車椅子で卓球@渡邊剛

2013年より車椅子卓球をスタート。備忘録の意もこめてここにブログを綴ります。
内容は基本パラ卓球、時々食文化。

コリア・オープン 2017

2017年07月28日 20時09分46秒 | 日記
韓国中部のムンギョンという街で開催されたコリア・オープンに出場してきました。

インチョン国際空港からバスで約3時間、山間部の街です。



アジア圏の選手ばかりだろうと予測していたら、なんと意外にもドイツのトップ選手もエントリーしているという、僕としてはすごくラッキーな大会となったのでした。



なぜラッキーなのか?



今年は無理かなと思っていたことが叶ったのです。

それは対戦相手のこと。



同じクラスのドイツのエースは現在世界ランキング2位。

彼のプレーを知らずして同じクラスの車椅子卓球は語れない、というのが僕の信条でした。

彼のプレー直接この目で見たい。

あわよくば、彼と対戦し車椅子卓球界のトップを直に感じたい、その思いは一昨年海外へデビューする以前から僕の中にあり、今年の目標はそれを実現することでもありました。



イタリアでは彼のチームメイトにしか会えず、そしてその次のスロバキアでの世界選手権でついに彼を見て、さらに次のドイツではより身近に彼を見ることが出来ましたが、それはあくまでも「見る」に留まったもので、もちろんそれだけでも彼の凄さは十二分に感じたのですが、プレーにせよそれ以外の時でも彼の凄さを垣間見る度に「やっぱり一度やってみなきゃだめだ」という感情がより高まったのでした。



でもその機会はもう来年かなと思っていた矢先、彼がアジア圏の大会へエントリーすることを知り、そして韓国でそれがついに実現したのでした。



当初のエントリーリストから予想した組み合わせでは、僕は彼とは異なるグループでしたが、棄権したチームもあり組み合わせは大幅に変更。

その結果僕の夢が実現したのでした。



個人戦の僕の予選ブロックはそのドイツの彼と韓国のナンバー3。

ドイツの彼にはもう何も通用しない。

自分の得意の展開から攻撃するも全て返ってくる。

まるで「壁」でした。

しかもあまりの気持ちよさにむしろ笑いが出るくらいだったのが、僕のサーブから、僕の連打の展開となり、最後はチャンスボールを「これでどうだ!」と思いっきりフォアスマッシュすると、なんとそれをカウンターされるという、ここまで見事なカウンターは今まで健常者のコーチにしか受けたことが無い、そんなレベルのボールでした。

ものの見事に、まさに完敗。

でもそれで僕の中で何かがはじけたというか、新たな扉を開いたなと実感する瞬間でした。



もう一試合、韓国ナンバー3は個人的に仲の良い選手。

こいつには必ず勝ってやる!という思いで挑みましたが、1セット目はあっさり取るも、そこから力が入ったのかミスを連発し自滅。結果的には負けて予選敗退。



そして個人戦の後開催される団体戦はタイの選手と組むことに。

エントリーリストからすると彼と組むのが妥当だなと思っていましたが、ランキングのポイントの兼ね合いから他の人と組んで彼と対戦するチャンスがある方が僕には都合が良いなとも思っていました。

ですので直前まで自分の意向は示さずにいたのですが、タイチームが僕を見るや否や「団体戦は一緒に出ようぜ!」と声をかけられ、じゃぁそうしますかと決めた次第です。



その団体戦は棄権チーム等もありリーグ戦で順位を決めることに。

結果的に2位となり銀メダルをいただきました。

団体戦は1ダブルス2シングルスの順で先に2ポイント取ったチームが勝利となりますが、タイの選手は「この試合は俺がシングルス1番でいくから、こっちの試合はお前が1番でいけ」と言うのでそれに従ったのですが、いざ試合となった時に「今日はどうも調子が悪いからこの試合もやっぱりお前が1番でいってくれ」となり、シングルスも全て出来るというラッキーな展開となりました。

