韓国中部のムンギョンという街で開催されたコリア・オープンに出場してきました。
インチョン国際空港からバスで約3時間、山間部の街です。
アジア圏の選手ばかりだろうと予測していたら、なんと意外にもドイツのトップ選手もエントリーしているという、僕としてはすごくラッキーな大会となったのでした。
なぜラッキーなのか?
今年は無理かなと思っていたことが叶ったのです。
それは対戦相手のこと。
同じクラスのドイツのエースは現在世界ランキング2位。
彼のプレーを知らずして同じクラスの車椅子卓球は語れない、というのが僕の信条でした。
彼のプレー直接この目で見たい。
あわよくば、彼と対戦し車椅子卓球界のトップを直に感じたい、その思いは一昨年海外へデビューする以前から僕の中にあり、今年の目標はそれを実現することでもありました。
イタリアでは彼のチームメイトにしか会えず、そしてその次のスロバキアでの世界選手権でついに彼を見て、さらに次のドイツではより身近に彼を見ることが出来ましたが、それはあくまでも「見る」に留まったもので、もちろんそれだけでも彼の凄さは十二分に感じたのですが、プレーにせよそれ以外の時でも彼の凄さを垣間見る度に「やっぱり一度やってみなきゃだめだ」という感情がより高まったのでした。
でもその機会はもう来年かなと思っていた矢先、彼がアジア圏の大会へエントリーすることを知り、そして韓国でそれがついに実現したのでした。
当初のエントリーリストから予想した組み合わせでは、僕は彼とは異なるグループでしたが、棄権したチームもあり組み合わせは大幅に変更。
その結果僕の夢が実現したのでした。
個人戦の僕の予選ブロックはそのドイツの彼と韓国のナンバー3。
ドイツの彼にはもう何も通用しない。
自分の得意の展開から攻撃するも全て返ってくる。
まるで「壁」でした。
しかもあまりの気持ちよさにむしろ笑いが出るくらいだったのが、僕のサーブから、僕の連打の展開となり、最後はチャンスボールを「これでどうだ!」と思いっきりフォアスマッシュすると、なんとそれをカウンターされるという、ここまで見事なカウンターは今まで健常者のコーチにしか受けたことが無い、そんなレベルのボールでした。
ものの見事に、まさに完敗。
でもそれで僕の中で何かがはじけたというか、新たな扉を開いたなと実感する瞬間でした。
もう一試合、韓国ナンバー3は個人的に仲の良い選手。
こいつには必ず勝ってやる!という思いで挑みましたが、1セット目はあっさり取るも、そこから力が入ったのかミスを連発し自滅。結果的には負けて予選敗退。
そして個人戦の後開催される団体戦はタイの選手と組むことに。
エントリーリストからすると彼と組むのが妥当だなと思っていましたが、ランキングのポイントの兼ね合いから他の人と組んで彼と対戦するチャンスがある方が僕には都合が良いなとも思っていました。
ですので直前まで自分の意向は示さずにいたのですが、タイチームが僕を見るや否や「団体戦は一緒に出ようぜ!」と声をかけられ、じゃぁそうしますかと決めた次第です。
その団体戦は棄権チーム等もありリーグ戦で順位を決めることに。
結果的に2位となり銀メダルをいただきました。
団体戦は1ダブルス2シングルスの順で先に2ポイント取ったチームが勝利となりますが、タイの選手は「この試合は俺がシングルス1番でいくから、こっちの試合はお前が1番でいけ」と言うのでそれに従ったのですが、いざ試合となった時に「今日はどうも調子が悪いからこの試合もやっぱりお前が1番でいってくれ」となり、シングルスも全て出来るというラッキーな展開となりました。
格下の韓国チームにはストレートで勝利。
しかし格上の韓国チームにはストレートで敗退しました。
その際、シングルスでは今年の韓国のエースと対戦しましたが、結果的には負けたものの、もの凄く良い経験を積むことが出来ました。
大会を通じて多くの選手とコミュニケーションを取ることが出来、朝の練習も日本チームではなく海外のチームの中に混ぜてもらって行うなど、試合だけでなくより中身の濃い経験を積むことが出来ました。
もちろんドイツのその彼ともわずかな時間ではありますがピンバッジのプレゼントをネタに話をすることも出来、試合の結果は別として僕自身の課題というか目標を達成できた充実感に満ちた大会となったのでした。
世界のトップをこの目で見て、肌で感じたことにより、これから進むべき道筋が今僕の前にはっきりと見える、そんな思いでいます。
僕自身にたりないものは数えきれないくらいにある。
でも何が足りないのかがいまやっと明確に分かる。
自分自身でそれを掴めている。
だから、頑張れる。
車椅子卓球を初めて5年目。
今やっと、ようやくスタートラインに立てたような、そんな思いでいます。
ドイツの彼だけでなく、各国の情報や状況もいろいろ知り得たので、その彼らに負けないためには、追いつくためにこれから自分が何をしなければならないのか、そういうことを自分でも考え、コーチをはじめ協力・応援してくれる環境と共に考え、それを実行していく。
そういうベクトルが実に心地よく、そういう環境に身を置けることをもの凄くありがたく思います。
ポイントを獲得する。
メダルを獲得する。
でも僕にはそれ以前にもっとやらなきゃいけないことがまだまだありました。
もちろんポイントもメダルも欲しい。あるに越したことはない。
でもそれを狙うのはもう少し先の話し。
今は原点回帰して、もう一段高い意識で基礎から積み重ねていこうと思います。
思いがけず目標達成できた韓国。
また新たに複数の友人も出来た。
さぁこれからは再スタートを切るつもりで、気持ちを新たに頑張っていくつもりです。
人の縁もあってもの凄く充実した濃い経験と勉強のできた韓国なのでした。
インチョン国際空港からバスで約3時間、山間部の街です。
アジア圏の選手ばかりだろうと予測していたら、なんと意外にもドイツのトップ選手もエントリーしているという、僕としてはすごくラッキーな大会となったのでした。
なぜラッキーなのか?
