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【と(は-わ行)】気になる言葉の辞書 P.35/54
いつも毎日新聞クロスワードサポート(気になる言葉の辞書)にお越し頂き、誠に
ありがとうございます。
●チコ情報/NHK番組「チコちゃんに叱られる」、林修情報/テレビ朝日・林修先
生の「ことば検定」、池上情報/池上彰氏のTV情報番組を参考にしたことを示す。
●画像アイコンをクリックすると拡大します。
文字が見にくい場合は、右サイドバーの「文字サイズ変更」の『大』をクリック。
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【と(は-わ行)】
▽怒髪天を衝く(どはつ・てんをつく) = 史記・怒髪上って冠を衝く。頭髪の逆立った、ものすごい怒りの形相。
▽帳(とばり) = 垂れ衣、物を覆い隠す物。投/転じて「夜の帳」に包まれる(夜になる)表現は、情緒がある。
▽鳶(とび)が鷹(たか)を生む = 平凡な親がすぐれた子供を生むことのたとえ。投/出題者が言うように、確かにDNA的にはおかしい。
▽鳶職(とびしょく) = 土木・建築工事の人夫に出る仕事師。特に、高い足場の上で仕事をする人。鳶の者。
▽斗(とます) = ①1斗(約18リットル)を量る枡。昔も今も、1斗缶という容器がある。②柄杓(ひしゃく)の意、ひしゃくの形をしていることから北斗七星。③昔は労働争議の際、当て字で「斗争」(闘争・とうそう)と書いた。投/ストライキは、今や絶滅用語(死語)か。投稿者は労働組合の雄姿?も消え果て、今やブログやクロスワードに興じている(トホホ)。
▽苫屋(とまや) = 苫で屋根を葺(ふ)いた粗末な小屋。「苫」は、菅(すげ)茅(かや)を菰(こも)のように編んだもの。「♪われは海の子」の歌詞に出てくる。
▽止り木(とまりぎ) = ①鳥が止まれるように、鳥籠などの中に取り付けた横木。②バーなどで、カウンターの前に置く脚の高い腰掛。「-・で飲む」。投/投稿者は鳥でもないのに、止り木でさえずった(飲んだ)回数と時間は計り知れない。ツイッター(つぶやき・さえずり)は「X」になってしまい、鳥離れも。
▽トライ = チコ情報/昔のラグビーのルールは、コンバージョンキック(H型のゴールポストに蹴り入れる)による得点しかなかった。相手方のゴールラインに押し込んでも0点、そうしてから初めて得点に結びつくキックが許されるので、「得点への挑戦権を得る」意味のトライ(試み)という意。その後、トライでも得点されることになったが、トライの言葉だけ残った。
▽寅・午(とら・うま) = 笑い言葉 < 十二支の子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・・・・投/卯・辰・巳は「寅と午」に挟まれている。卯辰巳年生まれの方は、トラウマになりやすいのかな?
▽虎の子 = 苦しい生計をやりくりするたとえ。大切にして手放さないもの・金品。投/子供の阪神ファンではない。
▽放蕩息子(どらむすこ) = 怠け者で放蕩(ほうとう)をする息子、道楽息子。放蕩と書いて、「どら」と読む。現在では、多く「どら息子」「どら猫」など、接頭語的に用いる。
▽トランジット = transit。航空機で目的地へ行く途中、直行便がない場合など別の空港に一時立ち寄ること。また、別の航空機に乗り継ぐこと。空港の形態で言えば、「ハブ空港」。hubは車輪(一例・自転車)の中心部の意。拠点空港。定期航空路を、幹線の発着する少数の拠点(ハブ)とそこに集中する支線(スポーク)とによって構成し、乗り継ぎの便の効率的運営を図る。投/日本の空港の欠陥は、韓国・仁川(インチョン)のような本格的なハブ空港がないこと。一方、羽田・成田・大阪空港など周辺住民は、現状でも騒音や墜落・落下物の危険にさらされている。
