少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.78
ROUND7 国民の命を守るため東京オリンピックの中止を!編 3
NHK聖火リレー生中継で音声が30秒消される「五輪反対抗議」の異論排除か?
ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2021年4月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。
■政権や権力者に都合の悪いことは隠し国威発揚に加担するNHKであってはならぬ
投稿者の文章/NHK聖火リレーの生中継で、突然、音声が消された。沿道の「五輪反対抗議」の音声が、30秒間消されたのである。詳細は、毎日新聞の記事を。事実を正確に伝える義務がある公共放送ましてやNHKだけに、あってはならぬ事態だ。あってはならぬ事態と言ったが、政権に過剰に忖度するNHKになってしまったことは周知の事実。であっても、ここまでやるのかと驚く。政権や権力者に都合の悪いことを隠し国威発揚に加担するNHKは、言論統制をする中国や北朝鮮の「国営放送」と全く変わらなくなった。場所は長野県で、1998年長野オリンピックは膨大な赤字を残し、その後、20年余りに渡り市民に過大な税負担を負わせた。そんな環境もあってか、市民組織が抗議活動を起こしたと思われる。右翼や若い世代は、「五輪反対」の意見を排除する傾向にある。果たして五輪は、良いことばかりなのだろうか? 多様な意見があって当然と考える。メディアとして、公共放送の役割としてNHKが執った行動は、厳しく追及されるべきと考える。
*毎日新聞の記事のタイトル付けは、投稿者によるものです。
■ツイッターでこの映像が拡散され「異論を排除」などNHKに批判的な投稿が
ここからは毎日新聞の記事です/NHKが中継する東京オリンピックの聖火リレーの映像から、一時的に音声が消える「異変」があった。21年4月1日夜、聖火ランナーが長野市内を走っていた時だった。「オリンピックに反対」。沿道で抗議行動をしていた市民の声が、一瞬中継に入り込んだ。その直後、中継から音声が消えたのだ。SNS上では、「都合の悪い音声」を消したのではないかとの声が出ている。真相を取材した。聖火リレーの中継は、NHKの「聖火リレーライブストリーミング特設サイト」で見ることができる。この特設サイトは聖火リレーの全日程をライブ中継しており、後からでもほぼ全てのリレーの様子を見ることができる。NHKによると、国際オリンピック委員会(IOC)と東京オリンピック・パラリンピック組織委員会とNHKの3者合意に基づき、NHKは聖火リレーのランナーの正面からの映像を単独で撮影している。その映像を組織委にも提供している。
長野市内の聖火リレーは1日午後7時過ぎ、名所「善光寺」本堂を出発して市役所前広場までの約2.5キロを計12人が約30分かけてリレーした。特設サイトの映像を確認すると、第7走者の途中から約30秒間にわたって、音声が途切れていた。次のような経緯だった。第7走者の男性の映像は計2分21秒。▽第7走者の男性が登場し、聖火を引き継いで出発。 ▽出発(映像開始)から58秒後 「オリンピックに反対」「オリンピックはいらないぞ」と沿道の抗議の声が中継に入り込む ▽同1分3秒後 中継の音声が消え、映像だけに。 ▽同1分30秒後 音声のボリュームが徐々に戻る。運動の地点を過ぎていたためか、抗議の声は聞こえない。中継映像は30秒近くも無音状態で、異様な印象を受ける。ツイッターでは1日夜から、この映像が拡散され、「不都合な発言」「異論を排除」などNHKに批判的な投稿が目立った。
■「オリンピックは異論を排除する」「五輪は都合の悪いものを排除する」
取材を進めると、抗議行動を行ったのは、1998年の長野冬季五輪に反対した「オリンピックいらない人たちネットワーク(復刻)」のメンバーら11人だった。五輪招致活動の段階から、地域に根ざして活動してきた住民のネットワークである。メンバーの岡嵜(おかざき)啓子さん(67)=長野市=に話を聞くと、参加者は第7走者のコースの沿道にある複合施設「TOiGO(トイーゴ)」前に集まり、午後6時20分ごろから午後7時半過ぎの間、抗議をしたという。「コロナ対策にこそ力をそそげ」「五輪やめて」と書いた横断幕を持ち、拡声器を使って五輪開催反対を訴えた。地域住民の立場から、五輪の影響をよく知る人たちの貴重な声である。だが、その際に、近くの警備員とみられる人から「声を出すことをほかの人にも遠慮してもらっているので」などと一時止められた。五輪組織委のコロナ対策のガイドラインは「大声を出さずに拍手で応援」としているが、現場の映像からは声援が聞こえる場面もある。実際には、「コロナ対策」で抗議を封じ込める狙いがあるのではないだろうか。
