2ヶ月程度かけて、通勤時の信号待ち時間などを繋いで読み終えた。
舞台が、高松の施設図書館らしき場面が舞台。東京から徳島、そしておそらく津田の松原を抜けて運命の出会いに到るまでの場が、かつて過ごした讃岐の空気が蘇る。人は、皆それぞれが別世界のマイノリティーに生き、彼岸(あの世)も我岸(この世)も超えた世界の共有に最後の安らぎを得る。村上春樹がなぜこんなにも受けているのか、若い時に周りではざわめいているのに関心もなく、関心を持とうともしなかった。しかし1Q86を読んで以来、これだ!と思い、村上の全著作を、相当に遅ればせながらも読んだ。彼の作には最後に救いがあるので、それを求めて読みたくなるのだと、1読者になり切った。場面を飽きさせずつなぐ。サスペンスと人のつながりを求めるロマンと夢の世界のファンタジーをつなぐ世界。次は、ノルウェーの森をまたゆっくり読もう。
それにしても文庫本は目に辛い。