▽取り(とり) = ①寄席で最後に出演する者。真打(しんうち)、「-をとる」。②最後に上映または演ずる呼び物の映画や番組。また、演ずる人、オオトリ。投/昔の寄席の出演料は、最後に出る演者に支払うものだった。最後を務める真打ちが出演料の全額を一旦全部受け取り、そこから出演者に分配をした。そのことから、出演料を受け「取る」、出演料を一番多く「取る」という意味で、最後に出演する人を「取り」(トリ)と呼ぶようになった。
▽鳥インフルエンザ = 23年に入って鶏全体の1割、1500万羽が殺処分された。影響で、卵の価格が2倍に高騰。ある居酒屋では卵を乗せたユッケは販売中止、数個を使うオムライスはそのまま販売のニュースに笑った。価格アップ、品不足なのに不思議に思いませんか?食品のカラクリで、卵不足ではなく「黄身」不足なのだ。大手飲食チェーン店は、業者から“大量の卵をドロドロに混ぜた”健康的ではない「冷凍液卵」を仕入れている。ドラム缶・一斗缶単位、小さな店は牛乳パックサイズの「液卵パック」。液卵は少々前に作られたものなので安定供給され、一方、苦慮している店があれば1個1個本物の卵を割っている善良店だ。
▽鳥兜(とりかぶと) = トリカブトはキンポウゲ科の多年草。高さ約1m、秋、美しい紫碧色の花を多数開く。塊根を乾したものを烏頭(うず)といい猛毒であるが、漢方で生薬とする。鎮痛・鎮痙・新陳代謝賦活薬。種によって薬効・毒性は異なる。投/投稿者の世代はトリカブトと聞くと、1995年の埼玉「本庄保険金殺人事件」など保険金詐欺を働くニュースしか思い出さない。トリカブトを食品や飲料に混ぜて服用させ、男は妻や愛人・ホステスを、女は高齢男性を病死したように見せ掛けて殺害する。
▽取り付く島もない = ①頼りとしてすがる手がかりもない。②つっけんどんで相手をかえりみる態度が見られない。投/取り付く“暇”の誤用が多い。
▽トリップ = 笑い言葉 < 投/今回も、出題者・西尾徹也氏のしゃれが効いている。良いトリップは旅行、悪いトリップは麻薬などの「幻覚状態」を指す(バッドトリップ)。旅のほうのトリップを調べたら、Tripはプライベート・出張や修学旅行など「短い旅」のこと。Travelは 「一般的な旅行」で、Tripよりは長期間だけれど明確な期間の定めなし。Journeyは、長期間の旅行・長い道のりになることを指す。Voyageは、長い航海や船旅。Flightは“空の旅”。日本語は、みな「旅」や「Travel」で一括り。でも日本人の旅行形態は、トラベルよりトリップではないのか。SNSには、「漂泊の旅」を「漂白の旅」と書かれた誤字を見つける。旅に出れば心洗われるから、漂白でもいいのかもしれない(笑)。
▽鳥肌が立つ = ①寒さや恐怖・興奮などの強い刺激によって、鳥肌が生ずる。総毛立つ。②近年、感動した場合にも用いる、「名演奏に鳥肌が立った」。投/昔は②は誤用とされたが、使われる頻度が高まったせいか、各辞書に「本来の使い方ではない」と一文を入れて掲載されるようになった。そのうち、正規の意味に加わるんだろう。
▽弗(ドル) = ドルの記号$に形が似ているところから、この漢字が充てられた。投/ドル(ダラー)は、ドイツで使われた歴史的通貨のターラー (Thaler) から来ている。ターラーは品質の高さで知られ、米国でターラーが訛って「ダラー(Dollar)」と呼ぶようになった。なお日本では、江戸時代末期にオランダからDollarが伝わり、オランダ語の「ドルラル」と読んでいたものが、明治時代に入り「ドル」と省略された。ドル建て、ドル買い、ドル箱などの言葉があるが、時代とともに外国語は現地語に近い発音に置き換えられていく流れから、将来、ダラー建て~と呼ぶのでしょうか。ダラーっとして、何か締まらないな~。
▽トレモロ = tremolo・イタリア語。(震える意)弦楽器・ピアノなどで、1音または高さの違う2音をできるだけ速く反復する奏法。投/子供の頃、三浦洸一の「東京の人」(古い!)~♪並木の雨のトレモロを テラスの椅子でききながら 銀座むすめよなに想う~その後、トレモロの意味を知った。ギターのトレモロの名曲が素晴らしい。
