なんだか気温が思うように上がってきません。明日など最高気温が10度を割る予想が出ておりまして、ほころびかけた桜のつぼみもいつ開いたらよいのか迷っているようです。
せっかくの休みにゆっくりと新聞など読んでいても、政治混乱やら、腑に落ちない殺人事件やら、ぼろぼろぼろぼろ出てくる税金の無駄遣い等々、目に入るニュースは、開幕三連敗の巨人にため息する母のめいった心のように、どうにもやるせない想いばかり引き起こします。
「三位一体の改革」と声高に唱え踊らされても、結局のところ傷みを伴ったのは庶民だけではないか、そんなこと思ったところで、誰に何を言えるわけでもなく、この虚しさが社会を少しずつ壊し始めていることに、はやくお偉いお方が手当を施すことばかり祈る他力本願の自分自身にも腹立たしさがつのります。
そのくせ、新聞を読みながらブツブツ独り言のように文句をほざいている、ほんとアホな中年男の何者でもありません。
「まったく、何でこうも毎日腹立たしい記事ばっかなんだろ」
そんななか、面白かったといえば、今日の朝日新聞の「辞書のことば 栄枯盛衰」との記事でした。
我が家にもある三省堂国語辞典の第6版が昨年12月に出版されて(現在我が家にあるのは第2版です。)、1960年に発刊された初版と比べると、収録語は約2万語増えたものの、計2万近くの語も削られているのだそうです。
消えていった語には「溜め桶」「愛児」「マニュファクチャー」「ライカ判」「白葡萄酒」「瀬戸引き」「ビデカセ・ラテカセ」キスを意味する「A」「ワリチョー」「セーリングポイント」「女ドラ」「レクる」等々、すでに存在しないものも「死語」となったものもありこれは消えて当然なのですが、そうでなくとも、版を重ねるごとにページ数が増し、これ以上増やすと現行サイズと値段の維持が難しくなり、今後の編纂には苦労をしそうだというのです。
つまり、それだけ新語なるものがどんどん世に出続けているということで、考えてみれば私が学生だった頃は「パソコン用語」だって「経済用語」だって「科学用語」だって、こんなに新語は無かったですもんね。まして「流行ことば」はあったにせよ「KY式日本語」みたに多種には及んでいなかったし。
外来語を巧みに取り入れたり、新語をどんどん生み出したりと常に流動性と柔軟性を持っていることが日本語の特徴であり良さでもあるのでしょうが、
「かぁちゃん、○○ってどういう意味?」
「そんなの自分で調べな、何のために国語辞典かってやったとおもってんの」
と、自分の知識の無さを露呈せずに子供に言い聞かせる術の崩壊は避けていただきたいものです。(笑)
元筑波大学長の北原保雄氏は「究極の省略語といえるが、消えていくのも早いだろう」と「KY式日本語」の行方を予測しておられますが、「ことばの栄枯盛衰」はしかたのないこととしても、国語辞典で何事も分かるようにしていただけるにこしたことはないわけで、「能力衰衰」のオヤジにはあまりに早い「ことばの栄枯盛衰」は歓迎できませんよね。
「でも、覚えることが多いということは、脳の活性化には良いんじゃないの。歳を取っても日々勉強よ!」
まぁ、そうではあるんですけどね。
さて、今日の一枚は、タイロン・ワシントンです。
ホレス・シルバーに見出されたワシントンは、同グループの「THE JODY GRIND」でデビュー、そしてこのアルバムで初リーダーを務めわけです。
彼のテナーは、なんだかとてもウネウネしていますよね。おそらくは好き嫌いがハッキリとするタイプのジャズメンではないでしょうか。そのウネウネを色っぽいと取るか、嫌らしいと取るかだとも思いますけど。
いずれにしてもワシントンだけでなく、シルバー・ファミリー同時参加のウディ・ショウも、ちょっと先輩ですがジェームス・スポルディングにしても、若い感性溢れるアルバムにしたかったという意気込みは充分に感じ取れる一枚だと思います。
ただしそれは、当時の他の若いジャズメンが示した感性とは、また違ったものだったように私には思えます。
NATURAL ESSENCE / TYRONE WASHINGTON
1967年12月29日録音
TYRONE WASHINGTON(ts) WOODY SHAW(tp) JAMES SPAULDING(as,fl) KENNY BARRON(p) REGINALD WORKMAN(b) JOE CHAMBERS(ds)
1.NATURAL ESSENCE
2.YEARNING FOR LOVE
3.POSITIVE PATH
4.SOUL DANCE
5.ETHOS
6.SONG OF PIECE
おまけ、
今日は日曜日ですので恒例の『料理当番、今日の一品』です。
メインは「鶏の手羽元の醤油煮」
焼き目を付けた鶏の手羽元を、醤油、酒、砂糖、酢を加えたダシで圧力鍋を使って煮込みます。圧力を落とした後、ゆで卵、下ゆでした大根も放り込んでさらに煮込みました。
付け合わせは「タコ・サラダ」「筋子の酒粕漬け」です。
じつは、日本酒をいただこうかと作ったのですが、何と出来上がってから日本酒が無いことに気付きまして・・・・・ワインでも美味しくいただけました。