なんだか寒い一日でしたねぇ、雨だけならまだしも突然気温が下がると体調を崩す人も多いでしょう、お互い気を付けましょうね。
このあたりでは一日ずれたものの、昨日、5月28日に降る雨を『虎が雨』と言うんだそうでありまして、
これは、曾我兄弟、すなわち兄、十郎祐成(すけなり)と弟、五郎時致(ときむね)の仇討ち物『曾我物』(『曾我物語』や『吾妻鏡』を元に、歌舞伎やら浄瑠璃やら作られた話は数知れず、これを総じて『曾我物』といいます。)に由来するんですが・・・・
え~~時は建久四年、平家の世が源氏の世へと移りし頃のこと
源頼朝が権威と実力を関八州の皆々に示すべく、富士の裾野で行った大がかりな巻狩り(軍事演習みたいなもんですかね)、その仕切り役の一人であった工藤祐経(すけつね)、彼こそが曾我兄弟が何としても討ち取らなくてはいけない父の仇なのであります。
二人は「この好機を見逃すまいぞ」と仇討ちに出かけますが、いかに訓練野営とはいえ、大将の側近までたどり着くのは容易ではありません。苦労して苦労してやっとのおもい、巻狩りがあと一日で終わろうとしている5月28日、真夜中の雨を利用していよいよ工藤祐経の陣へ入り込みました。そして、
「父の恨み、我が兄弟がはたさん!!」
とばかりに斬りかかり、みごと仇討ちをはたします。
しかし、兄、十郎祐成は新田四郎忠常にその場で斬られ即死、弟、五郎時致もまた御所五郎丸に生け捕られるものの、自ら望んで斬られ死ぬという、まぁそんな話なのであります。
この時、兄、十郎祐成の恋人、虎御前が流した涙、これが雨となって毎年5月28日に空から落ちてくるのだと・・・・・あ~長かった。(笑)
「毎年って、毎年は降らねぇだろう」
ってですか?・・・う~~~ん確かに毎年は降らないでしょうが、でも、陰暦の5月28日がいわゆる『雨の特異日』Singularity(シンギュラリティ)ではあるそうですよ。でへへへへ、ですから実際の『虎の雨』は季節的にはもっと後になるんですけどね。
とにもかくにも、昨日今日の雨が涙雨なら、冷たい雨でも仕方がありませんかねぇ
そういえば『虎が雨』は夏の季語にもなってます。
責められてまた責められて虎が雨 バブ
だめだこりゃ
さて、今日の一枚は、オリバー・ネルソンです。
ネルソンというと、どうしてもプレイヤーというより、コンポーザー、アレンジャーとしてのイメージが強いですよね。
もちろんそちらの才が闌けていたからに他なりませんが、プレーヤーとして聴いてみるには、今日のアルバムなどけっこうよろしいんではないでしょうか。
全体にとてもまとまっているし、バイブとオルガンを加えた変則ワンホーン・クインテットは、なかなか面白味もあります。
プロ活動を始めてたった一年で爆死ししたレム・ウィンチェスターのバイブが聴けるところも魅力ですよね。
ただしいていうと、私はネルソンに個性をあまり感じません。
「いかにもネルソンのアルトだ」とかいう感じ?良いんですよ、じつに良いんですが「バーン!」っていう印象が無いんですよね。
・・・・・・それがネルソンらしさなのかなぁ???????
もちろん「ALL THE WAY」なんかのように、ソロで入ってバックが加わっていく、何ともお洒落な感じは「さすが名アレンジャー」と感心はするんですよ。
けなしておいてなんですが、このアルバムは好きな一枚です。
本日はCDでの紹介。
TAKIN' CARE OF BUSINESS / OLIVER NELSON
1960年3月22日録音
OLIVER NELSON(as,ts) LEM WINCHESTER(vib) JOHNNY HAMMOND SMITH(org) GEORGE TUCKER(b) ROY HAYNES(ds)
1.TRANE WHISTLE
2.DOXY
3.IN TIME
4.LOU'S GOOD DUES
5.ALL THE WAY
6.GROOVE