少数派シリーズ/政治情勢
丸川珠代大臣「選択的夫婦別姓」反対活動、五輪相・男女共同参画担当相に不適格
■丸川大臣ら自民党議員50人が地方議員に「選択的夫婦別姓」阻止文書を送付

こともあろうに丸川珠代五輪担当相・男女共同参画担当相が、「選択的夫婦別姓」制度導入に反対を呼び掛ける文書に名を連ねていました。地方議会で進む「選択的夫婦別姓制度の実現を求める意見書」の採択を、阻止するように圧力を掛けていたのです。文書は1月30日付で、丸川大臣の他に高市早苗前総務相など自民党の右翼思想の衆参国会議員50人が、自民党系都道府県議会議長の約40人に送ったものです。森大会組織委員会会長が女性蔑視発言により辞任したことから、トコロテン人事によって、急遽、丸川大臣が任命されました。皆様もご存じのように、いざこざの経緯やジェンダー平等の精神が散々問われました。男女平等は、五輪の理念の1つです。男女共同参画の趣旨からも、その旗振り役の後任者大臣が選択的夫婦別姓を阻止しようとする発言や行動は、極めて不適格です。こんな資質に欠ける丸川大臣を就任させた菅首相は、任命責任が問われます。

右翼的与党の考え方は、夫婦が別姓だと「家庭が崩壊してしまう」ことを懸念、あるいは「家父長的」考え方で夫が家庭・家族を取り仕切ることを前提にした物の考え方です。自民党内では、夫と妻が別姓だと「離婚が促進される」、子供同士が別姓だと「兄弟の仲が悪くなる」と真剣に語られていることに驚きます。しかし世界を見渡せばほとんどの国が別姓制度になっていて、夫婦同姓を義務付けているのは日本を含めたった数か国に過ぎません。ここでも国際感覚からずれて、何と低劣な考え方でしょう。自民党議員には、支持者からも「離婚は夫婦が別姓だから進むのではなく、元々、仲が悪いから離婚するのです」と馬鹿にされる始末です(笑)。国民の多くが勘違いしていることは、強制的に夫婦別姓にすることではないのです。夫婦同一のほうがよい夫婦は、そのままでいいのです。だから“選択的”夫婦別姓と呼んでいます。 “選択的”(希望する者)でも認めようとさせない民法は、憲法違反とも言われています。
■世論が女性重視の方向に向かっている折り丸川大臣の行動と発言は許しがたい

女性が改名せざるを得ない複雑な思いは、分かります。夫の姓になることに喜びを感じる方がいても、昨今では個人の尊厳を損なうとの考え方の女性がかなり増えてきています。また事務的にも、会社や役所の公的手続きやカード・銀行口座の改名など、想像以上に時間や手間が掛かります。さて選択的夫婦別姓論者である自民党の野田聖子幹事長代行は「私たちは国民の代弁者だ」と丸川氏にクギを刺し、一部の幹部は「右翼層に良い顔をしたいのだろうが失うものの方が大きい」と不快感を示しました。森会長辞任劇によって、ジェンダー問題や女性蔑視の改善が語られるようになってきました。しかしまだまだ阻んでいるのが、戦前思想を望む多数の自民党議員であり、それを支持する「日本会議」などの右翼思想者です。組織委員会や世論が女性重視の方向に向かう折り、丸川大臣の行動と発言は許しがたいものです。なお自民党の大塚拓議員と結婚し戸籍上は大塚珠代でも、政治活動は旧姓を使用しておりご都合主義の表れ・・・
■名を連ねた自民党50人
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衆議院議員 32人
青山周平 安藤裕 石川昭政 上野宏史 鬼木誠 金子恭之 神山佐市 亀岡偉民 城内実 黄川田仁志 斎藤洋明
櫻田義孝 杉田水脈 鈴木淳司
高市早苗 高木啓 高鳥修一 土井亨 中村裕之 長尾敬 深澤陽一 藤原崇 古屋圭司 穂坂泰 星野剛士 細田健一 堀井学 三谷英弘 三ツ林裕巳 宮澤博行 簗和生 山本拓
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参議院議員 18人
赤池誠章
有村治子 磯崎仁彦 岩井茂樹
上野通子 衛藤晟一 加田裕之
片山さつき 北村経夫 島村大 高橋克法 堂故茂 中西哲 西田昌司
丸川珠代 森屋宏 山田宏
山谷えり子
*信念は男女に関りがないとは言え、右翼思想のそうそうたる
女性議員が名を連ねる。
*五輪大臣を務め失言ばかりの桜田氏(
太字)もいる。
証人喚問史上最低の自民党丸川議員の質問は安倍首相にすり寄る森友体質を象徴