少数派シリーズ/カジノ・ギャンブルを許すな(大阪・関西万博)
大阪万博②松尾貴史氏コラム◇盛り上がらず「いっしょに、しずもな(沈もう)!」はご勘弁
■まず投稿者の文章|開催まで2年を切っても海外パビリオン申請ゼロ、間に合うのか?
大阪・関西万博の不人気、工事遅れ、そもそも万博の必要性があるのかの投稿を準備していたところ、松尾貴史氏の記事を拝見した。ひと言ひと言仰る通りで、まずはその記事をご紹介して、次回以降に投稿者の考えを申し上げる(松尾氏と全く同じだが・苦)。強調して起きたいのが、2025年開催に対して2年を切ったにも関わらず、海外からのパビリオン(出展建物)の申請と基本計画の提出がゼロ、国内もたった3割に留まるという異常事態だ。詳しくは次号で申し上げるが、果たして間に合うのか。投稿者も認識不足で参加表明した153か国のほとんどがとっくに出展手続きを済ませていて、既に作り始めているパビリオンがあると思っていた。東京五輪と同じで、”EXPO70(1970年開催)の夢よ再び”と言った安易な考え方、IT・ネット社会へ大きく変貌していることから、参加意義や出展価値を鑑み諸外国も参加を躊躇していると思われる。結論を言えば、21年の東京五輪に続き大阪・関西万博も既に「時代遅れ」のイベントでありその魅力はない。<次号に続く>
7/30追記/7月28日、海外パビリオンの申請(韓国)が1件あった。
毎日新聞の日曜版、「松尾貴史のちょっと違和感」というコラムからの記事をご紹介します。
松尾貴史氏はコラムの中で、痛烈な批判をしています。ぜひお読み下さい。
*投稿タイトルは、新聞の原題・原文に基づいて投稿者が行ったものです。
↓ ↓ ▽松尾貴史氏のコラム
■こんなお祭りをするのではなく関西圏の「地盤沈下」からの復興に力を入れるべき
なぜか「関西万博」とも呼ばれている大阪の万博は、2025年に開催が予定されている。開催には切実な理由もあるのだろう。だが、全国的に見ても、長らくの景気の沈滞・後退が著しい大阪が、世界中から人を集めて博覧イベントを開く意義は、皆目感じられない。大阪のみならず、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山をもろとも巻き込んで責任を分散させようというつもりなのか。お祭りをやるのではなく、まずは「経済の地盤沈下」からの復興に力を入れるべき時だと思うのだが、そんな底力は今の大阪にあるのかすこぶる疑わしい。事実、現時点で海外からの参加を表明した153カ国・地域で、このうち50カ国余りがパビリオンを自ら費用を負担して建設することになるが、建設の許可申請が「0」だという。建設業界は人手も資材も不足しており、費用の高騰もあって建設会社との契約が滞っているのだ。何とそれを、日本国際博覧会協会が建設工事の発注を代行しようという話が出てきた。建設費を肩代わりしようという支援策ではないのか。これはまさしく、成功が危ぶまれる巨大イベントに国の金をつぎ込むように促しにかかるということだと疑う。困窮にあえぐ庶民の生活の救済など後回しにして、またぞろこんな公費の使い方をしようとしているのかと途方に暮れてしまう。
建設費などを巡っては「クラウドファンディングや命名権を財源にする」という話もあった。さらに、前売り券の購入を地元企業にノルマとして割り当てるというところにまで来てしまっているようだ。1970年の大阪万博の収益を積み立てた「万博記念基金」にも手を付ける案もあるようだが、残高は約190億円。言って悪いが、これでは焼け石に水だろう。会場の整備費は、当初は約1250億円と見込んでいたのが、既に約1850億円に引き上げられている。この分だと、東京オリンピック・パラリンピックの例を出すまでもなく、さらに膨れ上がるのは想像に難くない。万博会場建設費の3分の1を国が補塡(ほてん)すると、またもや「閣議決定」された。「昭和の夢をもう一度」と、東京五輪で痛い目を見たのに、またもやこんな愚挙に走るのだろうか。会場予定地の人工島・夢洲(ゆめしま)へのルートは、舞洲(まいしま)を結ぶ「夢舞大橋」と、咲洲(さきしま)から入る「夢咲トンネル」があるが、万博開催に向けて夢咲トンネルを使って地下鉄を夢洲まで延伸させるのだそうだ。景気の良い話ではないか。仮に開催に間に合わずとも、その後、この地にできる予定のカジノなどに通う人々の足にはなるのだろう。
