ひびのあれこれ・・・写真家の快適生活研究

各種媒体で活動する写真家の毎日。高円寺で『カフェ分福』をオープンするまでの奮闘記、イベント情報などをお伝えします。

サンフランシスコ 光と影

2020年01月15日 | Weblog
サンフランシスコ、滞在の目的はサードウェーブ系コーヒーのカフェやオーガニック市場の浸透度合いを肌身で感じることでした。
プラス、ビジネスチャンスがあるのか、どういった形であれば実現可能か、なんて壮大な構想もあったり。


実際、サードウェーブ系のカフェはどこも混雑していて、それぞれの店を支持するファンが通っている、そんな印象でした。
ただ、長蛇の列の理由は、カフェの注文の方法にあります。
日本のように着席してからスタッフがオーダーを取りに来るわけではありません。
最初にカウンターに並び、注文してから名前を告げて、受け取りカウンターでピックアップするセルフ方式が主流。
そのカウンターの窓口が一箇所しかないので、どうじても列ができてしまいます。

カウンターで名前を伝えると、そこからコミュニケーションが生まれます。
「亜矢子?じゃああなた日本人?私のママは日本人なの」なんてスタッフに言われたり、
「僕のおばあさんの名前もアヤコだよ!」なんて偶然があったり

サンフランシスコ、というか特にカリフォルニアは、多民族社会。
移民なしでは経済が成立しない、それを人々はしっかり認識し、共存しています。
そんなこともあり、旅人にとって居心地が良い環境。
それがサンフランシスコの光の部分。

一方で、影の部分があるのが世の常です。
華やかでキラキラしたオシャレな雰囲気の通りから1ブロック離れると、そこは貧困層の集まるダークな界隈。
治安も一気に悪くなります。
市内をバスや路面電車で移動していると、街の変化を如実に感じます。
不意に、ショッピングカートに膨大な荷物を詰めて移動しているホームレスや路上でたむろする有色人種が目立つような地域に突入します。
一見、差別や偏見はなさそうに見えますが、実際は明確に住み分けされ、見えにくくなっているだけなんだなぁ。
GAFAのエリートビジネスマンが街を席巻し、平均的な生活をしている人たちは市内に住むことが難しくなった、と聞きます。
何せ1Rのアパートで家賃が40万円、年収1400万円が貧困層と言われるような場所ですからね。
サンフランシスコでカフェを開業するなんて、夢のまた夢、ですね〜

ビジネスチャンスについて感じたことは、たとえ小さな店であっても、バックに大きな資本がなければ成立しにくいということ。
チェーン化されていない店も、ビジネススタイルはしっかり確立されていて、運営スタイルはビッグビジネス的。
例えば、抹茶に特化した「ストーンミル・マッチャ」にしても、席数50ほどでスタッフが見えているだけで20人くらい、バックヤードでは常時製造スタッフが動き続けています。
これだけの大きなスペース(しかも一等地)で多くのスタッフを擁しつつビジネスを維持し続けるために、どれだけのコストがかかっているのか・・・。
もう想像するだけでクラクラしてしまいます。

もうひとつ、人気店にはそれなりの理由がちゃんとあるなぁと実感。
空間の居心地も大切ですが、提供されるものが美味しい。

ディビサデロ・ストリートのサードウェーブ系コーヒー店「The MILL」

25年前のロスで、美味しいペストリーは存在していませんでした。
大抵激甘、口に入れると危険を感じるようなレベル・・・。
健康志向の市民を惹きつけるべくして生まれたのでしょうが、これほどの成長とは!!!
働いているスタッフの伸び伸びとした仕事っぷりも素敵。
自分の仕事に誇りを持っているんでしょうね〜。

ダンデライオンチョコレート、バックヤードのファクトリー。
すべてが「見える化」されています。


カカオの選別をする女性。


サンフランシスコは山手線の内側の面積の2倍くらいの小さな街なので、東京と比べることは難しいかもしれませんが、高円寺という新宿からほど近い街で、個人事業主が小さな店を運営出来るということはとっても恵まれているんだなぁ、と思い至りました。

カフェ分福、大切にしなくっちゃ。










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