【全国の天気】北日本では局地的に雪が強く降る所も(18/01/11)
奈良)遊郭建築を一般公開 大和郡山の「町家物語館」
2018年1月11日
大和郡山市は10日、中心市街地にある大正期の遊郭建築の一般公開を始めた。国の登録有形文化財「旧川本家住宅」を耐震補強し、「町家物語館」と名付けて自由に見学できるようにした。遊郭の歴史を伝えるとともに、市民活動の場として利用していく。
旧城下町の一角。洞泉寺町(とうせんじちょう)の細い路地を進むと、周りの民家よりもひときわ目立つ3階建ての木造家屋が現れる。
延べ床面積は591平方メートル。本館は1924(大正13)年に建てられた。黒を基調とした豪壮な外観。通りに面した窓は、すべて格子で覆われている。
かつて、このあたりは遊郭として栄えた。1階正面の玄関を入ると、遊女(娼妓(しょうぎ))が控えた「娼妓溜(だまり)」や勘定をする「帳場」がある。2、3階には4畳ほどの小さな「客間」が廊下づたいに並ぶ。遊女が髪を整える「髪結場(かみゆいば)」の近くの壁には、ハート形の窓が三つ並ぶ。
遊郭廃業後、客間は貸間となり、下宿として利用された。こうした歴史も、遊客名簿などの資料とともに展示されている。
市は99年、空き家となっていた住宅を、「珍しい建物であり、遊郭の歴史も人権教育として語り継ぐ」として8700万円で買収。音楽やひな祭りなどのイベントの際に公開してきた。市は常時公開に向け、2016年から7800万円かけて耐震補強工事をした。
10日にオープニングセレモニーがあり、打楽器奏者のスティーヴ・エトウさんがパフォーマンスを披露した。上田清市長は「ここではいろいろな人生があった。それを受け止めていきたい。今後、さまざまな活用法を提案していただけたら」と話した。
開館は午前9時~午後5時。無料。休みは月曜(祝日の場合は翌日休み)など。問い合わせは市地域振興課(代表0743・53・1151)。
お酒を飲む機会の多いこの時期。シジミについて見直してみよう!
2018年01月09日
シジミは小粒ですが、美容にも栄養的にも優れた食材なのです!
縄文時代から食べられていたシジミ
縄文時代の貝塚からもたくさん発見されたシジミ
事実、日本ではシジミが手に入りやすく食卓でも見慣れた存在ですが、その歴史は意外と古く、今から約1万6千年前から始まり、約1万年以上続いたとされる縄文時代の貝塚からもシジミの殻は大量に発見されていているのです。
歴史の観点からも日本人の食事になじみの深いシジミですが、シジミの栄養素のトップに挙げられるのが「オルニチン」です。アミノ酸の一種であるオルニチンは、体の中に溜まるアンモニアを肝臓で解毒するときのサポート役を果たす成分とされていて、最近CMなどでもよく耳にしますね。
肝機能をサポート
しじみといえばオルニチンというくらい有名ですね。でも、オルニチンってどんな成分で、どんな働きをしてくれるのかは意外と知られていないよう。実はこのオルニチン、肝機能の保護に役立つ遊離アミノ酸を指すのですが、もともと私たちの体内にある成分ながら、肝臓を酷使しているとその量はどんどん少なくなってしまうことに……。そうした人こそ食べ物から上手にオルニチンを摂取したいものですが、それに最も適した食材がシジミなのです。一説によると食べる前に一度シジミを冷凍すると、オルニチンの量が7~8倍に増加するそう。これは深酒をする機会が多い人ほど、冷凍庫に必須の食材にしたほうがよいかもしれません。
肝機能サポートだけじゃない!? 様々な効能が期待できるシジミ
鉄分とビタミンB12が含まれるシジミには貧血予防の効果も!
