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新国立競技場の新総工費は偽装された金額表示・撤回前と変わらぬ金額カラクリが/東京五輪の危うさR4-4

2021年04月20日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.42
ROUND4 新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編 4
新国立競技場の新総工費は偽装された金額表示・撤回前と変わらぬ金額カラクリが

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ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2015年9月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

白紙撤回を受けて、2015年8月に新国立競技場の新整備計画が決定されました。総工費は約1,000億円が削減され、上限で1,550億円です。しかし、依然、矛盾し全く適正を欠いた巨大事業には変わりありません。ザハ案の総工費3,000億円を見せ付けられたため、私達の脳が完全に麻痺してしまっているのです。その3,000億円から半減したとはいえ、諸外国のオリンピックメイン会場の2倍以上も上回ります。なお重大なことは、1,550億円でも実質的には、撤回前の2,520億円とそう変わらない金額カラクリが存在します。偽装表示の一種で、私達は騙されているのです。

2,520億円は全て含んだ金額でしたが、1,550億円には「大会後への先送り費用」及び「別途予算」約600億円を取り除いたものです。取り止めた施設は、空調(冷暖房)施設100億円(実質、別途予算に近い)や電動式仮設席103億円など先送り分は300億円です。またザハ氏デザイン料15億円を含む大手建設会社へ支払った設計料など無駄金分63億円、旧国立競技場の解体工事費、日本青年館の取り壊し、JSC(日本スポーツ振興センター)本部の移転費用などが283億円も含まれていません。従って、新国立競技場に掛かる全体費用は、さして変わっていないのです。

新総工費は、キールアーチを取り止めたため屋根部分は950億円から238億円になり712億円が減る計算です。単純に考えれば、2,520-712億円で1,808億円です。しかし今回案は、1,550億円+先送り費と別途予算600億円を加えると2,150億円です。首相が白紙撤回と偉そうに言うほど減っていないどころか、屋根を差し引きした全体分はむしろ大幅増額されています。家電やPCで例えるなら、前回はオプション全てを含んだ「総額表示」、今回はオプションを除いた「本体価格のみ」の金額なのです。こういうのを転んでもただでは起きない、小賢しい役人・政治家の悪智恵と言います。

つまり1,550億円を正当化する辻褄合わせは、政府・役人の常套手段なのです。建築の専門家は、「乱暴過ぎる」 「新国立予算の着地点に無理やり合わせただけ」と批判しています。1,000億円でも、十分良いものができると言います。政府は工期がない理由から、「公募型プロポーザル方式」で契約をするとしています。この方法では、主導はJSC・国ではなく大手ゼネコンです。そもそもJSCとゼネコンの癒着体質があり、足元を見られてこれより高く吹っ掛けられることは必至です。次々出てくる不足分は、国民が分からない形で「別途理由付け」「別途予算化」されていくでしょう。

安倍首相が白紙撤回を表明した結果の1,550億円なので、いかなる理由でもこれ以上は認められません。そうでなくてもJSCは、過去から今現在に至るまで様々な点で予算計上されていない点(抜け落ち)があります。ザハ案は3,000億円と言われましたが、発表されなかった本当の額は3,535億円でした。ザハ案で行っていたら最終5,000億円(挙句に工期は間に合わず)、今回案でも完成した時点では白紙撤回前の金額どころではないと思います。それがオリンピック会場建設の高騰に関わる、“過去からの歴史”です。金メダル確実視された選手が負けると、メディアはオリンピックには“魔物”がいたと言います。でも建設会社にとっては、会場には“オイシイ獲物”がいるのです。

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