「死ぬまで働けば大丈夫」6500万円のローンを抱える58歳の明るすぎる老後プラン
8/28(金) 9:16配信
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プレジデントオンライン
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Wavebreakmedia
妻と大学生の長男と同居しながら、自宅兼事務所でWEB制作・デザインの仕事をしている男性(58歳)は貯金が80万円しかない。世帯月収は手取り97万円だが、17年後の75歳まで支払いの続くローン残債が計6500万円ある。本当に働き続けられるのか。相談に応じたファイナンシャルプランナーが出した結論とは――。
【図表】メタボ家計BEFORE→AFTER
■手取り世帯月収97万円がたちまち「蒸発」してしまう58歳の生活
「老後資金がかなり少なくなってしまったんですけど、自分、長く働くつもりなので、大丈夫ですよね? 」
ご夫婦でWEB制作・デザインの会社を経営しているFさん(58)。会社は順調で、同い年の妻と二人合わせ、毎月手取り97万円ほどの収入を得ています。しかし、驚くべきことに貯金はほぼありません。一般的に「貯金がないんです」というご相談の場合でも、実際は200万~300万円は持っているケースが多いのですが、本当に100万円もないのです(80万円)。バブル世代の方らしいといえば、らしいのですが……。
聞けば、今まであまり貯金ということを意識したことがなく、「使う分だけ稼げばいいじゃん」と思ってきたそうです。企業に雇われているわけではないので、仕事は60歳以降も長く続けられる。だから生活は大丈夫だろうと思っていたそうですが、「やがて退職した時のことを考えると、急に不安になったんだよね」(Fさん)とのことです。
子供は2人います。長女(28)は就職して独立、長男(22)は専門学校から大学に入り直し、現在大学2年生です。長男は同居で、学費のほか、生活費、こづかいなどの面倒をみています。
■業績好調で収入アップ、「節約よりも稼ぐ」ほうがよい
会社を設立したのは、今から10年前。それ以前は個人事業者で売上額は微々たるもの。収入から国民健康保険料、国民年金保険料を支払っていたこともあり、ほぼゆとりのない家計でした。
ところが、幸いにもその後、徐々に売り上げが伸び、10年前に個人事業から法人になり、社会保険適応事業所となりました。手取り額も増え、生活費にゆとりができたそうです。そして自宅兼事業所を建て、2人の従業員も雇い、現在のような状況になりました。
成長を果たしたこの10年間を質素に暮らしていれば、貯金が増えたのは確実です。しかし、収入が増えたことで、生活費もそれに比例して増えてしまいました。
お金について、次第に「節約よりも稼ぐ」ほうが良いと考えるように。その結果、「手取り97万円」もきれいさっぱり使い切る暮らしになってしまったのです。
家計状況を見ると、それがよくわかりました。
■月54万円以上の固定費、ローン残債の合計は6500万円もあった
3人暮らしで食費が月10万円を超え(10万9000円)、水道光熱費も3万円を超えています(3万1000円)。被服費(3万7000円)、娯楽費(2万6000円)も多めです。全体にこれら変動費が多いのですが、削減しにくい固定費は、この変動費以上にかかっています。
Fさんは以前、事業を拡大する時に父に借りた500万円の返済(毎月7万円)や、事業のやりくりに困って利用した数社のカードローン総額200万円の返済(毎月5万円)がまだまだ続くうえに、自宅兼事業所の住宅ローン(管理費を含め30万円)が残り17年もあります。ローンの残債はあわせて約6500万円にもなります。
ざっと計算すると、固定費だけで54万円を超えているのです。しかも、大学生の長男の所属するサークル費も親が負担し、小遣いも渡しています(計月4万円)。3台あるスマートフォンは格安にしているといいますが、使い方と金額から見ると中途半端な契約のようです(1万9000円)。いずれも毎月の収支が黒字になっているから、「まあ、いいか」ということなのでしょう。
収支上は毎月15万円以上の黒字になっています。年間130万円以上貯められるはずですが、これがほとんど「年間の特別支出」に消えてしまっていました。例えば、固定資産税や長男の学費、帰省を含めた旅行、スーツの買い替えなどです。ほぼ貯金を食いつぶして暮らしている状況でした。お金の使い方としては無計画としか言いようがなく、毎月の収入でその場しのぎに支払っているという状況です。
■住宅ローンは残り17年、75歳まで続くが「ずっと働けるから大丈夫」
心配なのは、このまま老後生活に入ってしまったら、どうなるかということです。
あと7年、65歳まで働くと考えると、もらえる年金は夫婦で計約22万2000円になります。50代以上の方は、ねんきん定期便を見ると、おおよその金額がすぐわかります。この額は、今の収入の4分の1。しかも、住宅ローンが75歳まで残っているのです。
ということは、2年後、長男が大学卒業し、独立すれば支出は減るでしょうが、リタイア後はざっと計算すると毎月40万円を超える補塡(ほてん)が必要となってしまうのです。今すぐ生活費を下げ、貯金をしっかり作らないと、あっという間に老後破綻です。
このような緊急事態でありながら、Fさんは「生きているうちは働ける」という思いがあり、具体的にどう支出を下げるか、考えられないようです。
確かに会社を経営していると、いつまでも働き、収入を得られると思いがちですし、実際かなりの年齢まで収入を得られる人もいらっしゃいます。
