晴耕雨読

晴れた日には土いじり、雨の日にはパソコンとボタニカルアート

もひとつ 車にDNA?

2020-05-13 | 読書
もひとつ思い出したので、記しておきます(元々備忘録ブログなので)

DNAは情報なので…DNAをコンピューターとして使おうという試みがなされています。それを「DNAコンピューティング」と言います。190頁
~名古屋市立大学の樋口恒彦教授が実際に行った実験を紹介します。
彼はDNAが情報であるという性質に着目して、日産自動車と共同研究をしました。
アイデアはこうです。

ある程度の長さのDNAを化学合成して、そのごく少量を自動車の塗料に混ぜます。20個のパーツをつなげたDNAを合成すると、その配列は600億通り以上あり、自動車の1台1台に個別のDNAを割り当てることができます。万一ひき逃げがあれば、事故現場に残された少量の塗料をPCRすると、塗料に入っている個別のDNAを増幅させることができます。それによって、DNA配列を特定し、ひき逃げ犯の検挙に役立てることができます。
警察で鑑識をする人の立場になって考えれば、このアイデアを思いつきそうです。このアイデアを樋口教授から聞いたときは、素晴らしいアイデアだと思いました。しかし、実用化にはいたっていません。問題は耐久性でした。車は夏には太陽光にさらされ、光や熱にさらされます。安定だと思われたDNAが、この目的では十分ではありませんでした。DNAを塗料の中でうまく安定させることができれば、実用化されるでしょう。

このアイデアはSCAMPER法で言えば、Adapt「適用する」でしょう。警察の鑑識では犯行現場の遺留品から殺人犯や暴行犯のDNAを取り出し、PCRで増幅し、解析する方法がとられています。


いやあ、ビックリしました。車にDNAとは。実際実用化されれば、鑑識の方の肩の荷も軽くなるってもんで(^^ゞ

車のスマートキーの電池切れのときもなるほどと思ったのですが、車とスマートキーがそれぞれ関連付けられているから、スマートキーは少々お高いんだと納得でした


この本が文庫化されたのは2014年4月なので、最先端はどうなっているんでしょうね


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