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神宮外苑⑧歴史を学べば神宮外苑に超高層商業ビルを建てる出鱈目さが分かる/少数派

2023年10月02日 | 環境・海洋プラ
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神宮外苑⑧歴史を学べば神宮外苑に超高層商業ビルを建てる出鱈目さが分かる

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■100年前のスポーツ熱の高まりに設計当初から陸上競技場と野球場を設けた
第2部的な、「明治神宮内苑・外苑100年の歴史と背景」の4回目(まとめ)。今回の再開発・樹木伐採の大本になった、明治神宮「外苑」の歴史と“過去に起こった騒動”について述べる。さらには、侵略戦争(太平洋戦争)に出兵した「学徒出陣」にも簡単に触れる。学徒出陣の壮行会が、現国立競技場の2代前の「明治神宮外苑競技場」で行われたからだ。明治神宮内苑・外苑の歴史は今回で終わりにするが、こうした歴史を知ってこそ、外苑に超高層の商業ビルを建てる出鱈目さ、大伐採する“不届き者”が焙り出されてくる。東京の方だけではなく、全国の皆様も内外苑の貴重な緑の意義を知って頂きたい。引いては、皆様の地域の「緑を大切にする」ことにもご理解をお願いしたい。次回以降の“第3部的”な内容は、外苑敷地内であっても神宮球場と秩父宮ラグビー場の場所移転(入れ替え)がもたらすもの、銀杏並木の危機などをお伝えしたい。

Nharu『1912(M45年)の明治天皇の崩御後、明治神宮内苑の建設とともに、国有地の青山練兵場跡地を明治神宮の「外苑」という形で公園として整備、各種施設を置く形をとった。内苑が日本風であるのに対して、外苑は西洋風の造園であるのが特徴。当初の計画では聖徳記念絵画館、葬場殿址記念物(明治天皇葬儀物)、憲法記念館、陸上競技場の4施設が計画されていた。しかしスポーツ熱の高まりを背景に計画が変更され、野球場、水泳場、相撲場が設けられることになった。この時に、銀杏並木の計画も加えられた。全体計画は当時の官庁技師・折下吉延氏による、当時の都市美運動(City Beautiful) のデザイン思想を踏まえて設計された。内苑は国費で賄われるが、外苑については国民の寄付によって賄われるべきである、という考えによるものである。1926(T15)年に完成した』。

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■ザハ氏設計の“コクリツ”でなくて良かった。多くの学生が帰らぬ人になった学徒出陣
|新国立騒動「ザハ氏設計の近未来・流線形デザインは神宮の杜には不釣り合い」
ここからは外苑にある国立競技場の過去の騒動と、戦前の学徒出陣の説明をする。当初3000億円が掛かるとされた、近未来デザイン・流線形のザハ氏設計による新国立競技場案は白紙撤回された。最大70mもの巨大な建物で、ビルで言えば概ね20階建てに相当する。多くの建築家・設計者が異を唱えたように、「景観破壊」と「税金の無駄」。外苑は、初の風致地区に指定されるほど緑が豊かで素晴らしいエリアだ。投稿者も、周囲を威圧し鼻に付く異様なデザインと感じた。周辺地域や長き将来を考えてデザインしたと思えず、異様なものほど年月が経つと“陳腐化”する。専門家は、構造上、400m級の橋梁(川に架ける一般的な橋)を2本架けるのと同じと言う。従って大会までの完成は無理で、開閉会式・陸上競技ができず東京五輪がめちゃくちゃになった可能性が高かったと指摘する。投稿者は、外苑が“荒らされず”胸を撫で下ろした。にも関わらず再び「外苑騒動」と言われる超高層商業ビル建設、樹木の大伐採に苛(さいな)まれるとは。小池都知事は当時の「コクリツ失敗劇」に全く反省していないどころか、逆に言い掛かりをつけているようなものだ。

|80年前、現国立競技場の場所で行われた「学徒出陣」を忘れてはならない!
投稿者としてはもう1つ、現国立競技場の2代前の「明治神宮外苑競技場」にまつわる、暗い侵略戦争への反省を忘れてはいけないと思う。当時のフィルム映像をご覧になった方もいると思うが、「学徒出陣壮行会」のシーンだ。昭和18年10月21日の朝、大雨でずぶ濡れになった学生2万5千人が学生服姿で銃を担ぎ、競技場を行進した。観客席は参加した女子生徒など7万人で埋め尽くされ、行進学生は二度と生きて帰るつもりはないことを誓い、女子生徒も彼等を「生きたお葬式」と涙ながらに見送った。その後の学徒出陣の総勢は10万人と言われ、特攻隊員など戦地に送られ大勢が帰らぬ人になった。1964(S39)年と2021年の2度も平和な“スポーツの祭典”が現在の場所で行われる根底に、彼等の非業の死を忘れてはならない。雨の壮行会から今年は丁度80年を迎え、同じ場で起きたこうした悲しい歴史を私達は受け継ぐ必要があると感じる。※後日、別途「学徒出陣」の記事を投稿予定。

|外苑大伐採をすれば数十年を経て他の樹木にも悪影響を及ぼし枯死に至る
以上、4回に渡り明治神宮の内苑・外苑の歴史と先人達の努力をお伝えしてきた。投稿の終わりに、外苑は内苑よりも保存条件が緩くても、基本的な考え方である「しっかり樹木を守る」意思に揺るぎはない。それが1000~3000本(伐採本数計画が流動的)伐採の危機、特に秋に美しい銀杏並木が一部枯れる恐れが出ている。内苑の“自然林”(今や自然林と言える)から波及する重要性を鑑み、外苑の樹木を大量に伐採することはとんでもない話だ。地球“沸騰”化時代に「緑」を減らす逆行、市民の憩いの場を壊す、景観破壊に通ずる。専門家は現在の案では、植樹しても大半が枯れるだけに留まらず、数十年を経て伐採されない樹木にも悪影響を及ぼし枯死に至ると警告する。

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Sankoub
次号/神宮外苑⑨関連・日比谷公園120年の森も1000本伐採!ここでも小池都知事の環境破壊
前号/神宮外苑⑦明治神宮内苑が100年も緑を維持できたのには厳しい取り決めがあった

Ntopkeiji

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