少数派シリーズ 特設|新型コロナウイルス VOL.122
GoTo再開NGエビデンス=①京大・西浦教授ら論文発表 ②観光庁自らが感染集計
■「GoToが始まった途端、感染発生率は3倍に!」明らかな感染エビデンス・ケース1
緊急事態宣言が延長され、感染者の数は、依然、高止まりしています。現在、菅首相や二階自民党幹事長はあれほど叫んでいたGoToトラベルの言葉はひと言も発していません。菅首相自ら、「GoToをやらなければ、結構、(感染者は)減るんだ」との発言も聞きます。「今頃、分かったのか」と言い返したくもなります。しかし反省もせず、科学的データに基づかない行動をするこの2人は、いつまた『GoTo再開』を言い出すか分かりません。実行すれば、再び感染爆発することは目に見えています。菅首相は「GoToトラベル」が感染拡大させたエビデンスはないと言っていますが、とんでもないことで至る所で実証されています。そこで敢えてGoToがストップしているこの時期に、有する4つのエビデンス(再開NGエビデンス)を2回に渡り説明致します。まずは京都大の西浦博教授らのケース1、「GoToトラベル」が新型コロナウイルスの感染拡大に影響した可能性があるとした論文を発表しました。人の移動を加速する「GoTo」事業が感染を拡大させたとの批判は以前から出されていましたが、学術的に関連性が指摘されたのは初めてです。
論文によれば、時期は遡りますが昨年20年5月~8月までの4か月で、国内24県で3978件の感染を確認。このうち、約2割の817件が県をまたいだ旅行や、県をまたいだ旅行をした人との接触の経験を持った人でした。論文は、これらを「旅行関連」と定義しています。さらに、期間ごとの発症率を比較して分析した結果、GoToトラベルが始まった7月22日以降の、旅行関連の感染発生率は、6月22日~7月21日の約3倍、さらに7月22日からの5日間(a)の発生率は、前の週(7月15~19日=(b)と比較して約1・5倍高くなっていることが分かったとしています。さらに、旅行関連のうち、観光に限って言えば(a)の発生率は(b)の約2~3倍になっていました。論文は、「感染第2波は8月中旬から下降してきたが、観光が、GoToトラベルの初期段階である7月22日から26日にかけての旅行関連の新型コロナ感染の増大に影響した可能性がある」と結論づけています。他方、英国の科学者チームも、新型コロナの感染拡大と同国の旅行との関連について、夏季の旅行期間中に国内外からウイルスが持ち込まれたと結論付けています。
■「お膝元・観光庁がGoToによる具体的な感染エビデンスを集計していた」ケース2
GoToトラベルが感染拡大させたエビデンス・ケース2。昨年10月、毎日新聞が観光庁に情報公開請求をしました。公開された文書のタイトルは「新型コロナウイルス感染症に関する報告様式」で、GoToに登録した宿泊施設などが事務局に報告した感染者が一覧表になっていました。これによって、GoToトラベルによる感染が判明しました。GoToトラベルの客を受け入れていた宿泊施設のうち、少なくとも延べ8軒のホテルや旅館で、それぞれ従業員や旅行者ら5人以上の感染が続出していたのです。5人以上の感染者が出たのは、沖縄県や大阪府、千葉県などにある宿泊施設です。千葉県の宿泊施設は昨年8月25日、同26日、同29日、9月8日に旅行者6人、従業員7人の計13人が感染したと報告。新潟県の施設でも旅行者7人と従業員4人、大阪府の宿泊施設では従業員5人から陽性反応が出たことが確認されました。沖縄県のある施設では、従業員10人が感染したと報告がありました。
前述を含め2人以上の感染が確認されたのは、東京都や沖縄県、大阪府などの宿泊施設で、延べ28施設。感染者の合計は、8月4日から10月28日までの計304人。内訳は旅行者181人、従業員121人、確認中など2人。旅行者のうち、GoToを利用したとみられるのは約80人でした。GoToが全国で一時停止となったのは12月28日なので、集団感染のケースはさらに増えます。観光庁によると、21年1月14日現在の感染者は従業員401人、GoToを使った旅行者は393人となっています。政府はエビデンスがないと言っていましたが、何とお膝元・当該の観光庁が集計していたのです。これでも、ほんの氷山の一角です。なぜならGoToにおける、宿泊施設や感染者から申告があった数値だけです。政府の質(たち)の悪いのは、メディアや一般に公表せず、今回の「情報公開請求」によって明らかになったことです。感染症研究者、医療者の指摘通り、GoToであれ・単なる旅行であれ、人が移動すればウイルスは拡散するのです。これは明らかな事実です。爆発的第3波の原因は寒さ・乾燥ではなく、GoToだっと言えます。GoTo再開は、とんでもないことです。
次号/123・GoTo再開NGエビデンス=③南半球のインフルエンザ ④100年前のスペイン風邪
前号/121・“バイデンマスク無料配布” バイデン大統領が低所得者層にマスク2500万枚
