魚を大事にしない日本人シリーズ R4-15
ROUND4 秋刀魚は頭に良いのか&ファストフィッシュって何?
Part2 ファストフィッシュと日本人の魚離れ
スーパー・弁当店が増えれば同じ大きさの規格魚ばかりが求められる
スーパー・弁当店・惣菜店などでは、漁業者から買い取る魚に一定の大きさの「規格魚」を求めています。漁をすれば、同じ魚種でも0歳~数歳魚など様々な大きさの魚が獲れます。にも関わらず工業製品のように、同じ大きさの魚ばかりを求める無理難題を押し付けているのです。例えば鯖(さば)は300g、鯵は100g程度です。それ以下はNGであり、逆に大き過ぎても受け取りません。
同じ大きさの魚を欲しがる理由は、スーパーは商売として見映えが良い同じ大きさの魚を並べたい、弁当店では弁当箱のサイズにピッタリ入る魚(一例・鯵フライ弁当)、惣菜店では魚の大きさが変わると煮付けの味や時間を調整しなければならないので面倒がるのです。
その結果、サイズ外の魚は少々小さい・大きいだけで売り物にならず、処分に困りあてもなく全国の港の冷凍倉庫に大量に眠り、貴重な真鯖も養殖魚の餌や魚粉にされてしまうのです。獲れた魚の半分は、有効に使われていません。
一方で、儲かる魚は見境なく獲って子孫を増やせず激減していくのです。売り側が魚のサイズにこだわる限り、特定魚の枯渇が早まり、将来の己の食い扶ちまで食い潰しているのです。これでは健全な漁業はできずに、衰退してしまいます。