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神宮外苑⑩関連・五輪カヌー会場設置のために「葛西臨海公園」が縮小されそうになった!/少数派

2023年11月30日 | 環境・海洋プラ
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神宮外苑⑩関連・五輪カヌー会場設置のために「葛西臨海公園」が縮小されそうになった!

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旧画像/全長(東西)3.1km、80ha(東京ドーム17個分)、手前が2つの人工渚
左端に浄水場、画像にはないがその南側(下)がカヌースラローム場所

■投稿者の文章|葛西臨海公園の1/3を潰そうとしたことは小池氏の環境破壊の始まりと知る
前号では神宮外苑関連として、日比谷公園でも木々の大伐採の状況をお伝えした。今号は同問題をBS-TBS森本毅郎の「噂の!東京マガジン」で特集をやっていたので、前号の本文と重複しない部分をピックアップした。また小池都知事の“環境に無関心”なことが顕著に現れたのは、2021年の東京五輪カヌー会場建設時、「葛西臨海公園」の1/3が奪い取られそうになった経緯をご案内する。17年、地元や環境団体・心ある都民の大反対で、辛うじて免れた。会場選択は組織委員会が決定するものではあるが、バレーボールの会場決定・その他に際し、小池氏自ら“工作・誘導”した跡がある。それとは数段次元が高い、葛西臨海公園の1/3が潰される危機に何の発言もしなかった。まさしく著しい環境破壊が行われようとしており、ましてや都自体が長年手を施して自然を守ってきた地・葛西臨海公園でもある。投稿者はその時、小池氏は“緑”のイメージで売り出していたが、本当は「環境問題」に少しも関心がないと確信した。その後に続く神宮外苑・日比谷公園の扱いを見れば、投稿者の眼に狂いはなかった。下記の文は東京五輪の連載で書いたものだが、あえて当時の文章をそのまま載せる。

Wjpn19640623_01オリンピック募金切手のご案内・第6次(カヌー) 1964年発行

■海と林・湿地が連続する多様な生態系が知られるこの場所をかなり取り壊わそうとした小池氏
8km圏内に無理やり東京オリンピック会場を設置することから、当初の計画では自然の宝庫・野鳥の楽園である葛西臨海公園の1/3が無惨に潰され、カヌー(スラローム)競技会場にする予定でした。しかし生態系を崩し美観も相応しくないため、日本野鳥の会や多くの方の建設反対活動が実を結び、何とか葛西臨海公園・西隣の都下水処理施設の一部に設置することに軌道修正しました。そもそも野鳥の楽園・葛西臨海公園の多くを潰して、人工的なカヌー競技を行うなど狂気の沙汰でした。葛西臨海公園は東京ドーム17個分の敷地に、200種以上の野鳥を確認、スズガモが6万羽も飛来します。樹木も11万本が生い茂る、海と林・湿地が連続する多様な生態系が知られ、年間300万人が訪れる場所です。“自然”と申し上げましたが、元々は1970年代に東京都が900億円以上を掛けて海岸を埋め立てたものです。当時は高度成長期で沿岸は汚染が広がり、東京の海を蘇らせる目的で40年を掛けた結果、多くの野鳥や昆虫、樹木が共存するようになったのです。

スラローム種目は、本来、激流の川の中で旗門を通過する競技です。しかし人工的な300mのスラロームを作り、毎秒13トンもの水流を流すのです。簡単に言えば、昔の豊島園の流れるプールの“超・激流版”です。それだけではなく、循環施設や巨大な貯水池が必要な異様コンクリート施設で、15,000人収容の観客席も作る計画です。そのため、使用電力の異常さも問題です。当初計画が変更されたとはいえ、自然溢れる公園のすぐ隣に建設することは、全く自然の大切さを分かっていません。都はオリンピック後も常設し、ラフティングなどXゲームのような施設を考えています※1。一方、以前から野鳥の会や自然を保存しようとする人達によって、葛西臨海公園を国際的に重要な湿地を守るための「ラムサール条約」に登録する動きが強まっていました(人工の湿地でもOK)※2。にも関わらず、隣に作るのだから問題ないとする都は、極めてセンスがありません。実に、自然・美的感覚に乏しいことでしょう。こんな所にオリンピック会場・レジャー施設を作れば、世界から笑い者にされるだけです。23.11追記 ※1/相当な敷地を使った大規模レジャー施設化は断念し、浄水場の側にスラロームのみ建設された ※2/2018年に登録された。

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■小池氏は神宮外苑や貴重な公園を娯楽施設・イベント会場化することが目的<前号より続く>
Nharu 23年4月、BS-TBS森本毅郎の「噂の!東京マガジン」で特集していた内容。前号本文にない箇所をピックアップした。
日比谷公園の前身は、明治の頃にあった陸軍練兵所。1903(M36)年、日本初の西洋風公園として開園された。今年23年は丁度120年にあたり、開園当時からの木々が残り、移設されてきた樹齢400~500年の木もある。明治の頃は政治家や国民に公園の概念がなく、ヨーロッパへ視察に行き造園技術を学んだ。恐らく当時の人は、ここへ来て初めてチューリップや外国の花々を見ただろうと推察される。樹木群は都会の喧騒をなくし、排ガスを吸って公園内の環境を守る役目も担っている。皇居から続く野鳥の宝庫でもある。ここに2本のデッキ(プロムナード風陸橋)を架ける。前述の木も伐採対象になる可能性があり、公園の東側(日比谷通り)の楠樹木群のかなりの部分が大伐採される。問題は伐採だけに済まず、設計図を見るとやたら「広場」ばかりを作る計画だ。防災避難地の意味よりも、様々なイベントやフェアを呼び込む施設を優先し、そのためのデッキや施設を多く建築する再開発を目指している。

Nharu 木々だけではなく、今ある大音楽堂(野音)・日本初の野外音楽堂と言われ現在でも警視庁・消防庁音楽隊の演奏が聴ける小音楽堂、その他も容赦なく潰される。要するに公園をイベント会場、レジャー施設化して人を呼ぶ目的だ。公園利用者の声は、「公園は大事な財産だから壊さないで欲しい」「長い間育ってきた木を切ることに疑問を持つ」「自然を大事にしないことに怒りを覚える」「公園をイベント場所にすることは納得できない」「貴重な緑の空間、SGDs・地球温暖化対策に逆行する」など。番組レギュラーの清水国明氏(あのねのね)も「そのままにしておく勇気が必要」と、たまには良いことを言う(笑)。番組は、世の中の流れは横浜・山手公園のように文化財保護法によって「国指定・名勝」に登録している。日比谷公園も環境維持を行い、登録を目指すべきとまとめた。ここからは番組を見た投稿者の感想で、小池氏には「公園は緑を守り育て自然環境を維持する」「市民の憩いの場所」の役割の概念を全く持っていない人物なのだ。大手開発企業と組んで、他の都立公園も次々とイベント会場のようにしたいと思っているのは間違いない。神宮外苑や貴重な公園を、こんな姿にしてよいのか。

Sankoub
次号/神宮外苑⑪建替・神宮球場は強いビル風でプレーに多大な影響、銀杏並木が枯死
前号/神宮外苑⑨関連・日比谷公園120年の森も1000本伐採!ここでも小池都知事の環境破壊

Ntopkeiji

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