気分はガルパン、、ゆるキャン△

「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

京都鉄道博物館3 特別展示車輌と台車いろいろ

2025年02月18日 | 洛中洛外聖地巡礼記

 京都鉄道博物館のトワイライトプラザから本館の一階の南口に入りました。外からの引込線が内部に続いていて、車両工場のコーナーになっていますが、この時は特別展示コーナーになっていて、上図の近江鉄道100形が展示されていました。

 

 まず、驚いたのはJR西日本の管轄になる京都鉄道博物館が、私鉄の車輌も引き入れて展示している、という事でした。京都鉄道博物館ではJRの車輌しか展示しないものだと思い込んでいたので、いまも現役で走っている近江鉄道100形がなんでここに入ってるのだ、と思いました。

 ですが、嫁さんは別の意味で驚いていて、「近江鉄道って、あの近江八幡から豊郷まで乗った電車・・・?こんな青い電車って走ってたっけ?黄色やアイボリーの電車は乗りましたけどね・・・、でもどうやってここまで持ってきたんですかねえ・・・」と話していました。

 

 コーナーの主旨案内板によれば、ここでは、JR西日本の営業路線と繋がった引込線を活用して現役車両を展示していますが、今回は開業128 年を迎えて今年度より公有民営方式による上下分離に移行した近江鉄道の100形電車を特別展示します、との事でした。同時に、これが京都鉄道博物館開業後の、甲種輸送による車両の特別展示の最初であるそうでした。

 嫁さんは、案内文を一通り読むと私を振り返って、「甲種輸送って何?」と訊いてきました。

 

 甲種輸送(こうしゅゆそう)とは、甲種鉄道車両輸送(こうしゅてつどうしゃりょうゆそう)の略称で、日本貨物鉄道(JR貨物)など貨物鉄道事業者の機関車の牽引によって車両をレール上で輸送することをいい、書類上は貨物列車扱いとなるそうです。線路が繋がっていれば可能ですし、繋がっていなくてもクレーン等で移して線路に置けば可能となります。

「甲種輸送、ってのがあるんなら、甲乙丙丁とかのあれで、乙種輸送とか丙種輸送ってのもあるんですかね?」
「うん、あるよ。乙種はトレーラーとか船とか艀に載せて、レールの上以外、道路とか航路とかで輸送する。丙種は車輌をレール上の長物貨車に載せて、機関車が長物貨車を牽いて輸送する。一般的には丙種はあんまり使わないらしいから、甲種か乙種のどちらかになるな」
「ふーん・・・、じゃあ、丁種は無いんですね」
「丁種輸送なんて、聞いたこと無いで・・・」

 

 近江鉄道は、周知のように明治期に創立された、滋賀県最古の私鉄です。線路の幅はJRと同じ1067ミリなので、この100形もここまで持ってこられたわけですが、そうなると、今後は他の私鉄の車両もここで特別展示する機会が有り得る、ということになります。

 ですが、近畿地方の私鉄の多くは線路の幅が1435ミリの標準軌ですので、ここ京都鉄道博物館での特別展示は難しいかもしれません。阪急、京阪、近鉄はもちろん、京都の嵐電や叡電も1435ミリですから、JR西日本や京都鉄道博物館の線路には入れないわけです。
 なので、おそらくは同じ1067ミリの狭軌の鉄道車両に限られるのだろうな、と思いました。

 

 特別展示コーナーは、館内図では「車両工場」と記されており、実際に工場と同じ整備用の各種設備があり、作業用の車輌を上からも見学出来るように吊り下げ式の通路が設けられています。

 実際にここで整備や検査を行なっているのかは分かりませんが、係員の話によれば、ここへの出し入れに際して最低限のメンテナンス作業は行っている、とのことでした。

 

 それにしても、いまも運行されている現役の私鉄車輌がこうして博物館施設にて展示されているというのは、初めて見た気がします。京都鉄道博物館ならばでの展示、京都鉄道博物館でしかやれない特別展示、ということで、今後もこのような各種の現役車輛を間近に見られる機会を提供してゆく、というコンセプトなのでしょうか。

 

 この近江鉄道100形電車は、2009年に西武鉄道より新101系および301系を譲り受け、改造して導入した通勤形電車の一種です。2輌ずつの5編成、計10輌が2013年から2018年にかけて順次導入され、2013年より運行を開始して現在に至っています。
 私も嫁さんも豊郷行きで何度か利用していますが、こうして特別展示の体裁にて眺めると、印象が全然違って見えますから不思議なものです。

 

 向かいには上図のカットモデルの模型が展示されています。車体の内部構造と、線路および台車との関係がよく分かります。
 案の定、こういった模型が大好きな嫁さんが、ガッとくらいついてケースにはりついて「これ面白い・・・」と食い入るように眺めていました。

 

 その隣には、台車や車輪の実物が幾つか展示されています。鉄道車両の台車部分は、普通に鉄道を利用していれば大抵はホームの下に隠れて見えませんので、間近に見ると新鮮な迫力があります。
 上図は151系電車のDT23形台車です。

 

 こちらは4種類の車輪です。右端より順に、松葉スポーク車輪、D51用の動輪、151系用の車輪、新幹線300系用の車輪です。
 これらのなかで新幹線300系用の車輪が最も薄くて華奢に見えますが、実は最も強靭な車輪であるそうです。270キロ運転時の安定性を高めるために車輪の軽量化が図られて車輪径が910ミリから860ミリに縮小され、車軸も中グリ軸と呼ばれる中空式となり、素材の鋼は優れた高品質かつ強靭な日本でしか作れない材料が使われています。

 確か、新幹線を含めた高速鉄道用の専用車輪やレールは高度な製造技術が必要なため、これを造れるメーカーは日本の日本製鉄およびJFEスチールの2社だけ、と聞いた事があります。

 

 こちらは4種の台車を二段に並べて展示しています。上図の上は国鉄TR23形台車、下は京阪1700系用のKS50台車で1955に製造された日本最初の空気バネ台車であるそうです。パッと見ても上段の台車が古めかしく見えるので、要するに戦前の台車と戦後の台車を分かりやすく展示してあるのだな、と分かります。

 

 こちらの上は国鉄TR10形台車の客車用2軸ボギータイプであるTR11台車、下は阪急2000系用のFS345台車です。このコーナーには、国鉄だけでなく私鉄の台車も寄贈されて展示されているわけですが、それも京都鉄道博物館の特色のひとつであるのでしょう。

 

 こうした各種の台車は、嫁さんも私も、Nゲージや鉄道コレクションの車輌の台車パーツを組み込んだり交換したりしているので、実物を見るのが楽しいです。色々と勉強になります。基本的な構造が模型でもそのまま踏襲されているうえ、車輪を外したりする際の段取りも同じであることが見て取れます。

 

 なので、上図のように下から台車を見たりして、その外枠のフレームとか、車輪の軸部の据え付け状況とか、サスペンションの機構やブレーキシステムの形状などが学べたのは良かったです。本や図鑑を100回見ても、実物を1回見て分かる情報量には遠く及ばないものだな、と改めて思いました。  (続く)

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 継続高校 KV-1 作ります!!... | トップ | ゆるキャン△の聖地を行く45 ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

洛中洛外聖地巡礼記」カテゴリの最新記事