会場の建設は「年末までに着工すれば間に合う」と楽観する関係者もいるようだが、東京五輪の時のように、現場で過労死を引き起こすような働き方が起きるリスクも高まるのではないか。以前も書いたが、私の中では「万博」と言えば70年に大阪で開かれた「EXPO70」で完結している。当時は高度経済成長に突入して、先進国の仲間入りをさせてもらうために世界中から人を集めることに意味があった。しかし、インターネットやデジタル技術がこれほど進化・浸透した現代では、パビリオンの建設を請け負う会社や、イベント全体を取り仕切る広告代理店などの周辺企業が、公金からの「露」で潤うだけではないか。公共の利益になるとは到底思えない。このイベントで出た負の遺産は、日本国民全体が税金として払うことになるのだろう。一度走り出したら立ち止まれない国柄ではあるけれど、無駄を承知で言いたい。大阪・関西万博も「マイナカード」も、リニア中央新幹線もやめよう。大阪・関西万博のメッセージ付きロゴマークには「いっしょに、いこな!」「いっしょに、いこう!」とあるが、「いっしょに、しずもな!」「いっしょに、しずもう!」にならないことを祈るばかり。
次号/大阪万博③開催まで2年を切っても海外パビリオン申請たった1件、もう万博は時代遅れ
前号/大阪万博①万博も 五輪も人の 税金や~万博・カジノに頼っても日本は良くならない
大阪万博②松尾貴史氏コラム◇盛り上がらず「いっしょに、しずもな(沈もう)!」はご勘弁
■まず投稿者の文章|開催まで2年を切っても海外パビリオン申請ゼロ、間に合うのか?
大阪・関西万博の不人気、工事遅れ、そもそも万博の必要性があるのかの投稿を準備していたところ、松尾貴史氏の記事を拝見した。ひと言ひと言仰る通りで、まずはその記事をご紹介して、次回以降に投稿者の考えを申し上げる(松尾氏と全く同じだが・苦)。強調して起きたいのが、2025年開催に対して2年を切ったにも関わらず、海外からのパビリオン(出展建物)の申請と基本計画の提出がゼロ、国内もたった3割に留まるという異常事態だ。詳しくは次号で申し上げるが、果たして間に合うのか。投稿者も認識不足で参加表明した153か国のほとんどがとっくに出展手続きを済ませていて、既に作り始めているパビリオンがあると思っていた。東京五輪と同じで、”EXPO70(1970年開催)の夢よ再び”と言った安易な考え方、IT・ネット社会へ大きく変貌していることから、参加意義や出展価値を鑑み諸外国も参加を躊躇していると思われる。結論を言えば、21年の東京五輪に続き大阪・関西万博も既に「時代遅れ」のイベントでありその魅力はない。<次号に続く>
7/30追記/7月28日、海外パビリオンの申請(韓国)が1件あった。
毎日新聞の日曜版、「松尾貴史のちょっと違和感」というコラムからの記事をご紹介します。
松尾貴史氏はコラムの中で、痛烈な批判をしています。ぜひお読み下さい。
*投稿タイトルは、新聞の原題・原文に基づいて投稿者が行ったものです。
↓ ↓ ▽松尾貴史氏のコラム
■こんなお祭りをするのではなく関西圏の「地盤沈下」からの復興に力を入れるべき
