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専門家に相談しないまま菅首相の「コロナ入院制限」命の置き去りの方針許されない/少数派

2021年08月07日 | 新型コロナウイルス
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専門家に相談しないまま菅首相の「コロナ入院制限」命の置き去りの方針許されない

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■後手の対応によって必要な病床が確保できない恐れが現実になりつつあることを示す
投稿はしんぶん赤旗を活用しております/菅義偉政権がコロナ患者の入院について重症患者や重症化リスクの高い人に重点化する方針を突然打ち出し、国民の厳しい批判を浴びています。これまで入院で対応してきた中等症患者や、宿泊療養を原則にしていた軽症患者を「自宅療養を基本」にするという重大な方針転換です(修正・下記)。症状が急変しやすい特徴があるコロナ患者の入院に制限をかけることは、治療の遅れにより自宅で死亡する人を続出させかねません。命を置き去りにした方針は撤回しかありません。入院制限方針は8月2日、菅首相がコロナに関する関係閣僚会議で表明しました。感染急拡大の地域で、入院患者を絞り込み、重症患者や高リスク患者に「必要な病床を確保する」ためと強調しました。感染力の強いデルタ株で感染が広がるスピードが速まっているのに、菅政権の後手の対応によって必要な病床が確保できない恐れが現実になりつつあることを示しています。病床不足を打開するためには、医療機関の減収補填(ほてん)など財政支援を抜本的に拡充し、医療提供体制の一層の強化を図ることこそが必要です。

ところが、首相の今度の方針は、入院や施設療養を制限し、命を危険にさらすことを国民に強いる本末転倒のやり方です。方針を決める際、専門家にも相談していません。命に直結する問題での方針変更を、専門家を交えた検討や議論も経ないで独断で決めたこと自体、極めて乱暴です。中等症患者のうち酸素投与が必要な人や基礎疾患のある人は入院の対象になると説明します。しかし、この方針では呼吸困難や肺炎があっても酸素投与をしていない中等症患者は在宅療養とみなされます(修正・下記)。入院が一部に限定されることは必至です。デルタ株では無症状者や軽症者も短期間で悪化するケースもあるとされます。自覚症状が顕著に表れなくても病状が進行している場合も少なくありません。血液中の酸素の濃度を測るパルスオキシメーターを配布して健康管理をするなどとしていますが、本人が必ずしも適切に判断できるとは限りません。「第3波」「第4波」の際、在宅死が相次いだ悲劇を繰り返すことは許されません。

■政権自らが事実上「医療崩壊」の危機を認めざるをえない重大局面を迎えている
急変時に「すぐに入院できる体制」をとるといっても、実効性は不確かです。そもそも必要な病床数確保が追い付いていません。すでに東京では自宅療養者は1万人を超えています。対応する保健所は濃厚接触者の調査などにも追われ、自宅療養者にきちんと連絡を取ることが限界に達しています。医療機関による在宅患者への往診も、すぐに体制をとれる地域は限られています。安心して自宅療養できる仕組みを万全に整えないまま、「入院制限」を持ち出すのはあまりに無責任です。このような政権では、国民の命と安全は守れません。いま日本は、感染の爆発的拡大の中で、政権自らが事実上「医療崩壊」の危機を認めざるをえない重大局面を迎えています。菅政権の無為無策をこれ以上続けさせてはなりません。臨時国会を直ちに召集し、各党が英知を集めてコロナ危機を乗り切る時です。

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▼修正内容 上記は8月5日付記事で、当初「中等症患者や重症化リスクが高い者」を入院対象者としていた。しかし同日の国会で田村厚労相が「中等症患者で、酸素投与が必要な者、必要でなくても重症化リスクがある者」「対象地域は東京都」に修正した。一方、「入院させる必要がある者以外は自宅療養を基本とする」方針は変えなかった。
補足> 新型コロナは主に呼吸器の状態で区分されるため、40度の発熱でも軽症と判断されることがあります。息切れや肺炎の所見が出て中等症1、肺の機能が低下し酸素投与が必要になって中等症2です。通常の酸素投与では追い付かず、集中治療室などで人工呼吸器を装着する段階まで悪化すると重症に区分されます。厚労省はこれまで、入院の必要性の有無を軽症と中等症の違いと説明してきました。軽症から急変することも多く、高齢者や基礎疾患がある人は軽症でも入院が基本でした。
投稿者追記/ここで申しげたいことは2つ。軽症・中等症・重症とに分けられるが、言葉のイメージに比べ実際の症状は遥かに重い。軽症の方でも急変し、自宅療養中に亡くなる方が多発している。上記の図を見れば、政府の当初の策はとんでもないことが分かる。重症では怪我の重傷とは異なり、もしかしたら助からないかもしれないレベルだ。それが8月5日現在で重症者は823人だが、2週間前の392人から急増している。菅首相は死者が少ないから大丈夫の認識だが、重症者は予備軍だ。2つめ、田村厚労相は国会で二転三転、修正を余儀なくされた。前号のように自民党にも公明党にも、そして尾身会長や医師会にも問わずに突然の「入院制限」は、政府の慌てぶりが見える。コロナ対策には全く物を言わなかった自民党から批判が噴出したのは、あまりにも唐突・無軌道だから。むしろ秋の総選挙を意識してのこと。軌道修正しても、中高年には「政府は命を守ってくれない」と痛感させてしまったことは大打撃。もう菅政権は、いよいよ終末期を向かえた。

■投稿者の文章/都の重症者を国の基準に置き換えると4~5
倍に!都は小さく見せたい?

あらためて投稿者の文章/多くの方とりわけ高齢者は怒り、また焦り出したと思う。前号のように与良正男氏によると、菅首相はここまで感染者が急増するとは考えていなかったようだ。楽観的でいられるのは、国民を舐めているからとも仰っていた。現在、東京だけで自宅療養と調整中の方を合わせると2万人を超える。専門家がかつてない深刻な事態だと言っている時に、菅首相が楽観的メッセージを出し続けた報いだ。こんなことでは、次々と在宅死が起こる。この期に及んで、沈黙を続ける小池都知事も悪質だ。菅首相に反発していたのは人気をとるためで、今では「コロナ入院制限」に率先・同調している。小池氏が真面目に、都政・コロナに取り組んでいる姿を1度も見たことがない。嫌と言うほど見せつけられたのは、パフォーマンスと五輪と自民党べったりの行動。これでは、まともなコロナ対策はお留守になるのは当たり前。こういう知事を選んだことが、都民のコロナ不幸。

それと投稿者は、1年前から東京都の重症者の基準が国と異なることが気に掛かっていた。従来から、都は重症者の数を小さく見せたかったと思っている。TV情報番組では、必ず「東京都の基準では」と前置きされる。国の基準は、①人工呼吸器やECMO(体外式膜人工肺)を使用している患者 ②集中治療室(ICU)や高度治療室(HCU)で治療を受けている患者を重症者として集計している。しかし都は、①だけを重症者としている。国の基準に置き換えると、都の重症者は4倍から5倍になる。国の基準に統一して出せば、国民にも緊張感が生まれる。こんなところにも、都の小賢しさが見えてくる。

Sankoub
次号/137・東京五輪開催は感染抑止へ誤ったメッセージ発信になった・強行が命の危機を加速させる
前号/135・与良政談★コロナ入院制限「ごまかされるな」|倉持仁院長「言っていることがめちゃくちゃ」

Ntopkeiji

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