JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

死して何を残す?

2008年07月29日 | g-i

またしてもジャズ・ジャイアンツの訃報が届きました。
このブログにも何度となくご出演いただいたジョニー・グリフィンであります。
去る7月25日、フランス西部ビエンヌ県の自宅でお亡くなりになったそうで、享年80歳。
あの小さな身体で豪快にブローする「リトル・ジャイアント」、ハンプトン楽団時代は別としても、ジョー・モリス、ジョー・ジョーンズ、アーネット・コブらとのシカゴ時代、ジャズ・メッセンジャーズの一員として、そして、モンク・グループの一員として、さらにはヨーロッパに移り住んでからも、帰米後も・・・・
私は、常に「グリフィンだ!」というスタイルを貫き通した彼がとても好きです。
心よりご冥福をお祈りしたいと思います。

それにしても、このブログを始めてから何人のジャズ・ジャイアンツがこの世を去ったでありましょうか?
特に私などが聴いている時代のジャズメンは、すでに旅立っているか、あるいはかなりの高齢になっているわけで、それもまた仕方のない事なのではありますが、それでもこうして訃報を聞くたびに寂しい思いがします。

「でもいいじゃないの、『死して尚、作品は残る』彼らにはそれがあるんだから」

なるほど、その通りですね。
絵にしても、彫刻にしても、あるいは建築にしても、本にしても、そして音楽にしても、クリエイターの最大の魅力は『死して尚、作品は残る』でありました。
すでに何日か前には、二度と彼の生の演奏を聴けなくなっているにもかかわらず、今こうして彼の演奏を自宅で楽しんでいる、ある意味、生きた証を永遠に残せる仕事をした、これはうらやむべき事なのかもしれません。

「だって、会ったことも話したこともない人なのに、命日だからっていって毎年儀式を執り行う人が、こんな所にもいるんだよ。」
「それはひょっとして、あ・た・しのことかな?」

亡くなっても、世界中の何処かでその演奏を聴いて身体を揺らしている人がいる、それってやっぱり凄いことだし、素敵なことですよね。
私のようにダラダラと毎日を過ごし、残すどころか消費だけを繰り返す、(そんなヤツに限って長生きしたりするんだよなぁ...笑)そんな生涯より、『死して尚、作品は残る』これがどんなに素晴らしいものであるか・・・
あ~あ、何だか自分がとてもミジメに思えてきました。(笑)

ともかく私はめげずに、これからもそんな彼らの作品の恩恵を受けながら、ダラダラと生きていくことにします。

さて、今日の一枚は、もちろんジョニー・グリフィンです。
しかも、間違いなくこれは一番に紹介済みだろうと思っていたら、あたりまえすぎてまだ紹介していなかったという、リバーサイドに残る彼の代表作です。

6曲中3曲がノーマン・シモンズの曲、グリフィンのオリジナルは「63RD STREET THEME」だけ、「しかも3管編成じゃグリフィンが死んじゃうんじゃねぇ」とんでもない、それでもグリフィンらしさがグイグイ来るからこその「リトル・ジャイアント」なのであります。
各曲での彼のソロ、「気持ちいい~~~!」まさにそんな感じ、大好きなブルー・ミッチェル、そしてジュリアン・プリスターが脇を固めているからこそ、この感覚がさらに全面へと出てきているのだと思います。(ウイントン・ケリーのピアノも、もちろん良いですしね。)

オリジナルの「63RD STREET THEME」も、まさに「夜のストリート」感たっぷりで、あの「ブァプァプァップァ~~~」っていうグリフィンのソロがたまんないし、ケリーのピアノが歌ってます。サム・ジョーンズのベース・ソロもなかなか。

1曲だけワンホーン・トリオによる、バブス・ゴンザレスの「LONELY ONE」が入っていますが、これがまたいい。アルバート・ヒースとの掛け合いソロが聴き所ですよね。

え~~とそれから・・・・・・
あはははは、どの曲も大好きな一枚です。

THE LITTLE GIANT / JOHNNY GRIFFIN
1959年8月4,5日録音
JOHNNY GRIFFIN(ts) BLUE MITCHELL(tp) JULIAN PRIESTER(tb) WYNTON KELLY(p) SAM JONES(b) ALBERT HEATH(ds)

1.OLIVE REFRACTIONS
2.THE MESSAGE
3.LONELY ONE
4.63RD STREET THEME
5.PLAYMATES
6.VENUS AND THE MOON



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