少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.114
ROUND8 コロナ禍・猛暑下の東京五輪開催の過ち検証編 6
東京五輪開催は感染抑止へ誤ったメッセージ発信になった・強行が命の危機を加速させる
この内容は、東京オリンピックの危うさカテゴリと新型コロナウイルス・カテゴリに併載しています。
■菅政権が率先して“お祭りムード”を煽った結果、国民の気が緩み感染爆発させた
投稿はしんぶん赤旗を活用しております/コロナの爆発的感染拡大のさなかの開催となった東京オリンピックが閉幕しました。期間中、新規感染者数は急激に増加し、必要な患者が入院できない深刻な状況を引き起こしました。緊急事態宣言下での五輪が感染抑止に完全に逆行し、国民の命の危機を加速させたことは疑う余地がありません。感染リスクを高めるとの専門家の警告や「五輪よりも命」と中止を求める世論に背を向け、開催に突き進んだ菅義偉政権、東京都、国際オリンピック委員会(IOC)などの責任は極めて重大です。多くの国民が不安と懸念を抱え続けた五輪でした。JNNの世論調査(8月9日報道)では「五輪が感染拡大につながった」との答えが60%に達しました。「朝日」世論調査(同日付)でも「安全、安心の大会にできなかった」は54%を占め、五輪で自粛が「ゆるんだ」の回答は6割を超えました。
開会日の自衛隊ブルーインパルス飛行やマラソンなどを見るために各地で人が押し寄せ、開会式や閉会式でも新国立競技場周辺は多くの人でごったがえしました。世界最大級のスポーツの祭典を開催すること自体、政権が率先して“お祭りムード”をあおるものです。いくら無観客にして「テレビ観戦」を呼びかけたり、不要不急の外出や旅行をしないでと訴えたりしても、国民に危機感は伝わりません。強い行動制限を促す緊急事態宣言と相反する五輪開催という誤ったメッセージを発信したことが、感染抑止の取り組みの大きな妨げになり、感染急拡大に拍車をかけたことは明白です。東京の新規感染者数は開会日(7月23日)の1359人から8月13日には5773人(現時点で最多)に跳ね上がりました。
■コロナ禍での五輪そのものにはらむ数多くの矛盾を改めて浮き彫りにした
全国の感染者数も1日で2万人を超す最悪の数字となっています。医療機関のひっ迫の影響で自宅療養中に容体が急変し、命を失う人も出てしまいました。変異したデルタ株の急速な広がりに対処できず、ワクチン接種の遅れも打開できていません。「安全・安心の大会」は破綻がみえていました。にもかかわらず開催に踏み切ったことは、国民の命と引き換えにしたギャンブルという他ありません。24日からのパラリンピック開催は、間違った楽観的な発信を続行することになります。今こそ中止を決断し、感染抑止に全力を集中する時です。命の軽視は猛暑下での開催にも共通しています。男子マラソンは札幌に会場変更しても100人余の出場者の約3割が棄権する異常事態になりました。
巨額な放映権料を握る米国のテレビ局の要求で夏開催が動かせない問題とともに、アスリートの最高のパフォーマンスが発揮できる「理想的な気候」と欺いて招致した日本政府などの対応が改めて問われます。これまでも五輪にはスポンサー企業の利害に左右される商業主義が指摘されてきました。コロナ禍は五輪そのものにはらむ数多くの矛盾を改めて浮き彫りにしました。安倍晋三前政権や菅政権は「国威発揚」「政権浮揚」のために五輪の政治利用を企て、ゆがみを拡大させました。命を脅かし、人間の尊厳などを掲げる五輪憲章の理念までも投げ捨てる大会を強行した菅政権の歴史に残る暴挙は厳しく追及されなければなりません。
投稿者によって、タイトル付けを行いました。
■投稿者の文章|五輪開催中からの急激な感染爆発が「東京五輪の置き土産」になったことは間違いない