▽トレンチコート = 第一次大戦時、イギリス兵が塹壕(ざんごう)で着たダブルでベルト付きの軍服コート。トレンチとは塹壕のことで、野戦で溝を掘り土を前に積み上げ敵の攻撃から身を隠す。戦闘機具や水筒・双眼鏡などを吊るすことができ、その後、ファッション性もよいことから一般でも流行。やたらボタンが多いのは機具を吊す機能の他に、戦場の寒風を防ぐため風向きによって左前・右前の着方ができる。
▽泥仕合 = 泥にまみれて争うこと。転じて、互いに相手の秘密や弱点や失敗を暴露し合う、醜い争い。投/“泥試合”と書く誤りが多い。
▽どろん = ①芝居で、幽霊の出入りなどで太鼓をどろどろと打つこと。②転じて急に消える様。逐電(ちくでん)、出奔(しゅっぽん)。投/急に姿を消すことを「ドロン」、急に姿を現すのが「ドローン(drone)」。どろんする~高齢者しか使わないのでは。
▽トワ・エ・モワ = toi et moi・フランス語で「君と僕」という意味。投/よくトワエモアやトアエモアと言ったり、書かれたりしている。冬の季節、特に冬季五輪が開催される年はトワ・エ・モワの「虹と雪のバラード」や、フランシス・レイの「白い恋人たち」が流れる。名曲は廃れない。
▽どん/空砲 = 正午を知らせるために空砲を発したもの。東京では1871(M4)年に始まり1929年廃止。午砲。通称、「どん」と言う。投/明治の頃は、まだ時計を持てない人が多かったため。土曜午前中だけの勤務を「半ドン」と呼ぶのは、由来を①この空砲からきたものとする説。②半ドンタク~zondag・ドンタクはオランダ語の日曜日、転じて休日。半分の休日とする説があるが、辞書は後者としている。
▽頓死(とんし) = にわかに死ぬこと。あっけなく死ぬこと、急死。「旅行中に―する」。
▽頓知(とんち) = とっさの場合にすばやく働く知恵。機知。ウイット。「―のある人」「―で人を笑わせる」。投/機転を利かすことから、転じてウイット・エスプリ・ユーモアの意味にも広がる。
▽緞帳(どんちょう) = ①厚地織物で製したとばり。②芝居・劇場などで使う、上に竿があって巻きあげ巻きおろす幕。投/劇場で一幕終わって次の幕が開くまでの間、幕を引いてある間、芝居の休憩時間などを「幕間」(まくあい)と言う。でも3割程度の方が、“まくま”と発音している。
▽どんでん返し = ①さかさまにひっくり返すこと。②転じて、物事がすっかり逆転すること。「最後にーを食う」。投/いわれは歌舞伎の舞台で大道具を90度後ろへ倒し、底面を立てて次の場面に転換すること。「どんでんどんでん」と鳴る大太鼓の音から、どんでん返しの名で呼ばれる。他説あり。
▽どんど焼 = ①正月15日に行う火祭りの行事。正月の松飾り・注連縄(しめなわ)・書き初めなどを持ち寄って焼き、その火で餅を焼いて食べ健康と幸福を祈る。②元々は、正月飾りや書初めなどを焼いた煙で体を清めることで、1年の無病息災を願う意味があった。「どんど」の意味は、火を燃やす時「尊と(とうと)尊と」とはやし立てていたのがなまった説、どんどん燃える様子からつけられた説がある。東北は「どんと」、関西は「とんど」と呼ぶ。投/最近はプラ素材が混じり、ダイオキシンや有害物質を発生させることからやめる傾向にある。
▽丼勘定(どんぶりかんじょう) = ①職人が付ける腹掛け(前隠し)を「どんぶり」と呼ぶ。②記帳せずそこから金を出し入れし、大雑把な金の扱いを言う。投/丼鉢を連想させるが、それは誤り。
▽蜻蛉返り(とんぼ・がえり) = トンボが勢いよく飛びながら、急に向きをうしろにかえることから~目的地に着いて、すぐ引き返すこと。「東京と大阪をーで往復する」。蜻蛉帰りは誤り。投/リニア中央新幹線ができると、東京ー名古屋40分、大阪67分、大幅に短縮される。そうなったらビジネスマンは、JRとスピードを強調した?”燕返し”と言うのだろうか。
▽ドンマイ = don’t mind、スポーツなどで失敗した人を励ます語。気に掛けるな。