格下の韓国チームにはストレートで勝利。

しかし格上の韓国チームにはストレートで敗退しました。

その際、シングルスでは今年の韓国のエースと対戦しましたが、結果的には負けたものの、もの凄く良い経験を積むことが出来ました。



大会を通じて多くの選手とコミュニケーションを取ることが出来、朝の練習も日本チームではなく海外のチームの中に混ぜてもらって行うなど、試合だけでなくより中身の濃い経験を積むことが出来ました。

もちろんドイツのその彼ともわずかな時間ではありますがピンバッジのプレゼントをネタに話をすることも出来、試合の結果は別として僕自身の課題というか目標を達成できた充実感に満ちた大会となったのでした。



世界のトップをこの目で見て、肌で感じたことにより、これから進むべき道筋が今僕の前にはっきりと見える、そんな思いでいます。

僕自身にたりないものは数えきれないくらいにある。

でも何が足りないのかがいまやっと明確に分かる。

自分自身でそれを掴めている。

だから、頑張れる。



車椅子卓球を初めて5年目。

今やっと、ようやくスタートラインに立てたような、そんな思いでいます。



ドイツの彼だけでなく、各国の情報や状況もいろいろ知り得たので、その彼らに負けないためには、追いつくためにこれから自分が何をしなければならないのか、そういうことを自分でも考え、コーチをはじめ協力・応援してくれる環境と共に考え、それを実行していく。

そういうベクトルが実に心地よく、そういう環境に身を置けることをもの凄くありがたく思います。



ポイントを獲得する。

メダルを獲得する。



でも僕にはそれ以前にもっとやらなきゃいけないことがまだまだありました。

もちろんポイントもメダルも欲しい。あるに越したことはない。

でもそれを狙うのはもう少し先の話し。

今は原点回帰して、もう一段高い意識で基礎から積み重ねていこうと思います。



思いがけず目標達成できた韓国。

また新たに複数の友人も出来た。

さぁこれからは再スタートを切るつもりで、気持ちを新たに頑張っていくつもりです。



人の縁もあってもの凄く充実した濃い経験と勉強のできた韓国なのでした。

横浜パラ卓球大会

2017年07月16日 18時52分50秒 | 日記
出場してきました。

シングルスとダブルス。

ダブルスはくじ引きで決めた即席ペアで初コンビ、しかも事前練習ゼロのノープラン挑みましたが楽しく出来ました。

しっかりと練習してお互いのリズムをよりつかめれば、もっともっと勝ち上がれる、そんな自信が持てたのは良かったです。



シングルスは3人ブロックで勝ち上がれるのは1位のみ。

さらに3セットマッチというのが過酷なところ。

そこで僕は同じクラスの方と当たりました。

この方に僕は未だ一度も勝ったことがないので、別段苦手意識があるわけでもないけれど、ここでしっかり勝たなきゃダメだ!という気持ちで挑みました。



するとどうやら力が入りすぎていたようで、まずサーブが不本意なものばかりになってしまいました。

全体的に調子が悪いわけではない。

むしろ良いと思いました。

でも身体ではなく頭の調子が良くなかった(笑)

戦術面で失敗。

2セットとも9-11で敗退。

序盤を含め全体的にリードするもそれを守れず、といった展開で、それこそ敗因は自分自身の戦術面にありました。

もっと楽な試合運びが出来るだろうに、それを敢えて相手の土俵で戦うみたいな、そんな試合展開でした。

人のプレーは冷静に見れても、自分の試合はそうはいかないのが難しいところ。



でも逆にその頭に対して身体の動きは良くて、これは普段の練習の成果が出ているのだなと実感できたのでそれは良かったです。



今回の敗因は気持ちが良いくらい実に明確なので、直後から早速修正に入り確実に今後につなげていこうと思います。



スポーツに限らず人が人を評価するのは、その人が何を言ったかではなく、行動したこと、そしてそれにより生じた結果なのだと思います。

言うだけではなく行動するだけでもダメで、一番大切なのは結果をしっかり出すこと、残すことだと考えます。

そろそろ結果にしっかり結び付けていけるようにならないといけないターニングポイントを迎えていると考えるので、「頑張ってます」で終わらない活動へとシフトするよう心掛けるつもりです。



悔しかった横浜。

でもその悔しさが僕を成長させてくれる。

さぁ、明日からまたしっかり頑張っていきます!