貧血予防をサポート
シジミには鉄分とビタミンB12が多く含まれています。鉄分は貧血予防にもなるため、女性にうれしい成分がシジミにたくさん含まれていることになりますし、鉄分に加えてビタミンB12は赤血球の生成を助ける働きがあるため、さらに貧血予防に高い効果を期待できることになります。
綺麗な肌作りをサポート
シジミにはたくさんのアミノ酸が含まれています。アミノ酸は体内でたんぱく質を合成するために使われるものであり、様々な種類のアミノ酸をバランスよく摂ることで、キレイな肌を作れることになります。さらに、必須アミノ酸がどれくらいバランスよく含まれているかを示す「アミノ酸スコア」という指標があるのですが、100点満点中、シジミのアミノ酸スコアは「100」という結果が出ているほど美肌作りに効果があるといわれています。
肝機能はもちろん、代謝アップ、睡眠不足もサポートしてくれる
シジミは薬ではありません。まずは飲み過ぎから気をつけましょう!
肌によく糖質、脂質、たんぱく質の代謝に必要なビタミンB2もシジミには含まれています。ビタミンB2は肝機能サポートと代謝向上の効果の期待のほか、肌のくすみやターンオーバーに働きかけてくれるといった効果も期待できます。
睡眠不足をサポート
先ほどシジミのアミノ酸スコアが「100」であることをご紹介しましたが、美肌作りのほかに、アミノ酸によって睡眠の質を上げる効果も期待できます。快眠が得られることで、日頃の睡眠不足サポートのほか、深酒や疲れを要因とする体調不良からの疲労回復、ストレス緩和といった効果も期待できます。
シジミの美味しい食べ方のいろいろ。〈シジミの中華風炒め〉もおすすめ
シジミは一年中買えるので、重宝しますね
例えば料理としては、〈パスタに使う〉〈しぐれ煮にする〉〈クラムチャウダーにいれる〉といった活用法もありますが、なかでも簡単で美味しい食べ方をひとつご紹介しましょう。
〈シジミの中華風炒め〉
1,シジミ500gほどをしっかり砂抜きします
2,生姜(ひとかけ)、ニンニク(1〜2片)、白ネギ(半分)をみじん切りします。
3,フライパンにサラダ油を入れて、生姜、ニンニク、ネギを香りが立つ程度にサッと火を通します。
4,そこにシジミを入れてお酒(大さじ2〜3)をふって、強めの中火で蓋をします。
5,シジミが開いたら、オイスターソース(大さじ1)、しょうゆ(大さじ1)を入れます。
6,最後にゴマ油(小さじ2〜3)をふりかけて、香り付けします。
7,最後にみじん切りしておいた小ネギをふりかければ完成!
── シジミは薬膳料理にも使われるほど栄養成分が多いうえ、一年中手に入りやすく、冷凍も可能! ちょっと飲み過ぎちゃったよ〜、寝不足が続いている〜という人ほど、様々な効果が期待できるシジミを、今夜の夕食の一品に加えてみるのもよいかもしれませんね。
七十二候「水泉動」-厳寒のなか太陽を射る奇妙な神事「オビシャ」とは?