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「毎日新聞クロスワード」に出題されたワードから、ピックアップしたものです。
「気になる言葉の辞書」の説明は、広辞苑第七版と明鏡国語辞典第三版・三省堂国語
辞典第八版の解釈を主体に、その他複数の辞書・ネット検索・過去の投稿ネタ、投稿者
の感想(投/~と表記)を加え編纂しております。
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【と(は-わ行)】
▽怒髪天を衝く(どはつ・てんをつく) = 史記・怒髪上って冠を衝く。頭髪の逆立った、ものすごい怒りの形相。
▽帳(とばり) = 垂れ衣、物を覆い隠す物。投/転じて「夜の帳」に包まれる(夜になる)表現は、情緒がある。
▽鳶(とび)が鷹(たか)を生む = 平凡な親がすぐれた子供を生むことのたとえ。投/出題者が言うように、確かにDNA的にはおかしい。
▽鳶職(とびしょく) = 土木・建築工事の人夫に出る仕事師。特に、高い足場の上で仕事をする人。鳶の者。
▽斗(とます) = ①1斗(約18リットル)を量る枡。昔も今も、1斗缶という容器がある。②柄杓(ひしゃく)の意、ひしゃくの形をしていることから北斗七星。③昔は労働争議の際、当て字で「斗争」(闘争・とうそう)と書いた。投/ストライキは、今や絶滅用語(死語)か。投稿者は労働組合の雄姿?も消え果て、今やブログやクロスワードに興じている(トホホ)。
▽苫屋(とまや) = 苫で屋根を葺(ふ)いた粗末な小屋。「苫」は、菅(すげ)茅(かや)を菰(こも)のように編んだもの。「♪われは海の子」の歌詞に出てくる。
▽止り木(とまりぎ) = ①鳥が止まれるように、鳥籠などの中に取り付けた横木。②バーなどで、カウンターの前に置く脚の高い腰掛。「-・で飲む」。投/投稿者は鳥でもないのに、止り木でさえずった(飲んだ)回数と時間は計り知れない。ツイッター(つぶやき・さえずり)は「X」になってしまい、鳥離れも。
▽トライ = チコ情報/昔のラグビーのルールは、コンバージョンキック(H型のゴールポストに蹴り入れる)による得点しかなかった。相手方のゴールラインに押し込んでも0点、そうしてから初めて得点に結びつくキックが許されるので、「得点への挑戦権を得る」意味のトライ(試み)という意。その後、トライでも得点されることになったが、トライの言葉だけ残った。
▽寅・午(とら・うま) = 笑い言葉 < 十二支の子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・・・・投/卯・辰・巳は「寅と午」に挟まれている。卯辰巳年生まれの方は、トラウマになりやすいのかな?
▽虎の子 = 苦しい生計をやりくりするたとえ。大切にして手放さないもの・金品。投/子供の阪神ファンではない。
▽放蕩息子(どらむすこ) = 怠け者で放蕩(ほうとう)をする息子、道楽息子。放蕩と書いて、「どら」と読む。現在では、多く「どら息子」「どら猫」など、接頭語的に用いる。
▽トランジット = transit。航空機で目的地へ行く途中、直行便がない場合など別の空港に一時立ち寄ること。また、別の航空機に乗り継ぐこと。空港の形態で言えば、「ハブ空港」。hubは車輪(一例・自転車)の中心部の意。拠点空港。定期航空路を、幹線の発着する少数の拠点(ハブ)とそこに集中する支線(スポーク)とによって構成し、乗り継ぎの便の効率的運営を図る。投/日本の空港の欠陥は、韓国・仁川(インチョン)のような本格的なハブ空港がないこと。一方、羽田・成田・大阪空港など周辺住民は、現状でも騒音や墜落・落下物の危険にさらされている。
