偽装魚の実態シリーズ 他魚介類の偽装 槍烏賊(やりいか)
偽装烏賊名 ヒメジンドウイカ・アジアジンドウイカ
回転寿司の槍烏賊は美味しくない東南アジア産のヒメジンドウイカ
回転寿司やスーパーの烏賊が甘いのは甘味料が塗ってあるから
■ベトナム・マレーシア・中国などで冷凍処理された烏賊
回転寿司店の槍烏賊ネタは、東南アジア産の別種・ヒメジンドウイカやアジアジンドウイカです。ベトナム・マレーシア・中国などの東南アジアで、冷凍処理された烏賊です。槍烏賊といえども、回転寿司店では本物は出ません。
ヒメジンドウイカは「姫神頭烏賊」と書き、10cmほどの小さな烏賊であまり美味しいとは言えません。瀬戸内海や九州などの内湾、東シナ海・南シナ海・台湾にいる、細身で赤みがかっている小型の烏賊です。
回転寿司やスーパーの烏賊が甘いのは、新鮮だからではありません。質が悪い烏賊なので、食品添加物の甘味料をベットリ塗っているのです。すっきり繊細な槍烏賊が、回転寿司店で出てくることはないでしょう。安物の烏賊ばかりで、如何計り(いかばかり)かと思います。(出た!オヤジギャグ)
因みに「じんどう」とは、鏃(やじり)の形のひとつ、矢の先の部分「神頭」に似ているところからきています。やはり烏賊は形から見て、「槍」「鏃」を連想させるのですね。
■本物・槍烏賊のミニ情報/槍烏賊は何と言ってもコリコリとした食感
本物の槍烏賊は、日本沿岸からインドネシアまで生息し、胴長45cmに達します。沿岸回遊性で、春から初夏の産卵期に、沿岸の海藻や岩棚に産みつけます。その時に漁獲するので、槍烏賊は春の烏賊と言います。コリコリした歯ごたえが美味です。
烏賊のうち、「鯣(するめ)烏賊」の漁獲が最も多く、馴染みのある烏賊です。江戸前の寿司は、煮烏賊にして握るか、胴に寿司飯を詰めた“印篭(いんろう)詰め”(現在のイカ飯)にして出すのが普通です。
回転寿司店を始め激安居酒屋・弁当チェーン・ファストフード店・惣菜店など
の安さの秘密は、こういう魚やネタを使っているからです。
偽装魚とは、本物魚の味や食感に似た外国の別種魚や深海魚のことです。