広範囲になったメカニズム…「線状降水帯」も多発
毎日新聞2018年7月6日 11時40分(最終更新 7月6日 12時36分)
西日本から北日本の広い範囲に及んだ大雨は、本州付近に停滞した梅雨前線に、南から暖かく湿った空気が継続的に流れ込むことで発生した。専門家によると、激しい雨を降らせる積乱雲が一列に連なる「線状降水帯」も多発しているという。
日本の南海上には太平洋高気圧が張り出し、この西側の縁が水蒸気の通り道となって、南から暖かく湿った空気を運び続けている。
坪木和久・名古屋大教授(気象学)によると、福岡、大分両県で大きな被害が出た昨年の九州北部豪雨では、太平洋高気圧の西縁が今回より西だったため、大雨は九州北部に集中した。今回は昨年より東で、九州から中国、四国、近畿など広い範囲に大雨をもたらしている。
また、梅雨前線を境に、暖かく湿った空気の南側と、オホーツク海から乾いた冷たい空気が入り込んだ北側との差がはっきりしている。こうした大きな前線は長時間停滞しがちだという。坪木教授は「梅雨前線の中には、数百キロメートル規模の線状降水帯が多発しており、局所的に、より強い雨をもたらすこともある」と話している。