世界卓球2017 ゴールド・メダリストにアドバイスをいただく!

2017年07月11日 00時28分41秒 | 日記
ドイツ、デュッセルドルフでの世界卓球2017、その混合ダブルスでゴールド・メダルに輝いた吉村真晴選手にお会いした。

同じ実業団に所属する岸川聖也選手もご一緒だった。

直接お話をする時間があったので、今の自分が最も課題としているところを質問させていただいた。

お二方はとても親切に、丁寧に答えてくださった。



質問させていただいたのはメンタルについて。

メンタルと一言で表すのは簡単なこと。

でもその世界はもの凄く広大でもの凄く深い。

人類が60億いるとすれば、60億とおりのメンタルの問題が存在する。

メンタルとはそういうものだと思う。



それを踏まえた上で、自分にとっての「メンタル」の課題がなんなのかを理解、熟知しなければ、質問のしようもないし質問されても答えようがない。例えるなら、戦国時代について知りたいのに「歴史について教えてください」と言っているようなもので、質問された側からすれば悪気はないのに当たり障りのない最大公約数的な答えをするに留められ、結果的に的外れな返答にもなりかねない。



最近それが自分でも何となく理解できるようになってきた。



そう自己分析したうえで質問させていただいた。



すると、明確な答えを得ることが出来た。

質問に対してあそこまで明確に答えられるのはやはりオリンピックをはじめとする世界トップの大舞台で活躍している選手だからだと思う。

目からうろこのもの凄く明確な答えを得ることが出来た。

メンタルという4次元の世界を、これまでよりもさらに深く、細かく理解出来たように思える。

cmがmmになった感じ。



あとはそれを実践出来るかどうか。



世界で活躍する正真正銘のトップ選手だからこそ精神面もあのレベルにあるのだろうけど、精神面だからこそ物理的な技術面よりも同じレベルに到達するのはより早く出来るのかもしれない。



要は気持ちの問題。

覚悟の度合い。

そういうことだと思う。



今日お二人から教わったことを忘れないためにも、ここにこうして書き残しておく。

具体的に何をどう教わったのか?

それは秘密(笑)

だって僕のメンタルの問題ですから(笑)

お二人から「頑張ってますね」と認めてもらえるようなプレーヤーでいたい。

全ては自分次第。

よし、頑張ろう。

みてろよ、自分。

2017年07月08日 01時30分26秒 | 日記
「スポーツで世界に挑む」

笑いたいやつは笑えばいい

やってみなきゃわからない

挑戦しないやつに何がわかる

選ばれるのを待っていても

私はどこへも行けやしない

己の道は、己で掴み取る、そう決めたんだ

いざ、新たなる高みへ

負けるもんか

私は、もっと、もっと、強くなれる

みてろよ、自分。



そう、戦う相手は自分自身。

世界で唯一、嘘のつけない相手。



笑いたいやつは笑わせておけばいい。

バカにされたからって気にすることはない。

挑戦しない奴には何も分からない。

やってみなきゃ分からないことにチャレンジするからこそのカッコよさがある。

笑ったりバカにしたりするやつは、カッコイイのには憧れるけれど、でもチャレンジする勇気の無いやつだ。

チャレンジしてる人を僻んでる、妬んでるだけだ。

そんなやつに構う必要はない。

カッコ悪いのは嫌だ。

カッコイイ自分でいたい。

だからやる。

頑張る。

己の道を貫け。

自分自身と向き合って、磨きあげ、より高みを目指せ。

今こうしている間も海外のライバル達は黙々と頑張っているはず。

そいつらに追い付く、追い越すためには、まず自分という壁を乗り越えて、克服して、さらなる高みを目指して頑張らなきゃならない。

みてろよ自分、負けるな自分。



できっこないという奴らを黙らせろ。



自分の道は自分で選び、自分で進む。

命は人に運んでもらうものじゃない。

自らの命は自らで運ぶ。

それが運命なんだ。

自分はどこへだって行ける。

みてろよ、自分。



という自己啓発のポスターを入手したので一筆(笑)

さぁもうすぐ海外遠征。

頑張るぞ!

