食品のカラクリと暮らしの裏側

食品の安全・安心が総崩れ、また政治・社会の矛盾や理不尽さも増大
暮らしの裏側の酷さやまやかし、危険性・不健全さに迫る!

元東京ガス社員証言・豊洲の東京ガスが出した汚染物質は築地とは桁違い/魚を大事にしない日本人R1-14

2017年06月13日 | 江戸前から繋がる世界
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魚を大事にしない日本人シリーズ R1-14
ROUND1 江戸前から繋がる世界の海 Part3豊洲新市場の危険性(移転すべきではない)
元東京ガス社員証言・豊洲の東京ガスが出した汚染物質は築地とは桁違い

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■証言・公益事業者が消費者の利益を忘れ健康被害を出すことは避けてほしい
豊洲にあった「東京ガス工場の規模(汚染度)を知らないのか」「生鮮市場などありえない」と、元東京ガスの社員だった方の証言を載せます。しんぶん赤旗に載っていた記事を、ほぼそのまま投稿する次第です。労働組合中央委員だった、伊野正之(ただゆき)さん(78歳)の悲痛な声です。都議会でも、当時の酷い状態を証言されてきました。長年、現場で作業された方なので、文章をご覧になれば桁違いの汚染の酷さが切実に伝わってきます。さて飽くまで現状で測ったデータから、自民党や専門家会議は安全だと簡単に言い切りますが、果たしてそうなのでしょうか?
【注意】文章各所のタイトルは投稿者が付け、また一部の補足説明を行っております。

地下4.5mまでの土壌を交換したと都が言ってますが、その下の汚染物質は完全に取り除かれてはいません。伊野氏や多くの専門家が言うように、地下水が地上付近まで湧き上がっており、交換した土壌を再汚染しているのです。私は豊洲と同じ江東区に住み、子供の頃、高度成長期の湾岸地帯の汚染を体験しているだけに、おっしゃることが手に取るように分かります。伊野氏が語るように当時は環境基準も意識も低く、ベンゼン・シアンなどの汚染物質は、そこら中にぶちまけていた訳です。また「豊洲雨」(下記)が1年中降り続いていたので、いくら土壌改善したところで、所詮、無理なんです。役人や政治家は、歴史も現実も、また労働者が経験で積んだ貴重な危険回避の術も何も分かっていないのです。これから半世紀後の将来に対し、私達の判断が求められています。まだ遅くないので、豊洲には行くべきでないと声をあげましょう。政治家や役人、自民党よりのメディア(コメンテーター)に騙されてはいけません。

                    ■伊野正之氏の証言■
▽有害物質の「豊洲雨」が1日120回・20年間降り続き地面に浸み込んだ
・私が東京ガス豊洲工場で働き始めたのは1957年です。石炭乾留(かんりゅう=密閉した炉内で石炭を約1000度で加熱し、揮発分と残留物を分ける作業)によって、ガスを取り出す「室炉(しつろ)」と呼ばれる職場で働きました。
・室炉から出てくる石炭殻は大量の水で冷やされ、消火塔からはモクモクと蒸気が上がりました。その蒸気が炭の粉を含んだ水滴となって降り、私たちは「豊洲雨(とよすあめ)」と呼んでいました。豊洲雨に有害物質が含まれていたと知るのは後のことです。
・豊洲雨は1日当たり120回、20年間降り続け、豊洲の地盤にしみ込みました。晴海や月島からも、蒸気はよく見え、豊洲の象徴でした。石炭乾留の副産物のタールなどの残留物にも、ベンゼン、シアン、ヒ素、水銀、鉛、六価クロムなどの有害物質が含まれていました。

▽排水も海水で薄めてそのまま高濃度のまま東京湾に流した
・当時は戦後復興から経済成長の時期で、首都圏のガス需要は逼迫(ひっぱく)しました。24時間、365日、30年間も、盆も正月も休まず、旺盛に稼働した場所は・・・[省略]・・・1000人近い労働者が不夜城として稼働させたのが、豊洲工場です。
・技術革新ごとに最新のプラントが建設され、原料は石炭から石油、ナフサ、LPG、天然ガスと変わり、排出される有害物質もさまざまに変化しました。
・工場からの大量の煙は、湾岸沿いの他の工場と一体となってスモッグ公害として問題になりました。美濃部亮吉革新都知事が誕生(1967年)し、やっと規制が始まりました。都庁と直通の「赤電話」が鳴ると硫黄分をあまり出さない「ミナス」という高価な原料に切り替えたものです。
[投稿者補足]①ミナス/東南アジア産の低硫黄分の原油 ②赤電話/都が都内各所の大気汚染を計測しており、規制数値に近づくと通告してきたと思われます。
・排水も無害化することにはなっていましたが、実際は海水で薄めて、今では信じられない濃度で流しました。

▽土壌交換した盛り土も既に有害物質で汚染されている
・豊洲は、東京湾を埋め立てた地盤の弱い土地です。地下水位が高く、海と河で囲まれ、潮の干満の影響をもろに受けます。
・地中に潜った汚染は、それ自体が汚染されていた潮の満ち引きやパイピング現象(水圧の高いところから低いところへ向かって流れる現象)によって、縦にも横にも移動します。地面の中の汚染が動くのです。
・コンクリートで表面を覆ったとしても、地盤の悪い豊洲は地震の液状化で地中の物質が地上に出てきます。東日本大震災の翌日、豊洲を見にいきました。土砂と一緒になった泥水の大きな噴き出しを見て驚き、汚染も湧いたのではと思います。
・「築地も、駐留軍のクリーニング工場やガソリンスタンドがあって、汚染されている」という人がいますが、(豊洲とは)質や桁が全く違います。ネズミだとか、雨漏りなどとは、比べる次元では到底ありません。

▽豊洲移転は消費者の健康を害しこんなに恥ずかしいことはない
・東京ガスの当事者は、汚染の事実を知っています。同様の工場があった南千住(荒川区)や大森(大田区)は、汚染対策を実施していますが手放していません。売れるような土壌にしようとすれば、巨額の汚染除去費が掛かるからでしょう。
[投稿者補足]現在は、南千住/水素ステーション・関連事業 大森/グラウンドなどに使用されています。
・公益事業者であるガス会社が大手ゼネコンと一緒になって再開発ビジネスに手を染め、消費者の利益を忘れたり、健康被害を出したりするようなことは避けてほしい。
・大企業による公害は、チッソの水俣から始まって東京電力の放射能汚染で極まっています。豊洲へ生鮮市場の移転を強行すれば、日本や世界に流通する食物に、東京ガスが出した汚染物質が付着し、人の体をいためることになるかもしれません。人間として、一労働者として、こんな恥ずかしいことはありません。

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