ただ、それは結果論であり、Fさんもそのようにできるかといえば、その保証はありません。働けなくなった時、収入を得られなくなった時を想定し、しっかり備えておかなければならないのです。そしてその備えができるのは、収入がある時だけなのです。
客観的に不安に思う点を伝えすると、それに同意し、家計の削減に取りかかることとなりました。
■大学生の長男にかかるサークル費も親が肩代わりする「大甘浪費」
まず食費は外食が多かったので、自宅での食事を心がけるようにしました(約11万円→6万7000円)。
いまだ感染拡大が続くコロナの問題は、今後も長引きそうです。そのため、外食よりは中食、自炊で楽しむ方法を見つけたほうが、安全安心で充実したものにもなります。
また、水道光熱費はその使い方を見直し(3万1000円→2万7000円)、通信費はすでに格安スマホに変更していたので、その契約内容を使い方と照らし合わせて変更しました(1万9000円→1万1000円)。
被服費、娯楽費など「贅沢支出」といえる部分は全部カットするのではなく、楽しみを残しつつも削減するようにして、頻度や優先度を見ていきました(順に、3万7000円→2万1000円、2万6000円→8000円)。
大学生の長男にかかるサークル費やこづかいは、アルバイトをしていることを踏まえ、また、今後の自立にもつながるよう、話し合いの上、大部分を自己負担することにしました(4万円→2万円)。長男も両親の老後資金がないと、自分が面倒を見なくてはいけなくなることを理解し、不安に感じたようで、同意してくれました。
■年間300万円以上貯金できる家計に
以上のようなコストカットを断行した結果、最終的に支出は月12万円も圧縮することができ、月の黒字額は計27万円とすることができた。これをしっかり貯金に回していくことにしました。安定して貯金ができるようになったら、一部をつみたてNISAなどでリスク(不確実性)の少ない投資信託で運用し、複利で増やしていくことを期待することにしています。
数字上は年間で300万円以上貯金ができる計算です。2年後に、長男の学費が終われば、その分も蓄えていけますから、かなりのスピードで最低限度の老後資金を作っていける見込みです。あとは、生活費をかけないようにし、年金受給額(月22万円)に近い金額で生活できるようになる訓練もしておかなくてはならないでしょう。
Fさんの世帯に限らず、収入がある人は、つい油断して、蓄えを持たないという傾向があります。なんとかなるさ、と思っている場合もありますし、自然と支出が上がり、貯めたくても貯められないという場合もあります。
どちらにしても貯められないというのは、もったいないことです。それまでは豊かに暮らせていても、仕事を辞めて年金受給者になった途端に貧しい暮らしに転じる場合もあるのです。
お金が足りないというのなら収入を上げる。
そう考えてばかりいると、いくらお金があっても足りない、という事態が起きます。収入を上げることも大事ですが、その分を蓄えるということも大事です。いつまでもバリバリと稼げるわけではありません。自分の人生がどのように進んでいくのか、現在の収入、支出、ローンなどを総合的に考え、見据えて準備していくことが大切なのではないでしょうか。
■【メタボ家計 BEFORE→AFTER コストカット額ランキング】
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1位 -4万2000円 食費
外食を減らし、食品ロスを出さないように1週間単位で買い物をした
2位 -2万円 小遣い
長男のこづかいを半減した(アルバイトしているため)
3位 -1万8000円 娯楽費
長男のゴルフの費用(サークル)を負担していたため、それをやめた
4位 -1万6000円 被服費
衝動買いをしないように、欲しいものは2~3日考えて購入
5位 -1万4000円 その他
美容室、化粧品、定期購読などを見直した
6位 -8000円 通信費
格安スマホを利用していたが、改めて契約プランを見直した
7位 -4000円 水道光熱費
必要のないときは止める、消すに気をつけ、できるだけ無駄を出さないことを徹底
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ぶるーハワイ | 5日前
実話だと仮定して、この状況では収入が激減した1年後には自己破産。
何をどう節約しても、58歳で財債務6500万円・貯金なしで解決不能。
まあ、いつものことながら、記事内容がお粗末で、事業が軌道に乗る
前の収入事情ではこのローンが組めないでしょう。
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bsu***** |3日前
酔っぱらいみたいな記事が散見されても、変な意図で活動してなきゃマシに思えるから困る
ずさんな取材で適当な記事を書いてると思ったら突然キリッと真剣なトーンで、ポリティカルコレクトネス系の活動家みたいな歪んだ記事を出してくる、そういう何かの工作部隊みたいなネットメディアも増えてるからね
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ka******h** |5日前
実話にしても創作にしても庶民をターゲットにした現実味のある記事のほうが有益だよな
廃刊してしまえ
少なくともネットに載せる必要はない
YAHOOは金もらってるのか
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暇人 |4日前
>何をどう節約しても、58歳で財債務6500万円・貯金なしで解決不能。
会社経営だよ?