▽取り(とり) = ①寄席で最後に出演する者。真打(しんうち)、「-をとる」。②最後に上映または演ずる呼び物の映画や番組。また、演ずる人、オオトリ。投/昔の寄席の出演料は、最後に出る演者に支払うものだった。最後を務める真打ちが出演料の全額を一旦全部受け取り、そこから出演者に分配をした。そのことから、出演料を受け「取る」、出演料を一番多く「取る」という意味で、最後に出演する人を「取り」(トリ)と呼ぶようになった。
▽鳥インフルエンザ = 23年に入って鶏全体の1割、1500万羽が殺処分された。影響で、卵の価格が2倍に高騰。ある居酒屋では卵を乗せたユッケは販売中止、数個を使うオムライスはそのまま販売のニュースに笑った。価格アップ、品不足なのに不思議に思いませんか?食品のカラクリで、卵不足ではなく「黄身」不足なのだ。大手飲食チェーン店は、業者から“大量の卵をドロドロに混ぜた”健康的ではない「冷凍液卵」を仕入れている。ドラム缶・一斗缶単位、小さな店は牛乳パックサイズの「液卵パック」。液卵は少々前に作られたものなので安定供給され、一方、苦慮している店があれば1個1個本物の卵を割っている善良店だ。
▽鳥兜(とりかぶと) = トリカブトはキンポウゲ科の多年草。高さ約1m、秋、美しい紫碧色の花を多数開く。塊根を乾したものを烏頭(うず)といい猛毒であるが、漢方で生薬とする。鎮痛・鎮痙・新陳代謝賦活薬。種によって薬効・毒性は異なる。投/投稿者の世代はトリカブトと聞くと、1995年の埼玉「本庄保険金殺人事件」など保険金詐欺を働くニュースしか思い出さない。トリカブトを食品や飲料に混ぜて服用させ、男は妻や愛人・ホステスを、女は高齢男性を病死したように見せ掛けて殺害する。
▽取り付く島もない = ①頼りとしてすがる手がかりもない。②つっけんどんで相手をかえりみる態度が見られない。投/取り付く“暇”の誤用が多い。
▽トリップ = 笑い言葉 < 投/今回も、出題者・西尾徹也氏のしゃれが効いている。良いトリップは旅行、悪いトリップは麻薬などの「幻覚状態」を指す(バッドトリップ)。旅のほうのトリップを調べたら、Tripはプライベート・出張や修学旅行など「短い旅」のこと。Travelは 「一般的な旅行」で、Tripよりは長期間だけれど明確な期間の定めなし。Journeyは、長期間の旅行・長い道のりになることを指す。Voyageは、長い航海や船旅。Flightは“空の旅”。日本語は、みな「旅」や「Travel」で一括り。でも日本人の旅行形態は、トラベルよりトリップではないのか。SNSには、「漂泊の旅」を「漂白の旅」と書かれた誤字を見つける。旅に出れば心洗われるから、漂白でもいいのかもしれない(笑)。
▽鳥肌が立つ = ①寒さや恐怖・興奮などの強い刺激によって、鳥肌が生ずる。総毛立つ。②近年、感動した場合にも用いる、「名演奏に鳥肌が立った」。投/昔は②は誤用とされたが、使われる頻度が高まったせいか、各辞書に「本来の使い方ではない」と一文を入れて掲載されるようになった。そのうち、正規の意味に加わるんだろう。
▽弗(ドル) = ドルの記号$に形が似ているところから、この漢字が充てられた。投/ドル(ダラー)は、ドイツで使われた歴史的通貨のターラー (Thaler) から来ている。ターラーは品質の高さで知られ、米国でターラーが訛って「ダラー(Dollar)」と呼ぶようになった。なお日本では、江戸時代末期にオランダからDollarが伝わり、オランダ語の「ドルラル」と読んでいたものが、明治時代に入り「ドル」と省略された。ドル建て、ドル買い、ドル箱などの言葉があるが、時代とともに外国語は現地語に近い発音に置き換えられていく流れから、将来、ダラー建て~と呼ぶのでしょうか。ダラーっとして、何か締まらないな~。
▽トレモロ = tremolo・イタリア語。(震える意)弦楽器・ピアノなどで、1音または高さの違う2音をできるだけ速く反復する奏法。投/子供の頃、三浦洸一の「東京の人」(古い!)~♪並木の雨のトレモロを テラスの椅子でききながら 銀座むすめよなに想う~その後、トレモロの意味を知った。ギターのトレモロの名曲が素晴らしい。
