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先取りの功罪

中学受験準備のカリキュラムがずいぶん早くなってきたというお話をしていますが、良く考えてみると、中学受験自体が本当に先取りをしています。

これは中学校の数学の教科書を見てみると、よくわかります。

あ、これも、やった、あれもやった、ということになって、実は中学入試の問題には結構中学校で習うべき内容が出ています。

だから、実際に中学校に進んだ後勉強することは、半分もないかもしれない。

そこを私学は利用します。

つまり、中学校の課程を中1・2年ぐらいで終えて、高校の内容に入る。

中3で高1、高1で高2と1年ずらしていけば、必然、高3は浪人状態になるわけで、これが大学受験の準備にかける余裕につながる。

もちろん、世の中、そう簡単ではなく、途中で子どもたち自身がゆっくりしてしまう場面もあるでしょうが、先取りは有利だ、という考え方が根底には流れています。

しかし、先取りしても、結局、よくわかっていなければ意味がない。

早くやったから、できるようになる、とは限らない。

早くやるということは、わからないことの上にさらにわからないことを乗せてしまう可能性があるわけで、私立受験校に進学後、それで苦しむ子どもたちも少なくありません。

これは学校によって考え方が違うところもあります。

進学校であっても、あえて先に行かない、というところもある。

「その分、余裕があるのだから、違うことをやる時間があってもいい」

特に自由な子どもたちの活動を認めるところは、そういう時間の中でもう一度、自分が何をやりたいのか、どんなことが好きなのかを見つめさせるようにしています。

何でも早くやればいい、というものではありません。

今、5年生は忙しいカリキュラムに追われていても、あまりあせらないことです。

最終的に6年生の最後に帳尻が合えばいい。いま、わからない、ということについて曖昧にしないで、しっかり理解を積み重ねてください。

別に組み分け試験の結果で合否が決まるわけではありませんから。

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今日の田中貴.com

うちの子をいれないような学校は大した学校ではない
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