月額100万近く手取がある役員(しかも創業者)なら退職時に二人で1億とかも普通にある。
この人の相談の場合、会社の状況みなきゃ何もわからないよ。
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yas***** |5日前
実話かもしれないけど、庶民には現実味がない記事ばかり。
なんの参考にもなりゃしない。
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mak***** |4日前
「廃刊してしまえ」には激しく同意。
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oki***** | 5日前
自分は30代と40代の夫婦ですが、将来は心配だし、私達の世代は年金もどうなるかわからず不安も多いので、これだけ脳天気には生きていけないけど、この相談者は「今」を楽しく暮らせているんだろうね。
お金はあの世には持っていけないし、こういう生き方もありかもね。
残された家族は苦労するだろうけど。
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ttk***** | 5日前
住宅ローンや銀行ローンは
行き詰まっても命までは取られることないし、
なんとでもやり方あるよ!
って得意先の個人商店の社長さんが言ってた。
フリーや自営業、中小の社長なんかは、
サラリーマンと違ってホントにメンタル強い
人が多いと思う。
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sec***** | 5日前
57歳で大病に罹患した身からすると、正直なところ羨ましい。
いつまでも健康で頑張って欲しい。この人の強みはたぶん奥さんでしょうね。
同じ仕事ができて、高収入を得られる。二人同時に病気で倒れる可能性は一人より低いし。
経営者なら、借金があって当たり前の部分もあるし、それが、仕事に対する原動力にもなる。自分のようなサラリーマンとは違います。
同年代としては、いつまでも現役でがんばって仕事を続けていただきたい。
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dak***** | 5日前
心配風に煽ってるけど、その年齢でローンが通ってるわけなのです。住宅ローンは返せそうにない人には貸しませんよ??変な話ですが、おそらく得られるであろう遺産、保険やその他も全て計算してローンの審査してます。現金の貯金は少なくても、それらを相当お持ちなのでは??
あと大学生の息子もそのうち働くでしょ。
こんな勝ち組を心配することはない。
いや、実際ライターは全く心配してないでしょ。
中間層の倹約へのストレス緩和の記事と見ました。現実とズレていても読んでスカッとすればそれでよし。
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時々死にたくなる | 5日前
美大出身なので、自宅でお仕事してる友人がほとんどです。
私も40歳で会社員を辞め、しばらく失業給付を貰ってまったりとしてました。
新卒から就職を選択せず、自営業の友人も数人います。
多くは会社員を経験して、30代で脱サラ組。
我が家もですが、配偶者は正社員の夫婦が多いですよ。
お金にはシビア。
コロナの話題は、かなり早い時期から。LINEや Skypeの雑談でも世界情勢のニュースが話題になります。
ここまで能天気なのは世代の違いなのでしょうか?
自宅から通う大学生なら、お小遣いは月2万。足りない分は家庭教師のアルバイトでもしたほうが良さそう。
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tongpoo-no9 | 4日前
経営者なので人一倍税金対策に気をつけているはず。さらに法人のほうに留保している金もあるはずなので、役員の退職金などで生活は賄えるのでは?
