なおじい(HOBBY:カメラ・ビデオ撮影・DVDオーサリング/資格:ラジオ体操指導員・防災士・応急手当普及員)

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7月4日「梨の日」。「赤ナシ」にこそ和梨特有の特徴と美味しさの秘密があった!

2018年07月04日 21時21分56秒 | 食・レシピ

7月4日「梨の日」。「赤ナシ」にこそ和梨特有の特徴と美味しさの秘密があった!

2018年07月04日

7月4日「梨の日」。「赤ナシ」にこそ和梨特有の特徴と美味しさの秘密があった!

旬が楽しみ!

7月4日は「7=な 4=し」にかけて「梨の日」。鳥取県東郷町(現 湯梨浜町)の「東郷町二十世紀梨を大切にする町づくり委員会」が、二十世紀梨の苗木が当地に1904年に移入され100年経った2004年に制定された新しい記念日です。一世を風靡した二十世紀梨も、今では他品種にシェアで追い抜かれ、梨の品種改良とトレンドは、年々変化を見せています。
二十世紀梨

二十世紀梨

「梨の日」は、梨の旬の季節でもない上に今世紀に入ってからの新しい記念日でもあることから、ほとんど知名度はありませんでしたが、6年前に突然「降臨」した船橋市の梨の妖精キャラ・ふなっしーが盛んに「7月4日は梨の記念日で自分の誕生日なっしー」と宣伝したことから、すっかり認知度が高まりました。今や鳥取県の特産とも言ってよい二十世紀梨ですが、誕生したのは千葉県松戸市。梨農家の家に生まれた果樹園芸家の松戸覚之助(1875~1934)が少年時代、近所の農家のゴミ捨て場に打ち捨てられていた梨の苗木を持ち帰り育てたところ、今までとは格段に違う美味しい実がなり、これを定着させた、というのは今や有名な話です。
そして、まさに二十世紀の名にふさわしく、この新種の梨は日本の梨の生産量一位を席巻しつづけました。二十世紀梨は、近代梨生産にとって最大のエポックメーキングな出来事だったのです。が、いつしかより甘味がつよい幸水・豊水といった梨に人気が移り、現在のシェアで一位の幸水はなんと全体の40%を占めています。次いで豊水が27%、続いて新高と二十世紀がほぼ並んで8~9%となっています。そう、二十世紀は現在では和梨の主流ではないのです。

赤ナシ青ナシってそもそも違いがあるの?不思議な青梨信仰

赤ナシの代表格、幸水

赤ナシの代表格、幸水

現在日本では、幸水、豊水、二十世紀、新高が作出のトップ4ですが、このうちいわゆる「青ナシ系」と言われる品種は二十世紀のみで、他は赤ナシ系です、とよく梨についての説明で語られます。このため、いかにも赤ナシと青ナシは別系統のように思われがちです。実際のところどうなのでしょう。
実は、系統的にはまったくそういうことはなく、たとえば幸水の母系には二十世紀がかけあわされています。味は品種により違いますが、赤ナシと青ナシとで区別される違いがあるわけではなく、どちらが優れても劣ってもいないのです。
赤ナシと青ナシの違いは、果皮の色に過ぎません。この違いはどこから生まれるのでしょう。赤ナシ系の梨では、結実して大きくなりはじめた果実が、5月下旬ごろから果実表面にある呼吸孔である気孔が果実の肥大化とともに裂けて、その亀裂をふさぐようにコルク層が形成され始めます。青ナシの二十世紀でも同様の過程をたどりますが、コルク層が形成され始めるのは6月中旬ごろからと少し遅くなります。コルク層の形成過程が急激な赤ナシでは、コルクの色である褐色が強くなり、緩やかな青ナシでは比較的コルク形成が少なく、元の果実の色である青緑色を残すことになります。
コルク層の多い果皮は果実の水分を閉じ込めつつも、外部との空気の循環を保つ機能があります。対して、コルク層の形成が少ない果皮では、蝋質のクチクラ層が厚く覆い、果実の水分を保つのですが、クチクラ層は空気の循環をほとんど遮断します。実は赤ナシが主流なのは和梨で、洋梨や中国梨では青ナシが主流なのです。
つまり、多湿な日本の梅雨の風土では、コルク層の多い赤ナシの果皮は空気の循環を維持することで腐敗を防ぐことができ、一方中国からヨーロッパの大陸の乾燥した気候に適応した青ナシは、乾燥地でも水分を蒸散させないように、蝋質の層、つまりワックスできっちりと覆っているわけです。千葉県の松戸市で突然変異(先祖がえり)的に作出された二十世紀は、一時期各地に苗木が移植され、栽培が始まりましたが、クチクラ層が多い果皮は傷つきやすい上に多湿な日本では病気にかかりやすく、乾燥した気候で比較的冷涼な鳥取県で、いわば安住の地を得た、といえるのです。
逆に言うと、ぶつぶつざらざらとした赤ナシの粗く見える肌は、温暖多湿な日本の風土に適応した姿である、ということができます。いたみやすい水気の多い果肉を新鮮に保つ赤ナシの果皮は、風通しのいい日本家屋や麻の着物、とでもいえばいいでしょうか。
ともすると見た目が茶褐色でざらざらした赤ナシを下劣な品種で、リンゴのような青ナシを高級品のように主張する風潮もありますが、決してそういうものでもない上、互いにかけあわされているものなので特別に区別すべきものでもないのです。