なぜか「関西万博」とも呼ばれている大阪の万博は、2025年に開催が予定されている。開催には切実な理由もあるのだろう。だが、全国的に見ても、長らくの景気の沈滞・後退が著しい大阪が、世界中から人を集めて博覧イベントを開く意義は、皆目感じられない。大阪のみならず、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山をもろとも巻き込んで責任を分散させようというつもりなのか。お祭りをやるのではなく、まずは「経済の地盤沈下」からの復興に力を入れるべき時だと思うのだが、そんな底力は今の大阪にあるのかすこぶる疑わしい。事実、現時点で海外からの参加を表明した153カ国・地域で、このうち50カ国余りがパビリオンを自ら費用を負担して建設することになるが、建設の許可申請が「0」だという。建設業界は人手も資材も不足しており、費用の高騰もあって建設会社との契約が滞っているのだ。何とそれを、日本国際博覧会協会が建設工事の発注を代行しようという話が出てきた。建設費を肩代わりしようという支援策ではないのか。これはまさしく、成功が危ぶまれる巨大イベントに国の金をつぎ込むように促しにかかるということだと疑う。困窮にあえぐ庶民の生活の救済など後回しにして、またぞろこんな公費の使い方をしようとしているのかと途方に暮れてしまう。
建設費などを巡っては「クラウドファンディングや命名権を財源にする」という話もあった。さらに、前売り券の購入を地元企業にノルマとして割り当てるというところにまで来てしまっているようだ。1970年の大阪万博の収益を積み立てた「万博記念基金」にも手を付ける案もあるようだが、残高は約190億円。言って悪いが、これでは焼け石に水だろう。会場の整備費は、当初は約1250億円と見込んでいたのが、既に約1850億円に引き上げられている。この分だと、東京オリンピック・パラリンピックの例を出すまでもなく、さらに膨れ上がるのは想像に難くない。万博会場建設費の3分の1を国が補塡(ほてん)すると、またもや「閣議決定」された。「昭和の夢をもう一度」と、東京五輪で痛い目を見たのに、またもやこんな愚挙に走るのだろうか。会場予定地の人工島・夢洲(ゆめしま)へのルートは、舞洲(まいしま)を結ぶ「夢舞大橋」と、咲洲(さきしま)から入る「夢咲トンネル」があるが、万博開催に向けて夢咲トンネルを使って地下鉄を夢洲まで延伸させるのだそうだ。景気の良い話ではないか。仮に開催に間に合わずとも、その後、この地にできる予定のカジノなどに通う人々の足にはなるのだろう。
会場の建設は「年末までに着工すれば間に合う」と楽観する関係者もいるようだが、東京五輪の時のように、現場で過労死を引き起こすような働き方が起きるリスクも高まるのではないか。以前も書いたが、私の中では「万博」と言えば70年に大阪で開かれた「EXPO70」で完結している。当時は高度経済成長に突入して、先進国の仲間入りをさせてもらうために世界中から人を集めることに意味があった。しかし、インターネットやデジタル技術がこれほど進化・浸透した現代では、パビリオンの建設を請け負う会社や、イベント全体を取り仕切る広告代理店などの周辺企業が、公金からの「露」で潤うだけではないか。公共の利益になるとは到底思えない。このイベントで出た負の遺産は、日本国民全体が税金として払うことになるのだろう。一度走り出したら立ち止まれない国柄ではあるけれど、無駄を承知で言いたい。大阪・関西万博も「マイナカード」も、リニア中央新幹線もやめよう。大阪・関西万博のメッセージ付きロゴマークには「いっしょに、いこな!」「いっしょに、いこう!」とあるが、「いっしょに、しずもな!」「いっしょに、しずもう!」にならないことを祈るばかり。
次号/大阪万博③開催まで2年を切っても海外パビリオン申請たった1件、もう万博は時代遅れ
前号/大阪万博①万博も 五輪も人の 税金や~万博・カジノに頼っても日本は良くならない