子どもに会社を継がせることもできれば、さらに安泰だろうし。
手に職がないサラリーマンと経営者を比較するのは変です(作り話にしても)。
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bus***** | 5日前
30代の自分ですら万が一に備えて老後を含めた生活資金の計算をしてるのに…でも確かにこの世代の人はバブルのせいかあるだけ使う、将来の事はその時考えればいいさ〜って人が多い印象。
働けなくなった時の事や老後・終活なんかは早め早めに考えておいて、節目節目で見直すと問題が起こりにくいと思うんだけどなぁ。
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eur***** | 4日前
過去に苦労した分、事業が上手くいっているときにお金を使ってしまうバブル世代でしょうか。
珍しく車がありませんが、社有車で経費計上しているのかなと思います。外食も会議費等の計上をしていないはずがないので、実際はこの話以上に贅沢しているかなと思います。
個人事業主は身体が資本なので、働けなくなったときが一番怖いです。沢山の競合がある業種でこれだけの売り上げと収入があるのでそれなりにお金を使っているのも分かります。時には羽振りの良さが相手へ安心を与えたり、自分の知らない事を教えてもらえたりとサラリーマンには無い世界があることがあり、雑談好きにとっては面白いです。
住宅ローンは与信がザルなので自動的に貸してもらえますが、事業資金になるとものすごく厳しくなるのは、親やカードローンから借りているのが証。
それよりいつも思うのですが、FPに相談しないと分からない金銭感覚が理解出来ません。
emp***** | 5日前
自営ならいいんじゃね。赤字が続けば自己破産するだけ。また、同じような会社つくればいいし、七転八起。7回自己破産しても、8社目が軌道に乗れば成功者。
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暇じじい | 5日前
住宅ローンのはずが家賃になってる。
仮に、ローンと管理費が30万だとして、修繕積立金は?
ローンの支払いは月25万以下だろう。
そうすると17年では支払総額5000万ちょっと。
元金は多く見積もっても4500万ぐらいか?
カードローンやその他の借り入れもあるようだが、どうにも数字が合わない。
下手な作り話だ。
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shu***** | 4日前
夫婦の浪費は自分たちの稼ぎだから外食でもなんでも自由にすればいいけどさ。
息子、22歳にもなってバイトもしてるのにサークル費と小遣いまでもらうのは甘え過ぎでしょ。
両方ともバイト代で賄えるだろうに。
というか、自分で費用が払えないようなサークルに入らなければいいんだし。
専門学校後の大学進学っていう学費に食費も面倒見てもらってるんだから。
経営者だから定年はないんだろうけど、いつ病気や事故に合うかわからないのに、60歳近くになるまで夫婦そろって暢気だわ。
そういう心配しなくて良かったなんて、これまで順風満帆な人生だったんだろうね。
夫婦一緒に働いてるからどちらかに何かあっても会社の経営が順調なら経済的には何とかなるのかな。
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ing | 4日前
会社組織にして、自宅兼事務所であれば、なぜ建物を会社所有にしないのでしょう?
会社に現物出資で、減価償却し、法人税節税し、オーナーは給与と資本金配当、役員賞与をうけ、その中で自宅部分の賃借料を会社に支払う。
会社が倒産すれば追い出されますが、それまででしょう。
何だか記事の物語の設定がうそくさい。
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ILM***** | 4日前
借りられる信用力が
あるということなので
収支がマイナスにならなければ
今のままで十分良いのでは
ないでしょうか。
心配しても
どうにもならない未来について
考える必要はありません。
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tos***** | 1日前
気になるのはカードローンの利率、そのまま返すのでなく整理して金利に安いものにすべき。
あと保険、とにかく入る人がいる。
月4万もあるけど、本当に必要か?精査すべき。
お子さんも2年で社会人なら生命保険も考えられるし、医療保険はいらないだろう、せいぜい共済で十分。
住宅ローンも見直せるのではないか?
その辺を書いてないので本当にこの人大丈夫?と思いました。
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mej | 5日前
いつ病気になるか分からないのによく言えたもんだね。支出を減らしてから収入を増やした方が良いし、投資もカモにされそうな気がするからまずはプレジデントといった簡単に削ぎ落とせる無駄遣いから落としていったらもっとローン返済・貯蓄が捗る。
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biw***** | 5日前
でも芸術系とか芸能系って、私生活の羽振りのよさ(エネルギー値の高さ)が仕事の質にかかわってきたり、次の仕事につながることもあるし、難しいところだよね。
公務員とか堅い会社員だと、見栄や人生の豊かさに金つぎ込まなくても、全く仕事に支障ないんだけど。
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kar***** | 4日前