東京障害者卓球選手権大会 2017

2017年07月03日 17時43分45秒 | 日記
出場してきました。

海外への遠征が続く中での合間的感覚の試合。

だからこそ、これまでとは違うスタンスを試みて、「リラックスして挑む」をテーマにしていました。



でももちろん勝ちたいしひとつでも高いところへ登りたい気持ちに変わりはないので、大会直前までの練習はしっかり行ったうえで前日は敢えて練習をしない、当日試合会場での練習も行わない(自分のペースを貫く)など自分自身をマネージメントすることも今まで以上に試みてみました。



出来たことも出来なかったことも複数あるけど、今回の試みは良かったように思います。



ただリラックス出来ていたかというとそれは決してそうではない。

試合全般、要所要所で力が入っていました。

それもある意味これまで以上に。

「勝ちたい!」「負けたくない!」という思いが力を入れさせるのでしょう。

緊張ではない力みが自分自身感じられました。

だからいつも以上に凡ミスもしてしまう。

それが今後一番の課題でしょう。



で、試合結果。

予選は4人のブロックで内ひとりは僕がこれまで一度も勝ったことのない方。

また初めてお見かけし対戦する方も。

でもその方々を含め全勝の1位通過。

それは良かった。

成長を確信できる要素が多々ありました。



そして決勝トーナメント1回戦。

組み合わせから対戦相手を想定するも、やはりイレギュラーというのは生じるもので、「え!そうなの!?」という相手に。

でもそれは僕にとっては願ったりの相手でもあったので、ここでその方と対戦できるのは嬉しい!という気持ちが勝っていました。

その相手はこれまた一度もまだ勝ったことのないベテランの強豪選手。

でも僕にとっては越えなければならない存在でもあるので、今回をその時だと思い挑みました。



まず結果としては、2-3のフルセットで敗退。

序盤は2セットを連取し僕が優位な展開で進めるも逆転負けという、悔やむに悔やみきれない残念な内容でした。

敗因は・・・多々あります。

でも一番は自分自身のメンタルと頭の問題でしょう。

2セット目後半あたりからだんだんと「リラックスして挑む」がすっかり抜けていたこと。

力むからこそ生じるミスを連発していたこと。

力むからこそ思考範囲が狭まる、思考が停止する、そういう瞬間が生じ、またそれを長引かせてしまったこと。

「相手にやられた」というポイントはほぼ無く、奪われるのではなく自分のミスにより与えてしまう点数ばかりでした。

なぜそうなったのか?

それこそまさにメンタルと頭の問題だと反省。

実際、試合の後で「あ、忘れてた」というポイントが複数あり、いつもそれを胸に練習しているのに本番で忘れてしまう、すっかり頭から抜けているというのは冷静ではなかったということだと思います。

スポーツ選手にとってタラレバは見苦しいもの。

でもそうして言い訳したくなるほどに悔しい内容と結果になりました。

負けるというのはまだまだ自分に足りないものがあるからで、それをもっと積み重ねなさいよというどこか遠い存在からのお告げなのかもしれません。



今回の敗戦は残念でしたが、次にまたいつ対戦できるか、その時を心待ちにして日々取り組んでいこうと思います。

そして今月は国内でもう一つ試合があり、その翌週は海外遠征が控えているので、まずは体調管理を重視しコンディションをしっかり整えて挑んでいきたいと思います。