今年は無理かなと思っていたことが叶ったのです。
それは対戦相手のこと。
同じクラスのドイツのエースは現在世界ランキング2位。
彼のプレーを知らずして同じクラスの車椅子卓球は語れない、というのが僕の信条でした。
彼のプレー直接この目で見たい。
あわよくば、彼と対戦し車椅子卓球界のトップを直に感じたい、その思いは一昨年海外へデビューする以前から僕の中にあり、今年の目標はそれを実現することでもありました。
イタリアでは彼のチームメイトにしか会えず、そしてその次のスロバキアでの世界選手権でついに彼を見て、さらに次のドイツではより身近に彼を見ることが出来ましたが、それはあくまでも「見る」に留まったもので、もちろんそれだけでも彼の凄さは十二分に感じたのですが、プレーにせよそれ以外の時でも彼の凄さを垣間見る度に「やっぱり一度やってみなきゃだめだ」という感情がより高まったのでした。
でもその機会はもう来年かなと思っていた矢先、彼がアジア圏の大会へエントリーすることを知り、そして韓国でそれがついに実現したのでした。
当初のエントリーリストから予想した組み合わせでは、僕は彼とは異なるグループでしたが、棄権したチームもあり組み合わせは大幅に変更。
その結果僕の夢が実現したのでした。
個人戦の僕の予選ブロックはそのドイツの彼と韓国のナンバー3。
ドイツの彼にはもう何も通用しない。
自分の得意の展開から攻撃するも全て返ってくる。
まるで「壁」でした。
しかもあまりの気持ちよさにむしろ笑いが出るくらいだったのが、僕のサーブから、僕の連打の展開となり、最後はチャンスボールを「これでどうだ!」と思いっきりフォアスマッシュすると、なんとそれをカウンターされるという、ここまで見事なカウンターは今まで健常者のコーチにしか受けたことが無い、そんなレベルのボールでした。
ものの見事に、まさに完敗。
でもそれで僕の中で何かがはじけたというか、新たな扉を開いたなと実感する瞬間でした。
もう一試合、韓国ナンバー3は個人的に仲の良い選手。
こいつには必ず勝ってやる!という思いで挑みましたが、1セット目はあっさり取るも、そこから力が入ったのかミスを連発し自滅。結果的には負けて予選敗退。
そして個人戦の後開催される団体戦はタイの選手と組むことに。
エントリーリストからすると彼と組むのが妥当だなと思っていましたが、ランキングのポイントの兼ね合いから他の人と組んで彼と対戦するチャンスがある方が僕には都合が良いなとも思っていました。
ですので直前まで自分の意向は示さずにいたのですが、タイチームが僕を見るや否や「団体戦は一緒に出ようぜ!」と声をかけられ、じゃぁそうしますかと決めた次第です。
その団体戦は棄権チーム等もありリーグ戦で順位を決めることに。
結果的に2位となり銀メダルをいただきました。
団体戦は1ダブルス2シングルスの順で先に2ポイント取ったチームが勝利となりますが、タイの選手は「この試合は俺がシングルス1番でいくから、こっちの試合はお前が1番でいけ」と言うのでそれに従ったのですが、いざ試合となった時に「今日はどうも調子が悪いからこの試合もやっぱりお前が1番でいってくれ」となり、シングルスも全て出来るというラッキーな展開となりました。
格下の韓国チームにはストレートで勝利。
しかし格上の韓国チームにはストレートで敗退しました。
その際、シングルスでは今年の韓国のエースと対戦しましたが、結果的には負けたものの、もの凄く良い経験を積むことが出来ました。
大会を通じて多くの選手とコミュニケーションを取ることが出来、朝の練習も日本チームではなく海外のチームの中に混ぜてもらって行うなど、試合だけでなくより中身の濃い経験を積むことが出来ました。
もちろんドイツのその彼ともわずかな時間ではありますがピンバッジのプレゼントをネタに話をすることも出来、試合の結果は別として僕自身の課題というか目標を達成できた充実感に満ちた大会となったのでした。
世界のトップをこの目で見て、肌で感じたことにより、これから進むべき道筋が今僕の前にはっきりと見える、そんな思いでいます。
僕自身にたりないものは数えきれないくらいにある。
でも何が足りないのかがいまやっと明確に分かる。
自分自身でそれを掴めている。
だから、頑張れる。
車椅子卓球を初めて5年目。
今やっと、ようやくスタートラインに立てたような、そんな思いでいます。
ドイツの彼だけでなく、各国の情報や状況もいろいろ知り得たので、その彼らに負けないためには、追いつくためにこれから自分が何をしなければならないのか、そういうことを自分でも考え、コーチをはじめ協力・応援してくれる環境と共に考え、それを実行していく。
そういうベクトルが実に心地よく、そういう環境に身を置けることをもの凄くありがたく思います。
ポイントを獲得する。
メダルを獲得する。
でも僕にはそれ以前にもっとやらなきゃいけないことがまだまだありました。
もちろんポイントもメダルも欲しい。あるに越したことはない。
でもそれを狙うのはもう少し先の話し。
今は原点回帰して、もう一段高い意識で基礎から積み重ねていこうと思います。
思いがけず目標達成できた韓国。
また新たに複数の友人も出来た。
さぁこれからは再スタートを切るつもりで、気持ちを新たに頑張っていくつもりです。
人の縁もあってもの凄く充実した濃い経験と勉強のできた韓国なのでした。