1ページ目で読むのやめた。ウェブ制作で個人で97万円っていうのがそもそも嘘くさいし、仮に本当だとしても15年後もそんなビジネスで飯を食っていけているとは到底思えない。web制作がお金になるのは良くて後2,3年。結果が見えているので読むのやめた。FPによる分析など不要だし、web制作事業の将来などFPの専門でもない。
返信0
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uni***** | 2日前
人間は事故や病気、疫病、自然災害などから逃れられずに、死ぬときは死ぬし財産を失うときには全てを失うこともある。
だったら、死ぬまで働ければ大丈夫、と言う覚悟さえあればいいんじゃないか。
あまり心配しすぎずに人の役にたつよう、自分の好きなことをやったらいいんじゃないの。
8/28(金) 9:16配信
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プレジデントオンライン
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Wavebreakmedia
妻と大学生の長男と同居しながら、自宅兼事務所でWEB制作・デザインの仕事をしている男性(58歳)は貯金が80万円しかない。世帯月収は手取り97万円だが、17年後の75歳まで支払いの続くローン残債が計6500万円ある。本当に働き続けられるのか。相談に応じたファイナンシャルプランナーが出した結論とは――。
【図表】メタボ家計BEFORE→AFTER
■手取り世帯月収97万円がたちまち「蒸発」してしまう58歳の生活
「老後資金がかなり少なくなってしまったんですけど、自分、長く働くつもりなので、大丈夫ですよね? 」
ご夫婦でWEB制作・デザインの会社を経営しているFさん(58)。会社は順調で、同い年の妻と二人合わせ、毎月手取り97万円ほどの収入を得ています。しかし、驚くべきことに貯金はほぼありません。一般的に「貯金がないんです」というご相談の場合でも、実際は200万~300万円は持っているケースが多いのですが、本当に100万円もないのです(80万円)。バブル世代の方らしいといえば、らしいのですが……。
聞けば、今まであまり貯金ということを意識したことがなく、「使う分だけ稼げばいいじゃん」と思ってきたそうです。企業に雇われているわけではないので、仕事は60歳以降も長く続けられる。だから生活は大丈夫だろうと思っていたそうですが、「やがて退職した時のことを考えると、急に不安になったんだよね」(Fさん)とのことです。
子供は2人います。長女(28)は就職して独立、長男(22)は専門学校から大学に入り直し、現在大学2年生です。長男は同居で、学費のほか、生活費、こづかいなどの面倒をみています。
■業績好調で収入アップ、「節約よりも稼ぐ」ほうがよい
会社を設立したのは、今から10年前。それ以前は個人事業者で売上額は微々たるもの。収入から国民健康保険料、国民年金保険料を支払っていたこともあり、ほぼゆとりのない家計でした。
ところが、幸いにもその後、徐々に売り上げが伸び、10年前に個人事業から法人になり、社会保険適応事業所となりました。手取り額も増え、生活費にゆとりができたそうです。そして自宅兼事業所を建て、2人の従業員も雇い、現在のような状況になりました。
成長を果たしたこの10年間を質素に暮らしていれば、貯金が増えたのは確実です。しかし、収入が増えたことで、生活費もそれに比例して増えてしまいました。
お金について、次第に「節約よりも稼ぐ」ほうが良いと考えるように。その結果、「手取り97万円」もきれいさっぱり使い切る暮らしになってしまったのです。
家計状況を見ると、それがよくわかりました。
■月54万円以上の固定費、ローン残債の合計は6500万円もあった
3人暮らしで食費が月10万円を超え(10万9000円)、水道光熱費も3万円を超えています(3万1000円)。被服費(3万7000円)、娯楽費(2万6000円)も多めです。全体にこれら変動費が多いのですが、削減しにくい固定費は、この変動費以上にかかっています。
Fさんは以前、事業を拡大する時に父に借りた500万円の返済(毎月7万円)や、事業のやりくりに困って利用した数社のカードローン総額200万円の返済(毎月5万円)がまだまだ続くうえに、自宅兼事業所の住宅ローン(管理費を含め30万円)が残り17年もあります。ローンの残債はあわせて約6500万円にもなります。
ざっと計算すると、固定費だけで54万円を超えているのです。しかも、大学生の長男の所属するサークル費も親が負担し、小遣いも渡しています(計月4万円)。3台あるスマートフォンは格安にしているといいますが、使い方と金額から見ると中途半端な契約のようです(1万9000円)。いずれも毎月の収支が黒字になっているから、「まあ、いいか」ということなのでしょう。
収支上は毎月15万円以上の黒字になっています。年間130万円以上貯められるはずですが、これがほとんど「年間の特別支出」に消えてしまっていました。例えば、固定資産税や長男の学費、帰省を含めた旅行、スーツの買い替えなどです。ほぼ貯金を食いつぶして暮らしている状況でした。お金の使い方としては無計画としか言いようがなく、毎月の収入でその場しのぎに支払っているという状況です。
■住宅ローンは残り17年、75歳まで続くが「ずっと働けるから大丈夫」
心配なのは、このまま老後生活に入ってしまったら、どうなるかということです。
あと7年、65歳まで働くと考えると、もらえる年金は夫婦で計約22万2000円になります。50代以上の方は、ねんきん定期便を見ると、おおよその金額がすぐわかります。この額は、今の収入の4分の1。しかも、住宅ローンが75歳まで残っているのです。
ということは、2年後、長男が大学卒業し、独立すれば支出は減るでしょうが、リタイア後はざっと計算すると毎月40万円を超える補塡(ほてん)が必要となってしまうのです。今すぐ生活費を下げ、貯金をしっかり作らないと、あっという間に老後破綻です。
