面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」

2008年03月23日 | 映画
舞台は19世紀、ロンドン。
フリート街で理髪店を営むベンジャミン・バーカー(ジョニー・デップ)は、愛する妻と娘と共に幸せに暮らしていた。
そんなある日、美しい彼の妻に恋をしたターピン判事の陰謀で、バーカーは無実の罪を着せられ、投獄されてしまう。
15年後、妻と娘を奪われたバーカーはスウィーニー・トッドと名前を変え、フリート街に戻って来た。
理髪店を構え、パイ店の店主、ミセス・ラペットの協力を得て、ターピン判事への復讐を図る…

イギリスでは150年以上のロングランを誇るミュージカルの映画化。
なので、実際にあった事件をモチーフにしたと言いつつも、猟奇性よりも寓話的な色彩が色濃い。
また、ティム・バートン監督の作り上げた、ほとんどモノトーンの色調を落とした暗くて殺伐とした画面が、物語の現実感を薄めている。

しかし、全体のトーンが暗いだけに、血の赤が凄まじく鮮烈!
血に弱い自分は、貧血を起こしそうになるので、「あ!来るな!」と思ったら、画面から目を逸らしていた。
(はい、めっちゃビビリです)

そもそも、刃物でスパッと切る場面は直視できないタチなので、凶器のカミソリが被害者のノドを次々と切り裂くシーンは、一番最初の被害者が殺されるシーンを最後に見ていない。
(一番最初だったので油断していたのだ!)
その度ごとにうつむいたり、目を瞑ったりしていたのだが、切られた被害者のもがく声にならない“音”が聞こえて身の毛がよだつ思いがした。。
うー、思い出してもキモチ悪い…

とはいえ、話の筋は悪くないし、スプラッターとジョニデの両方とも大好きな人には特に、思う存分楽しめる佳作。

それにしてもジョニー・デップは歌もうまいことよ(感嘆)
ホンマに芸達者な役者やね。


スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
2007年/アメリカ  監督:ティム・バートン
出演:ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アラン・リックマン、サシャ・バロン・コーエン、ティモシー・スポール、ローラ・ミシェル・ケリー、ジェイン・ワイズナー