 思考停止70年・敗戦から学べ

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