大きな混乱もなかったというのに、なぜ中継の音声が突然、消えたのだろう。五輪組織委は、沿道での密を避けるために、聖火リレーはなるべくライブ中継で見てほしいと呼びかけている。そのライブ中継の問題である。組織委に取材すると、東京2020聖火リレーメディア事務局の担当者が「(聖火リレーの中継は)組織委の管理ではありません」と回答した。その上で、音声を消すなど中継映像の編集については「NHKの判断になる。(音声が配信されなかった)要因は、こちらではわかりかねる」とにべもなかった。NHK広報部に問い合わせると、担当者が「走っている聖火ランナーの方々への配慮も含めて、さまざまな状況に応じて判断して対応した」とコメントした。「さまざまな状況」とは何なのか。聖火リレーの何を受けて配慮を検討したのかを聞くと、「沿道からさまざまな声が上がっていたことは事実です。そうした状況を踏まえてということです」と説明した。また「さまざま」である。ライブ中継の最中に判断して、現場からの音声を「絞った」のだという。どこまでも煮え切らない「回答」である。
▽東京都立大・武蔵野大客員教授の舛本直文さん(五輪研究)
「ヘイトスピーチやリレーの妨害行為でもないのに、現場の音声を中継しないのは異常ですね」と述べ、NHKの対応に首をかしげる。中継に沿道の抗議運動が映り込むことはよくあることだ。「これまでのどんな五輪でも反対意見があって、抗議運動が行われてきました。沿道でデモがあっても、それは許されてきました。NHKが報道しないと判断をしたとしたら非常に不自然です」と舛本さんは疑問視する。一方、先述の抗議に参加した岡嵜さんは「オリンピックは異論を排除するんですよね」と語る。「五輪は都合の悪いものを排除していますよね。私たちは聖火リレーを止めたり、妨害したわけではありません。(五輪に反対する)異論を述べただけです。そういう意見もあると受け止めるのが健全な市民社会で、それを伝えるのがメディアの役割ではないでしょうか」と訴える。
ちなみに、NHKは北京五輪の聖火リレーの現場で、チベット独立を叫ぶ抗議デモの映像をニュースとして世界に放映していた。その際、中国当局がNHKなど海外メディアのニュースを国内で遮断したことに対し、NHKを含む海外メディアは批判的に伝えていた。北京五輪の聖火リレーで抗議デモを報じ、東京五輪で音を絞るのは、ダブルスタンダード(二重基準)ではないのか。さて、NHKはこれからも抗議行動の音声を絞って「ライブ中継」を続けるのだろうか。ニュースでは報じるのか。聖火リレーからますます目が離せなくなってきた。
次号/東京五輪再延期・中止の声が8割・ここは中止を決断しコロナ収束に集中すべき
前号/聖火リレー醜態・大爆音のスポンサー車両とDJがガンガン声を張り、まるで企業宣伝
ROUND7 国民の命を守るため東京オリンピックの中止を!編 3
NHK聖火リレー生中継で音声が30秒消される「五輪反対抗議」の異論排除か?
ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2021年4月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。
■政権や権力者に都合の悪いことは隠し国威発揚に加担するNHKであってはならぬ
投稿者の文章/NHK聖火リレーの生中継で、突然、音声が消された。沿道の「五輪反対抗議」の音声が、30秒間消されたのである。詳細は、毎日新聞の記事を。事実を正確に伝える義務がある公共放送ましてやNHKだけに、あってはならぬ事態だ。あってはならぬ事態と言ったが、政権に過剰に忖度するNHKになってしまったことは周知の事実。であっても、ここまでやるのかと驚く。政権や権力者に都合の悪いことを隠し国威発揚に加担するNHKは、言論統制をする中国や北朝鮮の「国営放送」と全く変わらなくなった。場所は長野県で、1998年長野オリンピックは膨大な赤字を残し、その後、20年余りに渡り市民に過大な税負担を負わせた。そんな環境もあってか、市民組織が抗議活動を起こしたと思われる。右翼や若い世代は、「五輪反対」の意見を排除する傾向にある。果たして五輪は、良いことばかりなのだろうか? 多様な意見があって当然と考える。メディアとして、公共放送の役割としてNHKが執った行動は、厳しく追及されるべきと考える。
*毎日新聞の記事のタイトル付けは、投稿者によるものです。
■ツイッターでこの映像が拡散され「異論を排除」などNHKに批判的な投稿が
ここからは毎日新聞の記事です/NHKが中継する東京オリンピックの聖火リレーの映像から、一時的に音声が消える「異変」があった。21年4月1日夜、聖火ランナーが長野市内を走っていた時だった。「オリンピックに反対」。沿道で抗議行動をしていた市民の声が、一瞬中継に入り込んだ。その直後、中継から音声が消えたのだ。SNS上では、「都合の悪い音声」を消したのではないかとの声が出ている。真相を取材した。聖火リレーの中継は、NHKの「聖火リレーライブストリーミング特設サイト」で見ることができる。この特設サイトは聖火リレーの全日程をライブ中継しており、後からでもほぼ全てのリレーの様子を見ることができる。NHKによると、国際オリンピック委員会(IOC)と東京オリンピック・パラリンピック組織委員会とNHKの3者合意に基づき、NHKは聖火リレーのランナーの正面からの映像を単独で撮影している。その映像を組織委にも提供している。
