プロ野球のスタジアムビジネス

先週末、久々の家族サービスを兼ね埼玉・西武ドームに野球観戦（西武ｖｓ広島）に行ってきました。
私の仕事は陸上系ですが日頃から他競技の試合やビジネスにも関心を持ち何か自分の仕事に
参考となる点がないかなど心がけて観るようにしています。

プロ野球界では２００４年に球団の赤字体質に端を発した近鉄とオリックスの合併問題、更にライブドア・
ホリエモンの球団買収騒動、選手組合のスト、そして新球団・楽天の誕生などこの年はプロ野球
（特にパリーグ）にとっては大きな転換期でした。

当時は親会社の存在に甘え、各球団年間１０億円以上の赤字を垂れ流しているにもかかわらず
球団自ら経営再建に踏み切るといった動きは皆無。
まさにパリーグは危機的な状況にあったのは事実です。

この時期を境に各球団も外部からの有識者等の力を借りながら球団改革に乗り出しその結果、
今ではパリーグ球団の観客動員数は向上。決して地上波のＴＶ中継は多くないものの球団の地域密着戦略、
顧客満足度アップを視野にいれた各種施策が功を奏し、経営状態も大きく改善されています。
更には選手や監督、コーチ陣等の言動がファンやマスコミを（良い意味で）強く意識したものに
変化してきたのも注目すべき点です。

こう言った動きは実業団チームの休廃部が相次ぎ、競技会における観客動員が決して多いとは言えない
陸上界においても人気向上の為に参考にすべき点は多いかと思います。

ちょうどこの日も株式会社西武ライオンズで経営企画の仕事に携わる知人と球団のお仕事について
色々と聞かせて頂きました。
この方も以前は大手自動車メーカーに勤務、その後地元長崎でサッカーＪリーグ、野球の独立リーグの
仕事を経験されており、改めてスポーツビジネスの世界ではこういった幅広い知識と経験が大きな武器に
なると言った事を感じました。
（この点においては過去に野球選手としての経験があったか否かは重要ではないと言う事。）

以下、西武ドームでいくつか気になった場所を。

↓ネット裏のシート。非常に人気の高いシートエリアですが小さい席で埋め尽くし数確保を
　するのではなく、あえてゆったりしたシートを広々と配置する形で顧客満足度ＵＰを図っています。

↓飲食店の厨房全体の様子がお客さんにも見えるような作りになっています。
　非常にキレイな厨房で球場の清潔感アピールにも一役買ってます。

↓内野席下のトイレ入り口。ここもキレイで広くて豪華な感じさえしました。
　勿論トイレ内も同様で実際試合中も係りの人がこまめに清掃されていました。
　トイレエリアのこう言った要素は特に女性客にとっては大きなポイント。

他にも決して野球観戦が主目的でなくても十分楽しめる見せ物などが球場の内外で多くあったりと、
様々な所で顧客満足度アップの為の工夫がなされていると感じました。