面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「極道兵器」

2011年12月18日 | 映画
西日本を牛耳る岩鬼組組長の一人息子・岩鬼将造(坂口拓)は、父親である権造(麿赤兒)の訃報の知らせに、4年ぶりに帰国した。
しかし、かつて組事務所があった場所は、サラ金へと姿を変えていた。
将造はそこで、父親を死に追いやったのは、岩鬼組若頭であった倉脇(鶴見辰吾)であることを知る。
将造は仇である倉脇を追い詰めていくが、あと一歩のところで逆襲に遭い、右腕と左足を吹き飛ばされてしまう。

一命をとりとめた将造は内閣特務警察に保護され、ある特殊な大手術を受けた。
居場所を突き止めた倉脇の送り込んだ刺客が迫ったそのとき、手術から目覚めた将造は、右腕のバルカン砲と左膝のロケットランチャーで敵を蹴散らした。
最強の「極道兵器」となった将造は、仁義を通すために倉脇への反撃に転じた……!


「SUSHI TYPHOON」に欠かせないアクション俳優であり、アクション監督である坂口拓が盟友・山口雄大とタッグを組んで、石川賢原作の伝説コミックを映画化。
瀕死の重傷を負った体が改造され、兵器が組み込まれた姿は、さながら「サイボーグ009」における004。
石ノ森章太郎なら、独特の哀感が漂うキャラクターを生み出すのであろうが、「極道兵器」である将造には微塵も悲哀は無い。
「ワシャこの身体、気に入ったどーーっ!」
と怪気炎をあげ、最強の身体が手に入った喜びに満ち溢れた歓喜の雄叫びをあげる。
切れ味鋭いアクションにバルカン砲とロケットランチャーが加わって、物語のボルテージはイッキに急上昇する!
そんなド派手なスタントだけでなく、ライバルたる相手との一騎討ちの見せ場もクライマックスに用意され、多様なアクションシーンがふんだんに織り込まれたストーリー展開は、正に坂口拓の真骨頂を発揮している。


「片腕マシンガール」を凌駕する“片腕片足強力兵器”の“最終兵器極道”が暴れまわる(ん!?色んな要素テンコ盛りやな!)、ハイテンション・ヤクザムービー。
ノンストップで疾走し続けるアクションに見ているこちらのテンションもアゲアゲ↑↑の(表現に世代的なムリがありますか!?(笑))、疾風怒濤のバイオレンス・エンターテインメント!


極道兵器
2010年/日本  監督:坂口拓、山口雄大
出演:坂口拓、村上淳、黒川芽以、鶴見辰吾、麿赤兒

「ヘルドライバー」

2011年12月18日 | 映画
残忍な母親リッカ(しいなえいひ)に隠れ家を見つけられ、目の前で最愛の父親を惨殺されたキカ(原裕美子)。
凶暴な魔の手が自分へと向けられ、必死に逃げるキカが追い詰められた瞬間、リッカの胸を空の彼方から落下してきた物体が貫いた。
しかしリッカはキカの胸に手をねじ込むと心臓をつかみ出すと、なんと自分の胸に移植してしまう。
その瞬間、リッカの体に異形の物体が寄生、口から赤黒い灰を猛烈な勢いで吐き出した。
謎の灰はなんと人間をゾンビ化さる力を持ち、瞬く間に北海道、東北に蔓延し、人々をゾンビ化してしまった。
日本政府は東北以北を高い壁を築いて隔離する。
1年後。
胸に人工心臓を埋め込まれて甦ったキカは、体から延びたチューブの先にある日本刀型チェーンソーをつかんで立ち上がった。
「もう逃げない。」
自分を地獄の苦しみに叩き落した母親リッカに対する、壮絶な復讐の戦いが始まる…!


「片腕マシンガール」でその名を初めて認識し、監督作品「東京残酷警察」での独特の造形とブラッディ・シーン嵐に度肝を抜かれた、特殊メイクのトップランナー・西村喜廣が、監督・脚本を務めて送り出した“血飛沫芸術”の世界。
不条理なストーリー展開に、今度はゾンビと人間の壮絶な戦いをスプラッター描写たっぷりに盛り込み、近親憎悪という言葉を遥かに凌駕する母親への激しい憎しみに燃える少女の復讐劇を描く。

ワールドワイドに熱狂的なファンを持つ西村喜廣が創り出す映像は、江戸時代末期から明治期にかけて現出した「残酷絵」を彷彿とさせる。
世界に誇る日本の芸術である浮世絵がたどり着いた世界を、映像文化の中へと昇華させた彼は、現代の月岡芳年か土佐の絵金か!?

和製スプラッター映画の第一人者が遺憾なくその力を発揮した、ゾンビ&カーアクションムービーの怪作!


ヘルドライバー
2010年/日本  監督:西村喜廣
出演:原裕美子、しいなえいひ、波岡一喜、柳憂怜、鳥肌実、ガダルカナル・タカ