曲がりなりにも東京五輪が終わったのだから、今さらイチャモンを付けるなと言いたい方もいるでしょう。問題が多い大会であったからこそ、検証すべきと考える。組織委はバブル方式と呼ばれる万全なコロナ対策を自慢したが、結局、終わってみれば選手・五輪関係者で500人以上が感染した(投稿日時点)。政府や丸川五輪相は、国内の感染に、直接、影響させていないと答弁した。しかし医療逼迫が叫ばれる中、相当、負担を掛けたことは間違いない。要は菅首相が五輪開催に前のめりになったことから、「コロナ対策」には全く気が入らず、そうした緩んだムードが国民に伝播して感染爆発したのは明らかだ。感染症の専門家や医療者、メディアは五輪を開催すれば、間違いなく感染爆発・医療逼迫すると、相当前からグラフデータを掲げ、厳しく警告していた。一切無視した結果、やはり8/13(金)には東京5773人・全国では初めて2万人を超えた。
選手の活躍やスポーツを楽しめた価値はあったと言う方もいる。それは刹那的・短絡的なことであって、コロナ感染が拡大すれば多くの方が死亡し、後遺症も多数発症する。それこそ経済不況が長引き、商売や企業経営が深刻になる。どちらが国にとって、あるいは私達にとって「得策」だったか、全く語られていない。また、そこまで考えない国民が多かったようだ。海外メディアは、「日本だからやれた」と評した。政府や国民の一部は、”努力の賜物”と受け取った。そうではない! 発信メディアは、自国だったら「国民の命と引き換えの非人道的な開催は、とてもやできない」というのが真意だ。恥ずべき後世の歴史に残り、日本国民の記憶は「感染爆発の中でよくも強引にやったものだ」、さらには「五輪を無謀開催したから感染爆発した」と言い伝えら、当時(現在のこと)の政府や国民を批判するだろう。直接・間接はともかく、五輪開催中からの急激な感染爆発が「東京五輪の置き土産」になったことは間違いない。
次号/吉見俊哉教授◇64年五輪神話の呪縛・開会式の出来は経てきた失敗の連鎖を象徴する
前号/都民の感染者用ホテルが密かに五輪選手感染者用に変えられていた!”バブル崩壊”
ROUND8 コロナ禍・猛暑下の東京五輪開催の過ち検証編 6
東京五輪開催は感染抑止へ誤ったメッセージ発信になった・強行が命の危機を加速させる
この内容は、東京オリンピックの危うさカテゴリと新型コロナウイルス・カテゴリに併載しています。
■菅政権が率先して“お祭りムード”を煽った結果、国民の気が緩み感染爆発させた
投稿はしんぶん赤旗を活用しております/コロナの爆発的感染拡大のさなかの開催となった東京オリンピックが閉幕しました。期間中、新規感染者数は急激に増加し、必要な患者が入院できない深刻な状況を引き起こしました。緊急事態宣言下での五輪が感染抑止に完全に逆行し、国民の命の危機を加速させたことは疑う余地がありません。感染リスクを高めるとの専門家の警告や「五輪よりも命」と中止を求める世論に背を向け、開催に突き進んだ菅義偉政権、東京都、国際オリンピック委員会(IOC)などの責任は極めて重大です。多くの国民が不安と懸念を抱え続けた五輪でした。JNNの世論調査(8月9日報道)では「五輪が感染拡大につながった」との答えが60%に達しました。「朝日」世論調査(同日付)でも「安全、安心の大会にできなかった」は54%を占め、五輪で自粛が「ゆるんだ」の回答は6割を超えました。
開会日の自衛隊ブルーインパルス飛行やマラソンなどを見るために各地で人が押し寄せ、開会式や閉会式でも新国立競技場周辺は多くの人でごったがえしました。世界最大級のスポーツの祭典を開催すること自体、政権が率先して“お祭りムード”をあおるものです。いくら無観客にして「テレビ観戦」を呼びかけたり、不要不急の外出や旅行をしないでと訴えたりしても、国民に危機感は伝わりません。強い行動制限を促す緊急事態宣言と相反する五輪開催という誤ったメッセージを発信したことが、感染抑止の取り組みの大きな妨げになり、感染急拡大に拍車をかけたことは明白です。東京の新規感染者数は開会日(7月23日)の1359人から8月13日には5773人(現時点で最多)に跳ね上がりました。