梨ってどうして「ナシ」と名づけられたのでしょうか?

約1万年ほど前に、中国の西南部、長江付近で産した梨は東西に広がり、西に至った梨は卵型、またはだるま型の洋梨となり、東に至った梨は日本で和梨となりました。日本には弥生時代ごろに伝わってきて、その時代に栽培されていた痕跡が残っています。
「なし」という名前の由来については、詳しいことはわかっていません。中の実が白いので「中白(なかしろ)」が縮んだのだとか、実のお尻の部分がご存知のようにリンゴと同様へこんでいるので、「端無し(つまなし)」からきているのだとか、芯に近い部分の果肉が酸っぱいので「中酸」=なかすと呼ばれていたものが変化した、などなどさまざまな説がありますが、どれも駄洒落のような思いつきじみている上、他の果実にもあてはまるものもあり、なぜそれがナシに特定されたのかを説明できておらず、こじつけの感が否めません。
唐代の中国ではナシのことを「梨子」と呼び、かたや近縁の同じバラ科のカリン(花梨 Pseudonia sinensis) やウケザキカイドウ(受咲海棠 Malus beniringo Makino)などの樹を指して「奈」と呼びました。そしてウケザキカイドウは日本では別名ベニリンゴ、またカラナシ(唐梨)といい、その実はリンゴとさくらんぼの中間のような形をしています。日本では、カラナシやカリンと形が似た実をつける、なじみが深いナシに「奈」をあてはめ、その実(子)であるナシの実を「奈子」(なし)と呼んだ、とするのがもっとも自然ではないでしょうか。

梨は水分が豊富なのは言うまでもなく、利尿・代謝を助けるカリウム、消化を助けるアルギン酸が豊富に含まれ、まさに暑さ対策にぴったり、夏から初秋に必須の果物。幸水からはじまって豊水、二十世紀、そして新高へと、品種を移しつつ続いていきます。それぞれに特有の美味しさがはっきりわかるのも梨の特徴。今年の夏は暑いようです。梨の早生種が出回るのが待ち遠しいですね。

芋焼酎・日本酒・ビール…食後の血糖値を抑えるのは?

2018年07月04日 11時15分07秒 | 食・レシピ

芋焼酎・日本酒・ビール…食後の血糖値を抑えるのは?

2018/7/1

写真はイメージ=123RF
日経Gooday(グッデイ)

 芋焼酎といえば、鹿児島などの南九州を代表するお酒だ。鹿児島県民だけでなく、日本全国の多くの左党に愛されている。「糖質ゼロ」ということもあり愛飲している人も少なくないだろう。そんな芋焼酎にうれしい健康効果があるという論文が2016年に鹿児島大学から発表された。そこで今回は、この研究を統括した鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 特任教授の乾明夫さんに話を聞いた。

■芋焼酎に新たな健康効果が!?

