
池上彰氏◇3つの大震災の名称意義・善意でも思い込みで被災地に品物を送ると迷惑行為

■大震災の名称は政府が復旧・復興を促進させる目的で統一呼称に

表・補足/①関東大震災時には、最大震度の基準が「6」までしかなかったため。②関東大震災の死者が多いのは、大火災による焼死が多数。③マグニチュード数値(M)は、0.1上がると、全体のエネルギー量は2倍になる。M7.3に対し、M7.4は2倍。

■被災地状況を考え生鮮食品・千羽鶴・季節外れの服・多種品の同梱送付はNG

▽送ってはいけない物
(1)生鮮食品 = それこそ現場は冷蔵庫どころか、停電していることが多い。全国から多種・多様な品が多数送られてくるため、区分けなどに時間を要し、大抵、腐ってしまう。中には良かれと箱の隙間に蜜柑(みかん)などを入れると、腐るどころか同梱の支援物資も使えなくなるので絶対やめること。
(2)千羽鶴・寄せ書き・書籍 = かさばり、現場は狭いことが多いので不要。
(3)季節外れの新品服や着古した服 = 阪神・東日本・能登半島の各地震は真冬(東北は3月でもほぼ冬状態)にも関わらず、夏の服を送れば迷惑。また過去の災害では洗濯もせず垢がついたまま着古した服が送られて来たことがあり、被災者への気持ちに寄り添っていない。送った側は、断捨離と勘違いしている。
(4)各種類の同梱(詰め合わせ) = あれもこれも箱に入れたい気持ちは分かるが、仕分けする人も被災者やボランティアであることを考慮してやめる。むしろ現地ではなく、人員に余裕のある支援団体やNPO宛てに送るべき。※事前にホームページを見て、現地で何が必要な物(不足)としているかを確認すること。
※投稿者の文章/現場は想像以上に過酷で、送る側は普段の家族や知人への贈り物・お見舞い気分では駄目だ。
■必要な物 [一例<現金・弾性ストッキング・ラップ・生理用品・おむつ]
(1)現金 = 次項参照
(2)弾性ストッキング・生理用品・おむつ・ラップ = 支援団体やNPO宛てに送るのが望ましい。番組では製造会社の寄贈が紹介された。
・弾性ストッキング~膝下を圧迫するストッキングで、エコノミークラス症候群を防ぐもの。
・ラップ~①新聞といっしょに身体に巻けば保温効果がある。②避難所では水が不足し、皿の上に敷けば皿を洗う必要がなくなる。③束ねて細く巻けばロープになり、洗濯物を干せる。※被災者だけに限らず、私達も日常の防災対策として活用できる。
(3)生理用品・おむつ(子供・年寄り用)
※投稿者の文章/番組では紹介されなかったが、他の災害でも不足し問題になる品。全国の避難所には、一定の量が保管されているが不足気味。国や地方自治体の関係職員は男社会なので、女性や子供・年寄りの必需品に気が回らぬ。
■義援金と支援金の違いは?現地自治体への「ふるさと納税」の活用

(1)ふるさと納税の活用(返礼品をもらわない)
手っ取り早いのが、被災自治体へのふるさと納税の活用だ。日常、返礼品目的の利用者が多いが、この場合は「返礼品不要」と申し込めば、金額の7~8割分が寄付できる。
(2)義援金と支援金の違い
義援金は「直接支援」で、被災者に見舞金として直接渡される。但し全国からの寄付総額を見て、調査後に被災者各自に公平に分ける。従って、被災者に渡るまでにかなり時間が掛かる。一方、支援金は「間接支援」で、支援している団体・NPO・ボランティアなどに配られる。ボランティアといえども食費・交通費・宿泊費も掛かることから、一部を補助する。インフラの一部にも充てられる。比較的、早く配付される。
※投稿者の文章/避難所にいても、薬代・一定の生活費用のお金がいる。政府や特定団体が、立替仮払いや義援金の前渡金として10万円~数十万円を即時払いするシステム作りをするべきだ。また余談に近くいつも思うが、募金の銀行口座名が長過ぎる。また他銀行からの振り込みは高い手数料が掛かり、こういう場合は無料にすべき。

次号/能登半島地震・震度7、大地震や大災害が起こるとなぜか必ず数日後に大雨が降る
前号/山中淳一教授◇能登半島地震の原因は地下流体の上昇・2020年群発地震から活発化