■コロナ禍での五輪そのものにはらむ数多くの矛盾を改めて浮き彫りにした
全国の感染者数も1日で2万人を超す最悪の数字となっています。医療機関のひっ迫の影響で自宅療養中に容体が急変し、命を失う人も出てしまいました。変異したデルタ株の急速な広がりに対処できず、ワクチン接種の遅れも打開できていません。「安全・安心の大会」は破綻がみえていました。にもかかわらず開催に踏み切ったことは、国民の命と引き換えにしたギャンブルという他ありません。24日からのパラリンピック開催は、間違った楽観的な発信を続行することになります。今こそ中止を決断し、感染抑止に全力を集中する時です。命の軽視は猛暑下での開催にも共通しています。男子マラソンは札幌に会場変更しても100人余の出場者の約3割が棄権する異常事態になりました。
巨額な放映権料を握る米国のテレビ局の要求で夏開催が動かせない問題とともに、アスリートの最高のパフォーマンスが発揮できる「理想的な気候」と欺いて招致した日本政府などの対応が改めて問われます。これまでも五輪にはスポンサー企業の利害に左右される商業主義が指摘されてきました。コロナ禍は五輪そのものにはらむ数多くの矛盾を改めて浮き彫りにしました。安倍晋三前政権や菅政権は「国威発揚」「政権浮揚」のために五輪の政治利用を企て、ゆがみを拡大させました。命を脅かし、人間の尊厳などを掲げる五輪憲章の理念までも投げ捨てる大会を強行した菅政権の歴史に残る暴挙は厳しく追及されなければなりません。
投稿者によって、タイトル付けを行いました。
■投稿者の文章|五輪開催中からの急激な感染爆発が「東京五輪の置き土産」になったことは間違いない
曲がりなりにも東京五輪が終わったのだから、今さらイチャモンを付けるなと言いたい方もいるでしょう。問題が多い大会であったからこそ、検証すべきと考える。組織委はバブル方式と呼ばれる万全なコロナ対策を自慢したが、結局、終わってみれば選手・五輪関係者で500人以上が感染した(投稿日時点)。政府や丸川五輪相は、国内の感染に、直接、影響させていないと答弁した。しかし医療逼迫が叫ばれる中、相当、負担を掛けたことは間違いない。要は菅首相が五輪開催に前のめりになったことから、「コロナ対策」には全く気が入らず、そうした緩んだムードが国民に伝播して感染爆発したのは明らかだ。感染症の専門家や医療者、メディアは五輪を開催すれば、間違いなく感染爆発・医療逼迫すると、相当前からグラフデータを掲げ、厳しく警告していた。一切無視した結果、やはり8/13(金)には東京5773人・全国では初めて2万人を超えた。
選手の活躍やスポーツを楽しめた価値はあったと言う方もいる。それは刹那的・短絡的なことであって、コロナ感染が拡大すれば多くの方が死亡し、後遺症も多数発症する。それこそ経済不況が長引き、商売や企業経営が深刻になる。どちらが国にとって、あるいは私達にとって「得策」だったか、全く語られていない。また、そこまで考えない国民が多かったようだ。海外メディアは、「日本だからやれた」と評した。政府や国民の一部は、”努力の賜物”と受け取った。そうではない! 発信メディアは、自国だったら「国民の命と引き換えの非人道的な開催は、とてもやできない」というのが真意だ。恥ずべき後世の歴史に残り、日本国民の記憶は「感染爆発の中でよくも強引にやったものだ」、さらには「五輪を無謀開催したから感染爆発した」と言い伝えら、当時(現在のこと)の政府や国民を批判するだろう。直接・間接はともかく、五輪開催中からの急激な感染爆発が「東京五輪の置き土産」になったことは間違いない。
次号/吉見俊哉教授◇64年五輪神話の呪縛・開会式の出来は経てきた失敗の連鎖を象徴する
前号/都民の感染者用ホテルが密かに五輪選手感染者用に変えられていた!”バブル崩壊”