 「鹿児島といえば芋焼酎」――。

 左党であれば、多くの方がこう考えるほど、鹿児島と芋焼酎の関係性は深い。鹿児島で「酒」といったら日本酒ではなく、芋焼酎のこと。以前鹿児島で行われた結婚式に出席した際、円卓に置かれた徳利の中には、日本酒ではなく、芋焼酎が入っていて、たまげたことがあった。まさに「地酒」とはこういうことを指すんだろうなあと思ったものだ。

 薩摩隼人たちの飲みっぷりのよさにも驚いた。とにかくよく飲む。最初はビールからと思いきや、いきなり芋焼酎という方も珍しくない。3人も集まれば、あっという間に4合瓶(720mL)が空になる。芋焼酎はもちろん、食事もガッツリ食べるし、とにかく豪快。さすが西郷どんを生んだ鹿児島の男たちである。

 西郷どんのイメージがあってか、ガタイのいい、どちらかというとBMI(Body Mass Index)高めの方が多いのかと思いきや、私が知る本格焼酎の蔵元たちは、いずれもスマート。やっぱり本格焼酎は「糖質ゼロ」[注1]だからだろうか? そういえばドクターの中には「肥満が気になる方は、日本酒より本格焼酎を飲みなさい」と勧める方もいる。

芋焼酎のうれしい健康効果が鹿児島大学から報告された。写真はイメージ=(c)taa22-123RF

 そんな芋焼酎にうれしい健康効果があるという研究結果が、2016年に地元・鹿児島大学から発表された(PeerJ. 2016; DOI 10.7717/peerj.1853.)。「食中酒として飲む芋焼酎は、他のお酒より食後の血糖値の上昇を抑制する」というのだ。本格焼酎に血栓を溶解させる働きがあることは、以前の記事でも紹介しているが、この話は初耳である。

 ご存じの方も多いと思うが、血糖値とは血液中のブドウ糖の濃度を指す。血糖値が高い状態が続くのが糖尿病だ。インスリン[注2]の働きが悪くなり、血糖を細胞へ取り込むことが阻害されるため、血糖が高い状態が続く。こうなると、体内の大小の血管がダメージを受け、多くの合併症を罹患するリスクを負うことになる。

 最近では、食後に一時的に高血糖になる、いわゆる「食後高血糖」のリスクも知られるようになってきた。糖尿病と診断されていなくても、食後高血糖になる人は心筋梗塞などの死亡リスクが上昇するという報告も出ている(Diabetes Care. 1999;22:920-924.)。

 高血糖の人は左党にも多い。食中酒として優秀な芋焼酎が、食後の血糖値の上昇を抑えてくれるなんて、朗報以外の何ものでもない。

 そこで事実を確かめるべく、今回の研究を統括した鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 漢方薬理学講座 特任教授の乾明夫さんに話を伺った。

■鹿児島は糖尿病死亡率が高く、肥満も多い

 乾さんは、糖尿病や肥満、痩せ(やせ)が専門で、同時に鹿児島の食文化や、本格焼酎の健康効果などの研究を積極的に行っている。まずは研究の背景について聞いてみた。

 先生、鹿児島大学は“芋焼酎のおひざ元”というのもありますが、なぜこのような研究をされようと思ったのでしょう?

 「鹿児島大学は全国唯一の“焼酎学講座”が開設された大学で(現在は「焼酎・発酵学教育研究センター」)、焼酎についての研究も盛んに行われています。そして、私が糖尿病、肥満などを専門としていたことから、芋焼酎の健康面での機能性に注目しました。特に糖代謝にいい影響があるのではないかと考えたわけです。鹿児島は何を食べてもおいしいので、つい食べ過ぎてしまいます。さらに、車社会で慢性的に運動不足になりがちなので、実は肥満の方が多いのです」(乾さん)

 確かに鹿児島の料理は基本的に甘い味付けのものが多い。名物のさつま揚げも甘いし、そもそも醤油自体が甘い。それでもって肉も魚もおいしくって(ご存じの通り鹿児島は畜産王国)、運動しないとなれば、そりゃ気を付けなければ太る。厚生労働省が2017年に発表した糖尿病の死亡率(人口10万人対)を見ると、何と鹿児島はワースト6位となっている(※2016年の人口動態統計のデータ)。こうしたバックグラウンドがあり、乾さんたちは芋焼酎の健康効果について研究を始めたわけだ。

■大学のスタッフが郷土の宝・芋焼酎のために立ち上がる

 まず、乾さんたちが行った研究の内容を説明しよう。今回の実験の被験者は30~50代の男女6人。「郷土の宝」である芋焼酎のため、鹿児島大学のスタッフが被験者となった。