このような緊急事態でありながら、Fさんは「生きているうちは働ける」という思いがあり、具体的にどう支出を下げるか、考えられないようです。
確かに会社を経営していると、いつまでも働き、収入を得られると思いがちですし、実際かなりの年齢まで収入を得られる人もいらっしゃいます。
ただ、それは結果論であり、Fさんもそのようにできるかといえば、その保証はありません。働けなくなった時、収入を得られなくなった時を想定し、しっかり備えておかなければならないのです。そしてその備えができるのは、収入がある時だけなのです。
客観的に不安に思う点を伝えすると、それに同意し、家計の削減に取りかかることとなりました。
■大学生の長男にかかるサークル費も親が肩代わりする「大甘浪費」
まず食費は外食が多かったので、自宅での食事を心がけるようにしました(約11万円→6万7000円)。
いまだ感染拡大が続くコロナの問題は、今後も長引きそうです。そのため、外食よりは中食、自炊で楽しむ方法を見つけたほうが、安全安心で充実したものにもなります。
また、水道光熱費はその使い方を見直し(3万1000円→2万7000円)、通信費はすでに格安スマホに変更していたので、その契約内容を使い方と照らし合わせて変更しました(1万9000円→1万1000円)。
被服費、娯楽費など「贅沢支出」といえる部分は全部カットするのではなく、楽しみを残しつつも削減するようにして、頻度や優先度を見ていきました(順に、3万7000円→2万1000円、2万6000円→8000円)。
大学生の長男にかかるサークル費やこづかいは、アルバイトをしていることを踏まえ、また、今後の自立にもつながるよう、話し合いの上、大部分を自己負担することにしました(4万円→2万円)。長男も両親の老後資金がないと、自分が面倒を見なくてはいけなくなることを理解し、不安に感じたようで、同意してくれました。
■年間300万円以上貯金できる家計に
以上のようなコストカットを断行した結果、最終的に支出は月12万円も圧縮することができ、月の黒字額は計27万円とすることができた。これをしっかり貯金に回していくことにしました。安定して貯金ができるようになったら、一部をつみたてNISAなどでリスク(不確実性)の少ない投資信託で運用し、複利で増やしていくことを期待することにしています。
数字上は年間で300万円以上貯金ができる計算です。2年後に、長男の学費が終われば、その分も蓄えていけますから、かなりのスピードで最低限度の老後資金を作っていける見込みです。あとは、生活費をかけないようにし、年金受給額(月22万円)に近い金額で生活できるようになる訓練もしておかなくてはならないでしょう。
Fさんの世帯に限らず、収入がある人は、つい油断して、蓄えを持たないという傾向があります。なんとかなるさ、と思っている場合もありますし、自然と支出が上がり、貯めたくても貯められないという場合もあります。
どちらにしても貯められないというのは、もったいないことです。それまでは豊かに暮らせていても、仕事を辞めて年金受給者になった途端に貧しい暮らしに転じる場合もあるのです。
お金が足りないというのなら収入を上げる。
そう考えてばかりいると、いくらお金があっても足りない、という事態が起きます。収入を上げることも大事ですが、その分を蓄えるということも大事です。いつまでもバリバリと稼げるわけではありません。自分の人生がどのように進んでいくのか、現在の収入、支出、ローンなどを総合的に考え、見据えて準備していくことが大切なのではないでしょうか。
■【メタボ家計 BEFORE→AFTER コストカット額ランキング】
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1位 -4万2000円 食費
外食を減らし、食品ロスを出さないように1週間単位で買い物をした
2位 -2万円 小遣い
長男のこづかいを半減した(アルバイトしているため)
3位 -1万8000円 娯楽費
長男のゴルフの費用(サークル)を負担していたため、それをやめた
4位 -1万6000円 被服費
衝動買いをしないように、欲しいものは2~3日考えて購入
5位 -1万4000円 その他
美容室、化粧品、定期購読などを見直した
6位 -8000円 通信費
格安スマホを利用していたが、改めて契約プランを見直した
7位 -4000円 水道光熱費
必要のないときは止める、消すに気をつけ、できるだけ無駄を出さないことを徹底
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ぶるーハワイ | 5日前
実話だと仮定して、この状況では収入が激減した1年後には自己破産。
何をどう節約しても、58歳で財債務6500万円・貯金なしで解決不能。
まあ、いつものことながら、記事内容がお粗末で、事業が軌道に乗る
前の収入事情ではこのローンが組めないでしょう。
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bsu***** |3日前
酔っぱらいみたいな記事が散見されても、変な意図で活動してなきゃマシに思えるから困る
ずさんな取材で適当な記事を書いてると思ったら突然キリッと真剣なトーンで、ポリティカルコレクトネス系の活動家みたいな歪んだ記事を出してくる、そういう何かの工作部隊みたいなネットメディアも増えてるからね
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ka******h** |5日前
実話にしても創作にしても庶民をターゲットにした現実味のある記事のほうが有益だよな
廃刊してしまえ
少なくともネットに載せる必要はない
YAHOOは金もらってるのか
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>何をどう節約しても、58歳で財債務6500万円・貯金なしで解決不能。
会社経営だよ?