長野市内の聖火リレーは1日午後7時過ぎ、名所「善光寺」本堂を出発して市役所前広場までの約2.5キロを計12人が約30分かけてリレーした。特設サイトの映像を確認すると、第7走者の途中から約30秒間にわたって、音声が途切れていた。次のような経緯だった。第7走者の男性の映像は計2分21秒。▽第7走者の男性が登場し、聖火を引き継いで出発。 ▽出発(映像開始)から58秒後 「オリンピックに反対」「オリンピックはいらないぞ」と沿道の抗議の声が中継に入り込む ▽同1分3秒後 中継の音声が消え、映像だけに。 ▽同1分30秒後 音声のボリュームが徐々に戻る。運動の地点を過ぎていたためか、抗議の声は聞こえない。中継映像は30秒近くも無音状態で、異様な印象を受ける。ツイッターでは1日夜から、この映像が拡散され、「不都合な発言」「異論を排除」などNHKに批判的な投稿が目立った。
■「オリンピックは異論を排除する」「五輪は都合の悪いものを排除する」
取材を進めると、抗議行動を行ったのは、1998年の長野冬季五輪に反対した「オリンピックいらない人たちネットワーク(復刻)」のメンバーら11人だった。五輪招致活動の段階から、地域に根ざして活動してきた住民のネットワークである。メンバーの岡嵜(おかざき)啓子さん(67)=長野市=に話を聞くと、参加者は第7走者のコースの沿道にある複合施設「TOiGO(トイーゴ)」前に集まり、午後6時20分ごろから午後7時半過ぎの間、抗議をしたという。「コロナ対策にこそ力をそそげ」「五輪やめて」と書いた横断幕を持ち、拡声器を使って五輪開催反対を訴えた。地域住民の立場から、五輪の影響をよく知る人たちの貴重な声である。だが、その際に、近くの警備員とみられる人から「声を出すことをほかの人にも遠慮してもらっているので」などと一時止められた。五輪組織委のコロナ対策のガイドラインは「大声を出さずに拍手で応援」としているが、現場の映像からは声援が聞こえる場面もある。実際には、「コロナ対策」で抗議を封じ込める狙いがあるのではないだろうか。
大きな混乱もなかったというのに、なぜ中継の音声が突然、消えたのだろう。五輪組織委は、沿道での密を避けるために、聖火リレーはなるべくライブ中継で見てほしいと呼びかけている。そのライブ中継の問題である。組織委に取材すると、東京2020聖火リレーメディア事務局の担当者が「(聖火リレーの中継は)組織委の管理ではありません」と回答した。その上で、音声を消すなど中継映像の編集については「NHKの判断になる。(音声が配信されなかった)要因は、こちらではわかりかねる」とにべもなかった。NHK広報部に問い合わせると、担当者が「走っている聖火ランナーの方々への配慮も含めて、さまざまな状況に応じて判断して対応した」とコメントした。「さまざまな状況」とは何なのか。聖火リレーの何を受けて配慮を検討したのかを聞くと、「沿道からさまざまな声が上がっていたことは事実です。そうした状況を踏まえてということです」と説明した。また「さまざま」である。ライブ中継の最中に判断して、現場からの音声を「絞った」のだという。どこまでも煮え切らない「回答」である。
▽東京都立大・武蔵野大客員教授の舛本直文さん(五輪研究)
「ヘイトスピーチやリレーの妨害行為でもないのに、現場の音声を中継しないのは異常ですね」と述べ、NHKの対応に首をかしげる。中継に沿道の抗議運動が映り込むことはよくあることだ。「これまでのどんな五輪でも反対意見があって、抗議運動が行われてきました。沿道でデモがあっても、それは許されてきました。NHKが報道しないと判断をしたとしたら非常に不自然です」と舛本さんは疑問視する。一方、先述の抗議に参加した岡嵜さんは「オリンピックは異論を排除するんですよね」と語る。「五輪は都合の悪いものを排除していますよね。私たちは聖火リレーを止めたり、妨害したわけではありません。(五輪に反対する)異論を述べただけです。そういう意見もあると受け止めるのが健全な市民社会で、それを伝えるのがメディアの役割ではないでしょうか」と訴える。
ちなみに、NHKは北京五輪の聖火リレーの現場で、チベット独立を叫ぶ抗議デモの映像をニュースとして世界に放映していた。その際、中国当局がNHKなど海外メディアのニュースを国内で遮断したことに対し、NHKを含む海外メディアは批判的に伝えていた。北京五輪の聖火リレーで抗議デモを報じ、東京五輪で音を絞るのは、ダブルスタンダード(二重基準)ではないのか。さて、NHKはこれからも抗議行動の音声を絞って「ライブ中継」を続けるのだろうか。ニュースでは報じるのか。聖火リレーからますます目が離せなくなってきた。
次号/東京五輪再延期・中止の声が8割・ここは中止を決断しコロナ収束に集中すべき
前号/聖火リレー醜態・大爆音のスポンサー車両とDJがガンガン声を張り、まるで企業宣伝