えん罪・布川事件 国賠を求めてたたかう夫の傍で

えん罪を晴らし、普通の一市民に戻った夫。二度と冤罪が繰り返されないようにと、新たな闘いに挑む夫との日々を綴ります・・・。

経歴書

2011-11-15 | 日記
夫の詩集の中に
「経歴書」というものがある。

「私の経歴書に書けるものは
 二十歳以降はない
 四十七歳になろうという男ならば
 当たり前に持っていよう
 仕事を通した経歴も
 家庭を支えた経歴も
 私にはない
 ただ刑務所にいたという
 それだけがある
 でも
 私は胸を張って
 刑務所にいたと
 経歴を書きたい


 ・・・(中略)・・・


 だから
 私は社会に帰って
 刑務所にいたと
 経歴書に書くだろう
 今年で二十七度目の正月になる
 この長い月日に胸を張って」

        「壁のうた」CDブックより(高文研)

義父の遺品を整理しながら、義父の経歴書を前に「夫の詩」を思わずにはいられなかった。

几帳面だったらしいことが窺い知れる文字、記録内容、そして義父の経歴・・・・。
昭和15年の初めての就職から、異動、転勤、再就職、俸給までも・・・。
多くの行数を割いて書き重ねられていた・・・。

          





早朝宣伝

2011-11-15 | 日記
 久しぶりの水戸駅頭での宣伝。
県本部から2名、水戸支部から5名。若い人も出勤前の時間を割いて参加してくれた。

出勤時の会社員、登校時の学生たちに
ハンドマイクで訴える県本部事務局長Yさんの話を耳にしながら

「おはようございます!日本国民救援会です。よろしくお願いいたします!」

と、できるだけ「さわやかに」?頑張ったつもりだったが、なかなか受け取りが悪い
どうも、布川の宣伝から間が空いてしまっていて、私自身がなかなか「乗れない」。

みな足早に、立っている私たちを避けるようにすり抜けていく。
ちょっと悔しいし、さびしい・・・。

えん罪って、決して他人事じゃないのに・・・。
でも、みんな自分の世界で生きるだけで精いっぱいなのかな?
そうだよね・・・。
と、自問自答を繰り返す・・・。

そこへ、通り過ぎた人がもどってきて「何?」というように私の持っているチラシを覗き込むようにして手を出してくれる会社員。
こんな人には、俄然元気をいただく。

「ありがとうございました!」と背中に向かって明るくお礼を言う。

チラシとしては最高。

『無実の人は 無罪に!』

わかりやすく書かれてある。
手に取っていただけたら、読んでいただけたら、きっと頭の片隅にでも「無実の人は 無罪に!」という言葉が、また「えん罪」という言葉がインプットされるだろう。
現在たたかわれている事件の名前がインプットされるだろう。

私たちは、そのインプットしていただける人を一人でも多く増やして行きたい。
不幸にも、他人事がそうでなくなる時が来るかもしれない。
身近に「えん罪」ということを感じた時に、「そう言えば駅頭で配ってたな・・・」
「あれは、日本国民救援会って言ってたな」と記憶を呼びもどしていただけるように。

皆さんの身近なところで、人間の尊厳をかけて人権回復のため闘っている人がいること。
獄中から救援を求めて叫んでいる人がいることを思い出していただけるように。
そして、心を寄せていただけるように・・・。

えん罪が繰り返されない社会を作っていくには、市民の方の関心の高さが必要なのです。
裁判が、市民の常識を超える特別のものでないことにもっと気付いて欲しいのです。

だから、私たちは地道だけどこうした宣伝を続けて行きます。

今日の私の感触では、50~60代ぐらいの会社員の人たちが多く受け取ってくれたような気がする。
女性ではやはり50代以上の人が多かったかな。
若い人たちは「意識して」受け取ろうとしないようだ。
だから、若い人が他のメンバーからチラシを受けとって、私の目の前を歩いていこうとするのを見ると、これが嬉しくって仕方がない。

嬉しくって、
「ありがとうございました!よろしくお願いします!」と声をかけてしまう。

要は、チラシを撒きながら、
受取っていただいた雰囲気、枚数で、こちらが元気をいただく。そんな私だった。
一時間の宣伝を終えて、横断幕を前に全員で写真を撮って・・・。
         



朝から、少し気合いの入ったスタートでした

久しぶりのモーニングコーヒー

2011-11-15 | 日記
「あんたに貰ってきてあげたよ」

夫が、ぽんとテーブルに出したものは、ホテルに用意されている「コーヒー」だった。

夫はコーヒーは苦手。
「中」で出たチョコレートでさえ、「目に星が飛んで」苦しかったという。

私も、そんな夫と生活するようになって一緒に飲むことはもちろん、一人でいる時も数えるくらいになった。
毎日、朝に、昼に、晩にと飲み続けていた時代に「夜眠れない」なんて無かったのが、最近は体の中からカフェインが抜けきってしまったのか、たまに飲むコーヒーで全く眠れないようになった。
午後や寝る前に飲まなければいいのだろうが・・・。

音楽を聴きながら、朝陽を浴びつつ、新聞をめくりながらゆったりとした気分で味わえるモーニングコーヒーは格別だ。

今朝は、
「無実の人びとを救う全国いっせい宣伝行動」で水戸駅に立った。
朝7時半から1時間の8時半まで。
私にとって、就労中の早朝宣伝は本当にきつかった。
通勤時間35分。どんなに遅くても8時25分には着替えて仕事開始の体制に入らなければならない。
ということは、どんなに頑張っても8時前の20分間が限界だった。
それから「車を飛ばして」向かうあの緊張感・・・。

でも、今は、その焦りがない。
現職の方たちに「片付けはやります。急いで上がってください」と声をかける・・・。

 帰宅して、テーブルの上の夫の置いていってくれたコーヒーが目に入った。
ゆっくり、このコーヒーを飲んでみようか・・・と思った。


そして、音楽はかけなかったが、朝陽の当たる部屋で新聞をめくりながらモーニングコーヒーを味わった。

おいしかった!

夫からは7時47分にメールが入っていた。
「羽田に向かうモノレールのなか・・・行って来る」と。
今日はプライベートで徳島入り・・・。
長年の思いの実現?
でも、準備不足はなかったかな・・・。