月額100万近く手取がある役員(しかも創業者)なら退職時に二人で1億とかも普通にある。
この人の相談の場合、会社の状況みなきゃ何もわからないよ。
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yas***** |5日前
実話かもしれないけど、庶民には現実味がない記事ばかり。
なんの参考にもなりゃしない。
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mak***** |4日前
「廃刊してしまえ」には激しく同意。
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oki***** | 5日前
自分は30代と40代の夫婦ですが、将来は心配だし、私達の世代は年金もどうなるかわからず不安も多いので、これだけ脳天気には生きていけないけど、この相談者は「今」を楽しく暮らせているんだろうね。
お金はあの世には持っていけないし、こういう生き方もありかもね。
残された家族は苦労するだろうけど。
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ttk***** | 5日前
住宅ローンや銀行ローンは
行き詰まっても命までは取られることないし、
なんとでもやり方あるよ!
って得意先の個人商店の社長さんが言ってた。
フリーや自営業、中小の社長なんかは、
サラリーマンと違ってホントにメンタル強い
人が多いと思う。
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sec***** | 5日前
57歳で大病に罹患した身からすると、正直なところ羨ましい。
いつまでも健康で頑張って欲しい。この人の強みはたぶん奥さんでしょうね。
同じ仕事ができて、高収入を得られる。二人同時に病気で倒れる可能性は一人より低いし。
経営者なら、借金があって当たり前の部分もあるし、それが、仕事に対する原動力にもなる。自分のようなサラリーマンとは違います。
同年代としては、いつまでも現役でがんばって仕事を続けていただきたい。
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dak***** | 5日前
心配風に煽ってるけど、その年齢でローンが通ってるわけなのです。住宅ローンは返せそうにない人には貸しませんよ??変な話ですが、おそらく得られるであろう遺産、保険やその他も全て計算してローンの審査してます。現金の貯金は少なくても、それらを相当お持ちなのでは??
あと大学生の息子もそのうち働くでしょ。
こんな勝ち組を心配することはない。
いや、実際ライターは全く心配してないでしょ。
中間層の倹約へのストレス緩和の記事と見ました。現実とズレていても読んでスカッとすればそれでよし。
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時々死にたくなる | 5日前
美大出身なので、自宅でお仕事してる友人がほとんどです。
私も40歳で会社員を辞め、しばらく失業給付を貰ってまったりとしてました。
新卒から就職を選択せず、自営業の友人も数人います。
多くは会社員を経験して、30代で脱サラ組。
我が家もですが、配偶者は正社員の夫婦が多いですよ。
お金にはシビア。
コロナの話題は、かなり早い時期から。LINEや Skypeの雑談でも世界情勢のニュースが話題になります。
ここまで能天気なのは世代の違いなのでしょうか?
自宅から通う大学生なら、お小遣いは月2万。足りない分は家庭教師のアルバイトでもしたほうが良さそう。
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tongpoo-no9 | 4日前
経営者なので人一倍税金対策に気をつけているはず。さらに法人のほうに留保している金もあるはずなので、役員の退職金などで生活は賄えるのでは?
