楽学天真のWrap Up


一語一句・一期一会
知的遺産のピラミッド作り

原点にかえんなさい

2006-07-12 23:20:29 | 時評
いま、会議でワシントンD.C.にいる。泊まっているのはwatergate hotel.このホテルはかつて大統領であったニクソンが、辞職に追い込まれることとなったあの悪名高い「ウオーターゲイト事件」の舞台であった。しかし、なにか見かけ倒しである。値段はべらぼうである。
<この料金でこの程度?西海岸ならヒルトンだぞ>
とにかく疲れたので部屋へいって、横になりたい。
<よしよし、インターネットのケーブルは来ている>
と、飛行機が飛んでいる間に飛び交っているであろうメイルを処理しようとおもった。
北朝鮮の国連安保理での制裁決議の行方も気になるし。
しかし、つながらない
変だ変だと思い、一緒に来た人に聞くと、それはサファリだからだめだという。
では他では、と試してもだめ。
そこで、フロントに聞くと、そこの部屋は今、つながらないのだという。

<なに!ウオーターゲート事件って、世紀の大盗聴事件だろう!?
ここのホテルってどうなってんだ?>
と、ちょっと腹が立つ。

でも、アメリカのホテルではサービスの悪さと文句を言った時の対応の悪さ、を幾度も経験しているので、立腹に抑制がかかる。
<あ~あ。またかよ。若い時はどやしつけて、部屋を変えろ!といってケンカしたもんだな。
そういえば、掃除した後であるはずなのに、従業員の男女が密かに使い、とんでもない状態の部屋にチックインさせられた時もあったな。ベットの下にいやがらせにガラスの破片をばらまいていたところもあったな。それに比べればまだましか、でもそれって安ホテルの場合だよな?ここは4つ☆、きちんと抗議しよう>と思う。

そこで感情を入れず静かに抗議することにしよう、と決める。
「ここって☆☆☆☆だって、ガイドブックで。それってお金でなくてサービスだよね。たかが$10いらないから、っていいわけになっていると思う?速攻で直すのが4つ☆サービス。このままだと評判落ちるよ。ネットで」とメモを書いて証拠を残すことにした。

さて、そこで気分を取り直して時差ぼけ解消のために、少々散歩。会議は明日から。
さて、一歩でると、銅像がある。この手の銅像は好きなので。
<これって、誰かな?>と思い、眺める。

<おお、いいこと書いてあるじゃないか!>
「他者の権利を尊重することが平和である。メキシコの民からアメリカの民へ」
Bento Juarez (1806~1872)
 これって、時代は日本の幕末だね。その頃のアメリカは独立はしていてもまだまだ内紛で南北戦争だ、メキシコとの戦争だ、そして西部へ西部へという時代だね。メキシコは負け組だったけれど、こういう人がいたんだね。これって今のアメリカへ返したいことばだね。
歴史において、大きな戦争の後には、大量に人が死ぬので反省が生まれる。そしてもう二度とイヤだと思う。その時に教訓とすべき美しきことばがのこる。

しかし、人は忘却の動物。

 こんな美しきことばの後ろで人の権利を侵害する盗聴を率先してやり、表ではベトナム戦争にどんどん兵士を送り、敵も見方も大量に死においやった。最後には大スキャンダルで大統領を首になったんだからね。人間の歴史は懲りずに同じことを繰り返してきた。

いまも、そしてこれからも。

そうそう、こちらへくる飛行機の中で映画を2本見た。
あの「明日の記憶」とディズニー版「南極物語」。
前者はまさに人間讃歌。後者は最低。パクリの上に、陳腐。本物の日本版「南極物語」と比べるまでもない単なる娯楽映画。もうこの嘘は楽しめない年になってしまった、とちょっと寂しい気もするが。(中部時間10日記)
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