▽トレンチコート = 第一次大戦時、イギリス兵が塹壕(ざんごう)で着たダブルでベルト付きの軍服コート。トレンチとは塹壕のことで、野戦で溝を掘り土を前に積み上げ敵の攻撃から身を隠す。戦闘機具や水筒・双眼鏡などを吊るすことができ、その後、ファッション性もよいことから一般でも流行。やたらボタンが多いのは機具を吊す機能の他に、戦場の寒風を防ぐため風向きによって左前・右前の着方ができる。
▽泥仕合 = 泥にまみれて争うこと。転じて、互いに相手の秘密や弱点や失敗を暴露し合う、醜い争い。投/“泥試合”と書く誤りが多い。
▽どろん = ①芝居で、幽霊の出入りなどで太鼓をどろどろと打つこと。②転じて急に消える様。逐電(ちくでん)、出奔(しゅっぽん)。投/急に姿を消すことを「ドロン」、急に姿を現すのが「ドローン(drone)」。どろんする~高齢者しか使わないのでは。
▽トワ・エ・モワ = toi et moi・フランス語で「君と僕」という意味。投/よくトワエモアやトアエモアと言ったり、書かれたりしている。冬の季節、特に冬季五輪が開催される年はトワ・エ・モワの「虹と雪のバラード」や、フランシス・レイの「白い恋人たち」が流れる。名曲は廃れない。
▽どん/空砲 = 正午を知らせるために空砲を発したもの。東京では1871(M4)年に始まり1929年廃止。午砲。通称、「どん」と言う。投/明治の頃は、まだ時計を持てない人が多かったため。土曜午前中だけの勤務を「半ドン」と呼ぶのは、由来を①この空砲からきたものとする説。②半ドンタク~zondag・ドンタクはオランダ語の日曜日、転じて休日。半分の休日とする説があるが、辞書は後者としている。
▽頓死(とんし) = にわかに死ぬこと。あっけなく死ぬこと、急死。「旅行中に―する」。
▽頓知(とんち) = とっさの場合にすばやく働く知恵。機知。ウイット。「―のある人」「―で人を笑わせる」。投/機転を利かすことから、転じてウイット・エスプリ・ユーモアの意味にも広がる。
▽緞帳(どんちょう) = ①厚地織物で製したとばり。②芝居・劇場などで使う、上に竿があって巻きあげ巻きおろす幕。投/劇場で一幕終わって次の幕が開くまでの間、幕を引いてある間、芝居の休憩時間などを「幕間」(まくあい)と言う。でも3割程度の方が、“まくま”と発音している。
▽どんでん返し = ①さかさまにひっくり返すこと。②転じて、物事がすっかり逆転すること。「最後にーを食う」。投/いわれは歌舞伎の舞台で大道具を90度後ろへ倒し、底面を立てて次の場面に転換すること。「どんでんどんでん」と鳴る大太鼓の音から、どんでん返しの名で呼ばれる。他説あり。
▽どんど焼 = ①正月15日に行う火祭りの行事。正月の松飾り・注連縄(しめなわ)・書き初めなどを持ち寄って焼き、その火で餅を焼いて食べ健康と幸福を祈る。②元々は、正月飾りや書初めなどを焼いた煙で体を清めることで、1年の無病息災を願う意味があった。「どんど」の意味は、火を燃やす時「尊と(とうと)尊と」とはやし立てていたのがなまった説、どんどん燃える様子からつけられた説がある。東北は「どんと」、関西は「とんど」と呼ぶ。投/最近はプラ素材が混じり、ダイオキシンや有害物質を発生させることからやめる傾向にある。
▽丼勘定(どんぶりかんじょう) = ①職人が付ける腹掛け(前隠し)を「どんぶり」と呼ぶ。②記帳せずそこから金を出し入れし、大雑把な金の扱いを言う。投/丼鉢を連想させるが、それは誤り。
▽蜻蛉返り(とんぼ・がえり) = トンボが勢いよく飛びながら、急に向きをうしろにかえることから~目的地に着いて、すぐ引き返すこと。「東京と大阪をーで往復する」。蜻蛉帰りは誤り。投/リニア中央新幹線ができると、東京ー名古屋40分、大阪67分、大幅に短縮される。そうなったらビジネスマンは、JRとスピードを強調した?”燕返し”と言うのだろうか。
▽ドンマイ = don’t mind、スポーツなどで失敗した人を励ます語。気に掛けるな。
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