GoTo再開NGエビデンス=①京大・西浦教授ら論文発表 ②観光庁自らが感染集計
■「GoToが始まった途端、感染発生率は3倍に!」明らかな感染エビデンス・ケース1
緊急事態宣言が延長され、感染者の数は、依然、高止まりしています。現在、菅首相や二階自民党幹事長はあれほど叫んでいたGoToトラベルの言葉はひと言も発していません。菅首相自ら、「GoToをやらなければ、結構、(感染者は)減るんだ」との発言も聞きます。「今頃、分かったのか」と言い返したくもなります。しかし反省もせず、科学的データに基づかない行動をするこの2人は、いつまた『GoTo再開』を言い出すか分かりません。実行すれば、再び感染爆発することは目に見えています。菅首相は「GoToトラベル」が感染拡大させたエビデンスはないと言っていますが、とんでもないことで至る所で実証されています。そこで敢えてGoToがストップしているこの時期に、有する4つのエビデンス(再開NGエビデンス)を2回に渡り説明致します。まずは京都大の西浦博教授らのケース1、「GoToトラベル」が新型コロナウイルスの感染拡大に影響した可能性があるとした論文を発表しました。人の移動を加速する「GoTo」事業が感染を拡大させたとの批判は以前から出されていましたが、学術的に関連性が指摘されたのは初めてです。
論文によれば、時期は遡りますが昨年20年5月~8月までの4か月で、国内24県で3978件の感染を確認。このうち、約2割の817件が県をまたいだ旅行や、県をまたいだ旅行をした人との接触の経験を持った人でした。論文は、これらを「旅行関連」と定義しています。さらに、期間ごとの発症率を比較して分析した結果、GoToトラベルが始まった7月22日以降の、旅行関連の感染発生率は、6月22日~7月21日の約3倍、さらに7月22日からの5日間(a)の発生率は、前の週(7月15~19日=(b)と比較して約1・5倍高くなっていることが分かったとしています。さらに、旅行関連のうち、観光に限って言えば(a)の発生率は(b)の約2~3倍になっていました。論文は、「感染第2波は8月中旬から下降してきたが、観光が、GoToトラベルの初期段階である7月22日から26日にかけての旅行関連の新型コロナ感染の増大に影響した可能性がある」と結論づけています。他方、英国の科学者チームも、新型コロナの感染拡大と同国の旅行との関連について、夏季の旅行期間中に国内外からウイルスが持ち込まれたと結論付けています。
■「お膝元・観光庁がGoToによる具体的な感染エビデンスを集計していた」ケース2
GoToトラベルが感染拡大させたエビデンス・ケース2。昨年10月、毎日新聞が観光庁に情報公開請求をしました。公開された文書のタイトルは「新型コロナウイルス感染症に関する報告様式」で、GoToに登録した宿泊施設などが事務局に報告した感染者が一覧表になっていました。これによって、GoToトラベルによる感染が判明しました。GoToトラベルの客を受け入れていた宿泊施設のうち、少なくとも延べ8軒のホテルや旅館で、それぞれ従業員や旅行者ら5人以上の感染が続出していたのです。5人以上の感染者が出たのは、沖縄県や大阪府、千葉県などにある宿泊施設です。千葉県の宿泊施設は昨年8月25日、同26日、同29日、9月8日に旅行者6人、従業員7人の計13人が感染したと報告。新潟県の施設でも旅行者7人と従業員4人、大阪府の宿泊施設では従業員5人から陽性反応が出たことが確認されました。沖縄県のある施設では、従業員10人が感染したと報告がありました。
前述を含め2人以上の感染が確認されたのは、東京都や沖縄県、大阪府などの宿泊施設で、延べ28施設。感染者の合計は、8月4日から10月28日までの計304人。内訳は旅行者181人、従業員121人、確認中など2人。旅行者のうち、GoToを利用したとみられるのは約80人でした。GoToが全国で一時停止となったのは12月28日なので、集団感染のケースはさらに増えます。観光庁によると、21年1月14日現在の感染者は従業員401人、GoToを使った旅行者は393人となっています。政府はエビデンスがないと言っていましたが、何とお膝元・当該の観光庁が集計していたのです。これでも、ほんの氷山の一角です。なぜならGoToにおける、宿泊施設や感染者から申告があった数値だけです。政府の質(たち)の悪いのは、メディアや一般に公表せず、今回の「情報公開請求」によって明らかになったことです。感染症研究者、医療者の指摘通り、GoToであれ・単なる旅行であれ、人が移動すればウイルスは拡散するのです。これは明らかな事実です。爆発的第3波の原因は寒さ・乾燥ではなく、GoToだっと言えます。GoTo再開は、とんでもないことです。
次号/123・GoTo再開NGエビデンス=③南半球のインフルエンザ ④100年前のスペイン風邪
前号/121・“バイデンマスク無料配布” バイデン大統領が低所得者層にマスク2500万枚