子どもに会社を継がせることもできれば、さらに安泰だろうし。
手に職がないサラリーマンと経営者を比較するのは変です(作り話にしても)。
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bus***** | 5日前
30代の自分ですら万が一に備えて老後を含めた生活資金の計算をしてるのに…でも確かにこの世代の人はバブルのせいかあるだけ使う、将来の事はその時考えればいいさ〜って人が多い印象。
働けなくなった時の事や老後・終活なんかは早め早めに考えておいて、節目節目で見直すと問題が起こりにくいと思うんだけどなぁ。
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eur***** | 4日前
過去に苦労した分、事業が上手くいっているときにお金を使ってしまうバブル世代でしょうか。
珍しく車がありませんが、社有車で経費計上しているのかなと思います。外食も会議費等の計上をしていないはずがないので、実際はこの話以上に贅沢しているかなと思います。
個人事業主は身体が資本なので、働けなくなったときが一番怖いです。沢山の競合がある業種でこれだけの売り上げと収入があるのでそれなりにお金を使っているのも分かります。時には羽振りの良さが相手へ安心を与えたり、自分の知らない事を教えてもらえたりとサラリーマンには無い世界があることがあり、雑談好きにとっては面白いです。
住宅ローンは与信がザルなので自動的に貸してもらえますが、事業資金になるとものすごく厳しくなるのは、親やカードローンから借りているのが証。
それよりいつも思うのですが、FPに相談しないと分からない金銭感覚が理解出来ません。
emp***** | 5日前
自営ならいいんじゃね。赤字が続けば自己破産するだけ。また、同じような会社つくればいいし、七転八起。7回自己破産しても、8社目が軌道に乗れば成功者。
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暇じじい | 5日前
住宅ローンのはずが家賃になってる。
仮に、ローンと管理費が30万だとして、修繕積立金は?
ローンの支払いは月25万以下だろう。
そうすると17年では支払総額5000万ちょっと。
元金は多く見積もっても4500万ぐらいか?
カードローンやその他の借り入れもあるようだが、どうにも数字が合わない。
下手な作り話だ。
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shu***** | 4日前
夫婦の浪費は自分たちの稼ぎだから外食でもなんでも自由にすればいいけどさ。
息子、22歳にもなってバイトもしてるのにサークル費と小遣いまでもらうのは甘え過ぎでしょ。
両方ともバイト代で賄えるだろうに。
というか、自分で費用が払えないようなサークルに入らなければいいんだし。
専門学校後の大学進学っていう学費に食費も面倒見てもらってるんだから。
経営者だから定年はないんだろうけど、いつ病気や事故に合うかわからないのに、60歳近くになるまで夫婦そろって暢気だわ。
そういう心配しなくて良かったなんて、これまで順風満帆な人生だったんだろうね。
夫婦一緒に働いてるからどちらかに何かあっても会社の経営が順調なら経済的には何とかなるのかな。
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ing | 4日前
会社組織にして、自宅兼事務所であれば、なぜ建物を会社所有にしないのでしょう?
会社に現物出資で、減価償却し、法人税節税し、オーナーは給与と資本金配当、役員賞与をうけ、その中で自宅部分の賃借料を会社に支払う。
会社が倒産すれば追い出されますが、それまででしょう。
何だか記事の物語の設定がうそくさい。
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ILM***** | 4日前
借りられる信用力が
あるということなので
収支がマイナスにならなければ
今のままで十分良いのでは
ないでしょうか。
心配しても
どうにもならない未来について
考える必要はありません。
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tos***** | 1日前
気になるのはカードローンの利率、そのまま返すのでなく整理して金利に安いものにすべき。
あと保険、とにかく入る人がいる。
月4万もあるけど、本当に必要か?精査すべき。
お子さんも2年で社会人なら生命保険も考えられるし、医療保険はいらないだろう、せいぜい共済で十分。
住宅ローンも見直せるのではないか?
その辺を書いてないので本当にこの人大丈夫?と思いました。
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mej | 5日前
いつ病気になるか分からないのによく言えたもんだね。支出を減らしてから収入を増やした方が良いし、投資もカモにされそうな気がするからまずはプレジデントといった簡単に削ぎ落とせる無駄遣いから落としていったらもっとローン返済・貯蓄が捗る。
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biw***** | 5日前
でも芸術系とか芸能系って、私生活の羽振りのよさ(エネルギー値の高さ)が仕事の質にかかわってきたり、次の仕事につながることもあるし、難しいところだよね。
公務員とか堅い会社員だと、見栄や人生の豊かさに金つぎ込まなくても、全く仕事に支障ないんだけど。
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kar***** | 4日前
1ページ目で読むのやめた。ウェブ制作で個人で97万円っていうのがそもそも嘘くさいし、仮に本当だとしても15年後もそんなビジネスで飯を食っていけているとは到底思えない。web制作がお金になるのは良くて後2,3年。結果が見えているので読むのやめた。FPによる分析など不要だし、web制作事業の将来などFPの専門でもない。
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uni***** | 2日前
人間は事故や病気、疫病、自然災害などから逃れられずに、死ぬときは死ぬし財産を失うときには全てを失うこともある。
だったら、死ぬまで働ければ大丈夫、と言う覚悟さえあればいいんじゃないか。
あまり心配しすぎずに人の役にたつよう、自分の好きなことをやったらいいんじゃないの。