 今回測定したのは、食事(夕食)とともにお酒を飲んだ際の、食後の血糖値の変化だ。食事をすれば当然、食後に血糖値は上昇する。一緒に飲んだお酒の種類によって、これがどう変化するかを調べた。つまり、食中酒としての効果の違いを見ていこうというものだ。

 芋焼酎との比較対象は、水、ビール、日本酒の3種。飲酒量は、芋焼酎(アルコール度数15%)は333mL、ビール(同5%)は1000 mL、日本酒(同15%)は333mLで、純アルコール量はいずれも40gと同等になるように調整してある。ちなみに、1日当たりの推奨飲酒量は、純アルコール量で20gなので、今回の飲酒量はほぼ倍と、ややアルコール量が多い印象だが、そこは酒豪が多い鹿児島ならではだろう。

 飲酒後の血糖値の測定は1週間に1度実施した。検査日は鹿児島大学病院に入院してもらい、食事(約710kcal)とともにそれぞれのお酒を飲んでもらった。そして、食事前(空腹時)、食事1時間後、同2時間後、同12時間後の血糖値、インスリンの分泌量を測定した。同時に被験者の脳波も12時間計測した。

 その結果が、右のグラフである。食事摂取後の血糖値の上昇は、ビールが最も高く、次に水、日本酒となり、芋焼酎が最も低くなった。乾さんは、「芋焼酎は、糖質・カロリーともにゼロの“水”より、血糖値の上昇が抑えられているのがポイントです。特に、食事1時間後という比較的早い時期での血糖値の上昇を抑えています」と話す。

 「インスリンの分泌量を見ると、芋焼酎を飲んだ際のインスリン分泌量は最も少ないという結果になりました。この結果から、芋焼酎に含まれる何らかの成分により、インスリンの感受性がよくなり、糖の取り込みを促進させているのではないかと考えられるわけです」(乾さん)

 乾さんは現在、血糖値抑制に関与していると思われる芋焼酎の成分の特定を進めている。複数の有効成分が考えられるそうだが、「研究途中で、現段階では特定できていません。特に、インスリンの感受性を高めると考えられる成分についてはまだ分かっていない」(乾さん)という。残念ながらその仕組みについてはまだ明らかになっていないわけだ。

■どのくらい飲めば効果が出るのか?

 なお、最近乾さんが注目している芋焼酎の成分の一つに、芋焼酎の香気成分の一つであるゲラニオールという成分がある。ゲラニオールは、植物のゼラニウムから発見された香気成分でバラのような香りがある。「ゲラニオールは、消化管ホルモンの一種であるGLP-1[注3]の分泌を介し、インスリンの分泌を促している可能性があります」(乾さん)

[注3]GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は消化管ホルモンの一種で、インスリンの分泌を促す働きを持つ。さらに、胃からの排出を遅らせる働きがある。

芋焼酎の香気成分にはさまざまな効果が期待できそうだ。以前、本連載でも紹介したように、本格焼酎の香気成分であるβフェニルエチルアルコールが、血栓の溶解を促進させることも分かっている。また、乾さんの実験によると、芋焼酎の香気成分の一つであるリナロールは痛みを和らげる効果も期待できるという。

 まだまだ分からないことが多いとはいえ、芋焼酎にはいろいろな面で健康効果が期待できそうだ。これで、安心して芋焼酎を飲むことができるというものだ。

 しかし、左党として気になるのは、「どのくらい飲めば効果が出るのか?」ということである。

 「やはり純アルコールにして20g(アルコール度数25度の本格焼酎に換算して100mL程度)、いわゆる適量をお勧めします。本格焼酎は低カロリーで糖質ゼロですが、やはり過ぎたるはなんとやら…です」(乾さん)

 またしても「適量」か。実験での飲酒量は“多め”だったので期待していたが、現実は期待通りにはいかないようである(がっかり)。

 

◇  ◇  ◇

 今後、乾さんは、芋焼酎に含まれる有効成分の特定を進めるとともに、蒸留方法、原材料など芋焼酎についてより詳しく検証し、機能性をより高めるための研究をしていく計画だと話す。

 健康効果を考えなくても芋焼酎はおいしいものだが、有効成分が特定されたら今よりもっと飲むのが楽しくなりそうだ。今後の研究に期待したい。今宵(こよい)は早速、さつま揚げと芋焼酎で一杯やろう。もちろん「適量」を守って。