18世紀後半のイギリス。
貴族の家に生まれたジョージアナ(キーラ・ナイトレイ)は、世界で最も裕福な貴族の一人であるデヴォンシャー公爵(レイフ・ファインズ)のもとに嫁ぐことになった。
新生活への期待に胸を膨らませて結婚はしたものの、公爵は彼女に対して愛情を示すでもなく、ただ男子の後継者を生むことだけを望む態度をとる。
彼女はそっけない公爵との結婚生活に不満と不安を抱きつつも、社交の席では公爵夫人として魅力的な振る舞いを見せた。
斬新なコスチュームは社交界の話題の的となるだけでなく、ギャンブルにも興じ、遂には政治の世界にも足を踏み入れていく。
美しく、情熱的で聡明なジョージアナは、全ての人々を魅了するカリスマ的な公爵夫人として、ロンドン中に話題をふりまく存在となる。
そんな華麗な表舞台とは裏腹に、彼女の私生活は苦いものだった。
公爵は、愛人が産んだ幼い娘の世話をジョージアナに押し付け、その後彼女が産んだ娘には何の興味も示そうとはしない。
更には、ジョージアナが社交パーティーの席で意気投合し、親友となったレディ・エリザベス・フォスター(ヘイレイ・アトウェル)を愛人にし、あろうことか屋敷に住まわせるのだった。
華やかな社交生活と殺伐とした私生活との板挟みに苦しむジョージアナは、民衆の側に立つ新しい政治家を目指す若き野心家のチャールズ・グレイ(ドミニク・クーパー)の支援に力を入れていくのだが…
知性と美貌を兼ね備え、イギリス中の人々から愛されたというジョージアナ・スペンサー。
ダイアナ元皇太子妃の直系の祖先でもある彼女の実話を映画化した本作。
華々しい社交生活とは裏腹に、満たされない結婚生活に苦しみ、真実の愛を求め続けるジョージアナの姿は正にダイアナ妃を彷彿とさせて切ない。
しかしご先祖様はダイアナ妃よりも逞しく、凛として生涯を全うされたという史実は、この物語におけるせめてもの救いとなっている。
物語終盤、ある事件がもとで打ちひしがれるジョージアナに、デヴォンシャー公が訥々と不器用にいたわりの言葉をかけるシーンがあるのだが、もしチャールズ皇太子にせめて彼ほどの思いやりがあれば、ダイアナ妃の悲劇は無かったかもしれない。
ジョージアナが惹かれていく若き政治家の名がチャールズというのもまた、何やら因縁めいていて…。
三面記事的な切り口からは、物語のまた違った側面が見えてくる。
「プライドと偏見」や「つぐない」など、いわゆる“コスチューム劇”のヒロインとして、今彼女の右に出る女優はいないと言っても過言ではないキーラ・ナイトレイが、ジョージアナを好演。
今回も社交界の華を見事に演じきっていて素晴らしい。
アカデミー賞衣裳デザイン賞を受賞した煌びやかな衣装も、彼女がいたからこそ一層画面に映えたのではないだろうか。
触れれば折れそうに細いキーラ・ナイトレイが熱演する、強く逞しく毅然として生きる高貴な女性の姿が胸を打つ佳作。
「ある公爵夫人の生涯」
2008年/イギリス・フランス・イタリア
監督・脚本:ソウル・ディブ
出演:キーラ・ナイトレイ、レイフ・ファインズ、シャーロット・ランプリング、ヘイレイ・アトウェル、ドミニク・クーパー
貴族の家に生まれたジョージアナ(キーラ・ナイトレイ)は、世界で最も裕福な貴族の一人であるデヴォンシャー公爵(レイフ・ファインズ)のもとに嫁ぐことになった。
新生活への期待に胸を膨らませて結婚はしたものの、公爵は彼女に対して愛情を示すでもなく、ただ男子の後継者を生むことだけを望む態度をとる。
彼女はそっけない公爵との結婚生活に不満と不安を抱きつつも、社交の席では公爵夫人として魅力的な振る舞いを見せた。
斬新なコスチュームは社交界の話題の的となるだけでなく、ギャンブルにも興じ、遂には政治の世界にも足を踏み入れていく。
美しく、情熱的で聡明なジョージアナは、全ての人々を魅了するカリスマ的な公爵夫人として、ロンドン中に話題をふりまく存在となる。
そんな華麗な表舞台とは裏腹に、彼女の私生活は苦いものだった。
公爵は、愛人が産んだ幼い娘の世話をジョージアナに押し付け、その後彼女が産んだ娘には何の興味も示そうとはしない。
更には、ジョージアナが社交パーティーの席で意気投合し、親友となったレディ・エリザベス・フォスター(ヘイレイ・アトウェル)を愛人にし、あろうことか屋敷に住まわせるのだった。
華やかな社交生活と殺伐とした私生活との板挟みに苦しむジョージアナは、民衆の側に立つ新しい政治家を目指す若き野心家のチャールズ・グレイ(ドミニク・クーパー)の支援に力を入れていくのだが…
知性と美貌を兼ね備え、イギリス中の人々から愛されたというジョージアナ・スペンサー。
ダイアナ元皇太子妃の直系の祖先でもある彼女の実話を映画化した本作。
華々しい社交生活とは裏腹に、満たされない結婚生活に苦しみ、真実の愛を求め続けるジョージアナの姿は正にダイアナ妃を彷彿とさせて切ない。
しかしご先祖様はダイアナ妃よりも逞しく、凛として生涯を全うされたという史実は、この物語におけるせめてもの救いとなっている。
物語終盤、ある事件がもとで打ちひしがれるジョージアナに、デヴォンシャー公が訥々と不器用にいたわりの言葉をかけるシーンがあるのだが、もしチャールズ皇太子にせめて彼ほどの思いやりがあれば、ダイアナ妃の悲劇は無かったかもしれない。
ジョージアナが惹かれていく若き政治家の名がチャールズというのもまた、何やら因縁めいていて…。
三面記事的な切り口からは、物語のまた違った側面が見えてくる。
「プライドと偏見」や「つぐない」など、いわゆる“コスチューム劇”のヒロインとして、今彼女の右に出る女優はいないと言っても過言ではないキーラ・ナイトレイが、ジョージアナを好演。
今回も社交界の華を見事に演じきっていて素晴らしい。
アカデミー賞衣裳デザイン賞を受賞した煌びやかな衣装も、彼女がいたからこそ一層画面に映えたのではないだろうか。
触れれば折れそうに細いキーラ・ナイトレイが熱演する、強く逞しく毅然として生きる高貴な女性の姿が胸を打つ佳作。
「ある公爵夫人の生涯」
2008年/イギリス・フランス・イタリア
監督・脚本:ソウル・ディブ
出演:キーラ・ナイトレイ、レイフ・ファインズ、シャーロット・ランプリング、ヘイレイ・アトウェル、ドミニク・クーパー
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