第9話でジャン・ジャック・ルソーさんが、
「ヌーヴェル・エロイーズ」の大ヒットから一転、
「エミール」と「社会契約論」のためにお尋ね者になってしまった事を書きましたが、
そんなルソーさんの不幸を救おうと懸命になった人がいたのです。
ディヴィッド・ヒュームさんでした。
ヒュームさん、1762年に文通相手のブフレル伯爵夫人から
ルソーさんを助けてほしいと頼まれて引き受けます。
この物語の今話の日、1765年10月22日(火)に、
ヒュームさんは会場に出かける前に、英国行きの計画を書いた手紙を
ルソーさんへと送っているという設定です。
ウォルポールさん、66年の1月にヒュームさんがルソーさんを連れて英国に帰ると、
「プロシア王よりルソー氏に呈す」という自作の冗談文を公表しました。
フランス人のエルヴェシウスさんやニヴェルネ公爵が
フランス語の間違いを直したり加筆したりした物がバカ受けして、
パリのサロンやらウォルポールさんの知人友人の間から
ヨーロッパ中に広まってしまいました。
やがてその存在がルソーさんの知る所となり、
追跡恐怖症などの精神障害に陥っていたルソーさんは、
宿敵のヴォルテールさんが書いた嫌がらせではないかと疑いました。
そしてその文章が英国の新聞に掲載されるに至ってはルソーさん、
ヒュームさんもその一味とみなして宣戦布告、遂には一大騒動へと発展してしまうのでした。
ゴスヲタオヤジ、やってる事ギザガキっぽくね~?
スクールボーイかよ?!
ホントに、お嫁さんや子供がいればこんな事してる場合じゃなかったでしょうにね!
ヒューム殿、自分がエディンバラ大学とグラスゴー大学の教授に、
宗教上の理由からなれなかった事を言ってるんじゃろうな。
ルソーさんって、まじめ過ぎだから…。
いろいろ才能があるってけどさ、お笑い芸人的センスはなさそだに。
確かに北野武さん的センスや…あとは「タンスにゴン」の松田聖子さん・沢口靖子さん的
センスもないわね~。
ウォルポールさんのこういった攻撃性が、やがてハリソンさんへと向かうのですが、
ハリソンさんの心の中では、ルソー氏VSヒューム氏のバトルの一件が、
ウォルポールさんへの憎しみの火に注ぐ油となる事でしょう。
〈次回の更新予定は10月4・5日〉