関東地方の奇祭オビシャ。その起源は石器時代にまでさかのぼる
北半球で冬至を過ぎてからの最も寒さが厳しいこの時期に、南回帰線に到達した太陽はふたたび北半球へと「帰って」きます。
ミトラ教などと習合して太陽神となったキリストの生誕を祝うクリスマスや日本神話の天岩戸隠れの物語などは、一度力を失い遠ざかった太陽が再び力を取り戻して戻ってくることを祈念する信仰から生れたものですが、太陽の招来復活を祈る信仰と真逆で、太陽を射殺す不思議な神事が「オビシャ」。
その分布はかなり偏っていて、西日本の一部で「的射(まとい)」「百手(ももて)」としておこなわれている以外では、関東地方一帯、主に利根川下流域の千葉県北部、茨城県南部、埼玉県東部に集中しています。特に千葉県には北総を中心にもっとも多く見られます。オビシャとは御奉射、御歩謝、御備謝、御毘沙、鬼射とも書きますが、これらは当て字で本来は「御日射」であろうとかんがえられます。つまり、「太陽を射る」神事。古くは平安時代にも記録があり、村落共同体がより集い、神社の境内で太陽に見立てた的に弓矢を射て、その年の豊年を祈願します。
射る的には墨で「鬼」と書かれたりする場合もありますが、多くの場合は日輪にカラスの絵、またはカラスの目に見立てた丸い二重円で、「カラスビシャ」とも呼ばれます。千葉県八千代市の「高津のハツカビシャ」では、的には「甲乙ム」と書かれています。カラスだとか「甲乙ム」だとか、何の事でしょうか。
そこには、東アジア全域では新石器時代以来共有された神話として、「射日神話」そして、太陽の象徴としてのカラスの存在があったのです。
かつて太陽は10個あった?射日神話とは?
神戸市東灘区 弓弦羽神社
射日神話はバリエーションを加えながらユーラシア大陸、北アメリカ大陸に伝播しています。そして中国では、漢の時代に殷の頃から伝わる伝説として「十日神話」が成立します。何と太陽は太古10個もあり、いちどきにその太陽が大地を照らしたことがあったため、焦熱地獄と化した世界を救うため、10のうちの9の太陽を射落とした、という神話です。
中国の創世神話では、そのはじまりに五代の皇帝があったといわれます。五代目の皇帝であった帝俊には3人の妻があり、娥皇夫人は大地を生み、義和夫人は太陽である息子を10人生み、嫦娥夫人は月である12人の娘を産みました。
義和は東方の彼方の義和国に住み、その国には扶桑の木という巨木が生えていて、息子である太陽たちはその木にぶらさがっていました。兄弟の名は、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸。そう、太陽10兄弟は、あの干支の十干の由来です。毎日順番に一人ずつ出発して六頭の龍が引く龍車に乗って天をめぐり、西方の虞淵(ぐえん)という深い谷間で休みます。10人が一巡することを「旬」と言い、これはそのまま現在でも○月の上旬、中旬、下旬という言い方に残っています。かつては一週間は十日だったのです。
さて、しかし、同じ事を何万年も繰り返す間に10人は飽きてしまいます。そこで、10人一斉に天空に輝こうと言いだし、堯(ぎょう)帝の時代に天には10個の太陽が出現するようになりました。大地は乾き、作物は全滅、地下からは魔物も出現して人間を喰い殺すという悲惨な灼熱地獄に。
そこで堯帝は天界から弓の名手、羿(げい)を呼び寄せ、空の太陽を射落とすように頼みます。羿は次々と太陽を射落とし、9つの太陽は地上に落ちて死にました。見るとそれは、9羽の三本足のカラスであったといわれます。
オビシャ神事との関連がよくわかる神話です。
三本足のカラス。神武東征の神話に賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)が化身した姿として登場し、日本各地の神社、特に陰陽道の賀茂氏系の紋章、サッカー日本代表のエンブレムになっているあの八咫烏(やたがらす)です。八咫烏は、日精、つまり太陽の精霊/眷族もしくは化身と考えられてきました。ですからオビシャでは太陽を射る的として、カラスが描かれるわけです。
オビシャ神事はなぜ賀茂-物部系神社でおこなわれるのか
熊野本宮大社の八咫烏
