奈良県大淀町の光明寺住職でシンガー・ソングライターの三浦明利(あかり)さん(36)のトークとコンサートが5日、桜井市の市民会館で、桜井高校の全校生徒約940人に向けてあった。同校が毎年開催している人権文化鑑賞講演会で、今年は「一瞬一瞬を大切に生きよう」をテーマに命の大切さなどを学んだ。

 三浦さんは、パーカッショニストの池田安友子(あゆこ)さんとともに「仏教伝来」「ありがとう~私を包むすべてに~」など11曲を披露。三浦さんが「春」と歌えば、池田さんが打楽器で鳥のさえずりのような音を奏で、会場全体が聴き入った。

 演奏に続く講演で、三浦さんは初期仏典「スッタニパータ」の一節に「人は口にオノをもって生まれてくる」とあると紹介。「意識していなくとも誰かを傷つけてしまうことがある。だから相手に想像力を働かせて、優しい言葉で接してください」と語った。

 ログイン前の続き最後は、生徒から募集した詩をもとに、三浦さんが作曲した「一瞬一瞬」をギター部の2、3年生約30人と共演した。三浦さんは取材に「初めて詩を目にした時、一つ一つの言葉が輝いて見えた。高校生にしか描けない素朴でまっすぐな詩でした」と話した。

 壇上でソロパートを担当したギター部の2年生、大西勇翔(ゆうと)さん(17)は「失敗しないように、曲のやわらかい感じをイメージしながら弾きました。人との出会いや今の出来事を大切にしていきたいです」と話していた。

 当日披露された「一瞬一瞬」は動画投稿サイト「ユーチューブ」(https://youtu.be/bFVoF5M8rYo別ウインドウで開きます)で見ることができる。(竹中美貴)