メガリス

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『お~い!竜馬』の猛烈ファンタジーに失笑と疲労

2012年04月10日 03時09分00秒 | 幕末維新

 武田鉄矢氏原作の萬画『お~い!竜馬』を読んだ。予想していた通り司馬遼太郎の空想歴史小説『竜馬がゆく』の武田流焼き直しである。

 定番のウソ話「龍馬伝説」、つまり、”竜馬は勝海舟の海軍塾の塾頭だった”、”竜馬が薩長提携を発案し、彼が仲介して薩長の手を結ばせた”、”竜馬が大政奉還を発明し、彼の奔走により実現した”、”竜馬が作った新政府案には竜馬自身の名前は無く、理由を尋ねた西郷に「わしは世界の海援隊をやりたい」と語った”等に加えて、竜馬が上海に渡ったとか徳川家茂と話したとか独自の創作が山のように盛り込まれていて、NHK『龍馬伝』並みのスーパー歴史ファンタジーだ。失笑の連続で疲れ果てた。

 実在の坂本龍馬からかけ離れた虚像の坂本龍馬像を金儲けのネタにしている人間を私は「悪質龍馬業者」と呼んでいる。武田鉄矢氏はその代表格であると以前から考えてはいたが、今回『お~い!竜馬』を読んでその根拠をちゃんと説明できるようになった。それだけが収穫だ。


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