けれども、賀茂氏系や物部系の神社は全国各地にあります。にも関わらずなぜオビシャは関東が中心で、しかも大半が千葉県でおこなわれているのでしょうか。
物部氏は神道系をつかさどり、古代日本では祭祀と軍事を握るもっとも力のある豪族でした。けれども仏教系の蘇我氏との戦いに敗れ、藤原氏に祭祀権・軍事権を奪われ凋落・衰亡しました。その敵である藤原氏側に取り込まれた物部一族の一氏族が賀茂氏です。物部氏一族を十日神話の10の太陽=八咫烏とするならば、賀茂氏はその中で射落とされずにたった一羽残った八咫烏である、といえます。
ここで中国の少数民族であり、南方系の農耕民であるミャオ(苗)族に伝わる射日神話をご紹介します。その内容はオロチ族の原型的な神話より、中国の十日神話に近いものです。
昔、「天じいさま」には太陽である息子が10人おり、交代で空をめぐっていたがあるとき飽き飽きした息子たちは、みんなでいっぺんに空に出て好き放題してやろうぜ、ということになり実行した。末っ子だけは親の叱責を恐れて家に篭っていたが、九人の兄たちは家にも戻らず空で遊び続けた。そのせいで地上は9つの太陽に延々と照らされて干上がってしまった。人間たちは弓の名手に命じて9つの太陽を射落とさせた。兄たちが射殺されるのを見て、家にいた末っ子の太陽は恐れおののいて山奥に逃げ込み、世界は真っ暗闇になってしまった。
そこで困った人間たちは、雄鶏を呼んで鳴かせてみると、その美声に何事かと太陽は山の端からそっとのぞいてみた。すると人々が末っ子の太陽を見てにこにこ笑って喜んでいる。そこで気をよくした末っ子の太陽は、それ以来毎日空に姿を見せるようになった。
おわかりのとおり、後半は日本神話のアマテラスの岩戸隠れの神話と類似し、その原型と思われるもので、これを「招日神話」といいます。洞窟に隠れた太陽を呼び出す「招日神話」は、世界ではかならず複数の太陽とそれを射落とす「射日神話」がセットになっていて、まれに射日神話のみが残ることがあっても招日神話単独と言うことはない、とされます。しかし、日本神話の公式テキストと言うべき記紀にはそれに先立つ複数の太陽とそれを射落とす話は出てきません。
太陽は王の象徴でもあります。つまり、複数の太陽がある、というのは、王が乱立して争いになっているとか、また連合国家体制を取っていることの暗喩でもあるのです。中国の十日神話も、殷の時代の10の王による連合国家とその滅亡を暗喩しているとも言われます。日本もまた、ある時代連合国家体制を作っていたと考えられ、また大王の地位の交代や簒奪もおこなわれたはずですが、記紀が編纂された当時、大和政権は天孫降臨以来ただの一度も天皇以外の王は存在しなかった、という歴史観を徹底させようとしていました。ですから、太陽がかつて複数あった、というような神話は、日本に伝わっていたとしても排除してしまったのです。
八咫烏の生き残りである賀茂氏は、日本にも当然伝わっていた射日神話を、ひそかに神事として伝えていくことにしたのかもしれません。
「太陽の出ずる場所・曜谷」は、関東地方の東の果て=千葉だった!
さらに、「隋書倭国伝」には、「毎至正月一日必射戯飲酒」(正月一日に至ると、必ず射的競技をし、酒を飲む。)と記され、オビシャ神事とおぼしき行事が古代日本でなされていたことがわかります。
つまり、中国で漢の時代に出来上がり、やがて後代の飛鳥時代もしくは奈良時代に日本に伝わった十日神話より前に、日本、それも関東の房総半島には、オロチ族の神話が伝わっていて、オビシャ神事が受け継がれてきた、という可能性があるのです。陰陽道の賀茂氏や物部氏がこの地に積極的に関与していたのは、当時から房総半島=扶桑国、と考えられていたから、ということになります。古代の東アジア一帯の信仰において、房総は実際に義和の住む曜谷であったと思われていたのではないでしょうか。
細々と房総や埼玉、茨城、神奈川などの小社で受け継がれる「オビシャ」神事。実は壮大な歴史ロマンとミステリーがこめられた興味尽きない神事なのです。
現在千葉県内では各地でさまざまなオビシャが行われています。1月中旬から2月中旬にかけてはオビシャ神事が見られるチャンス。是非見学に行かれてみてはいかがでしょうか。