記録的な猛暑が続くなか、さらなる暑さを望んでいる人もいるようだ。

 19日も全国的に気温が上がり、京都市で最高気温39.8度を記録するなど各地で猛暑日になった。暑さで地方もヘトヘトになっていると思いきや、そうでもないようだ。

 ここ数年、毎年、夏になると「埼玉県熊谷市」と「群馬県館林市」が、日本一暑い町を競い合っているのは有名だ。2012年には館林市の温度計が、あえて気温が高く計測されやすい駐車場近くに置かれていたという「ドーピング疑惑」が、ネット上で物議を醸した。

 さらに、41.0度と猛暑歴代日本一の「四万十市」、07年に40・9度を記録した「熊谷市」「多治見市」に加え、1933年に40.8度を記録し、74年間もトップの座にいた「山形市」の商工会議所などの民間団体は、「アツいまちサミット」まで結成している。ホームページ上では毎日4市の最高気温が記録され、暑さを競い合いつつ、ちゃっかりと地域の宣伝もしているのだ。

■多治見市は土産売り上げ4倍増

 ここまで暑さを自慢するのは、それなりの経済効果が見込めるかららしい。実際、18日に今年の全国最高気温である40.7度を記録し、「日本一暑い町」と報じられた多治見市は、観光客が激増した。そのときの様子を観光協会の担当者はこう言う。

「お客さんは普段の2倍はいらっしゃいました。『テレビを見て暑さを体験しに来ました』という京都からのお客さんもいて、駅前の温度計で記念撮影をしていました。Tシャツや名物の美濃焼風鈴などのお土産も普段の4倍売れました」

 しかし、異常な猛暑の今夏は、熱中症で人がバタバタと倒れ、死者も出ている。あまり猛暑自慢が露骨だと、批判が起こりかねない。