史実の坂本龍馬は「天才」とは言えない。
平成27年8月31日にテレビ朝日系で放送された『ぶっちゃけ寺&Qさま!!合体3時間SP 新学期!現役東大生・京大生が選んだ天才だと思う偉人ランキング ベスト30から全問出題!アナウンサー・キャスターvsインテリ芸人SP』(ゼネラルプロデューサー樋口圭介)の録画を途中まで観て放っておいたのだが、今日最後まで観た。
第7位に坂本龍馬が登場し失笑した。“龍馬が薩長の和解連携を発案し、彼が仲介して両者を説得し手を結ばせた”とか“龍馬が大政奉還を発明し、彼の奔走によって実現した”とかいうような架空のウソ話「龍馬伝説」をテレビ・小説・萬画などでさんざん吹き込まれているのだから、それは、東大生・京大生でも騙されるだろう。
どうせまた、そういう架空のウソ話「龍馬伝説」が紹介されるのだろうと思って観ていたら、今回は少し事情が違った。「龍馬に関する問題」ということで5・6問出題されたが、何故か、龍馬本人がどんな「業績」を遺したのかという説明が殆ど無かったのだ。他の「天才だと思う偉人」は殆どその業績が紹介されているにも関わらずだ。(所謂「亀山社中」について「坂本龍馬が中心となって結成 日本最初の商社と言われている」というウソの内容のテロップが出ただけである。所謂「亀山社中」は薩摩藩家老小松帯刀により「結成」されたものだ。「結成」当時龍馬は長崎に居ない。また所謂「亀山社中」は薩摩藩お雇いの海運担当臨時職員の集団に過ぎず「商社」と呼べる実態はない。そういう説を唱えた当人が後に自説を撤回している。「亀山社中」という名称も明治以降に創作されたものだ。)
第7位という比較的上位でありながらその「業績」をろくに紹介しないというのは、かなり不自然で明らかに作為的である。何故なのだろう。
ゼネラルプロデューサー樋口圭介氏は、坂本龍馬に関してよく知られている「業績」が殆ど全部ウソであるということを知っているのだろう。それで、アンケート結果に従って龍馬の名前を出し申し訳程度に架空のウソ話龍馬伝説「亀山社中設立伝説」「亀山社中日本初商社伝説」は出したものの、龍馬の「業績」についてそれ以上踏み込んで言及することを避けたのかもしれない。
龍馬本人の「業績」に殆ど触れないにも関わらず「龍馬に関する問題」が数多く出題されたのは、実在の坂本龍馬とは全く異なる“架空の幕末スーパーアイドル坂本龍馬”を金儲けのネタにしていて龍馬の“商品価値”が低下すれば死活問題になる「悪質龍馬業者」連中から、ゼネラルプロデューサー樋口圭介氏に対し何らかの圧力がかかったからではないのか?そんな下種の勘繰りをしてしまう。
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