那智の入江 2019年10月08日 | 花鳥風月 那智勝浦(和歌山県)の入江。波高は低いが横幅の大きい波が絶え間なく打ち寄せる。流石に太平洋の波だ。いつもの淡路島に挟まれた播磨灘とはまるで違う。遠く近くに何層にも重なる静かな波の音たち。現れては消え、消えては現れる。しかも重奏的に。音楽で言えばメゾピアノという感じか。「やや小さく、しかし声の響きはフォルテシモと同じに歌って」と、合唱の指揮者に指導されることがある。海はそんなお手本のような響きだ。指揮者のいない巨大な合唱団。いつまでも聴き飽きることがない。